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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第一幕 英雄
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第三話 能力

 俺は掌に力を込める。自分でも分かる程に体温が僅かに上がり、心拍数が増加している。そして胸の辺りから熱いものが込み上げてくる様な感覚。

 熱いものが腕を通り自身の掌へと寄り集まる。


 俺の能力は『光』だ。言ってしまえば"光を操る"端的にその一言で終わるシンプルな物だ。太陽光を凝縮してレーザーのようなものが打てたり、光を凝縮して熱源として使うなどと汎用性は高い。

 

 汎用性の高さからかなり強い。俺達四人の中で一番戦闘向きの能力だとも自負している。

 そんなことを思考しながら俺は光を一点に集め続ける。

「………死ぬなよ?」

 俺は光り輝く自身の手を正面へと向ける。


________________________


 ふざけたガキだな。旧都荒らしのルールがなってないな。ビギナーズラックという言葉がある。だが旧都ばかりはそこまで甘い場所ではない。全てが合法であり完全なる無法の地!


 見た限りは俺と戦う気があるのはたった一人、黒髪のチビだけ。そんでチビの能力は推測する限りは身体強化だろうな。「身体の一箇所が光り輝く」身体強化の特徴にピッタリだ。


 俺の能力は『刃物』

 何も考えずに近距離で攻めてくる初心者相手には負けなし能力だ。ビギナーズラック出来なくて残念だったな!


「どうした?覚悟させるんじゃなかったのか?」

「……あぁ、良いだろう。しっかり受けろよ!」

 来る! 初動をカンペキに往なしカウンター! 足を刃物に……し………何だ? ありゃあ。


 攻防は一手にて決着した。いや、攻防ですらなかったのかもしれねぇ。奴が突き出した手から出た光が一瞬のうちに俺の脇腹を貫いた。

 内臓をイカれちまってる。どこをやられた? 致命傷は……避けているのか? 


 はぁ、最悪だ……旧日本でああも平然としている四人組な時点で気づくべきだった! こんなところで四大罪人と出逢っちまうとは……ツイてねぇ。


「罪人のくせに一丁前に正義を気取ってるのか? 一体どんな風の吹き回しだ?」

「………罪人だからこそ……俺達は進むんだ」

「ハッ、意味分かんねぇ。……ゴホッ」

 吐血……意識も限界だな。


 俺が生を放棄しようと目を閉じかけた瞬間、

「………やり直せよ?」

と男が呟いた様に感じた。

「稲……光………め…………」


 言葉の意味を追求しようと思った瞬間、俺の意識は明るい闇へと落ちていった。


________________________


「随分と高い出力だったな、今回のレーザー」

戦闘が終わってすぐ龍が聞いてくる。

「……そうだな。出力を抑えていたら奴には避けられていただろうしな」

 これは事実だ。野良の旧都荒らしのレベルとしてはあの大柄の男はかなりの実力者だった。経験の差だろうか。


「でもやっぱり兄さんの能力ってホント便利だよね。明るい空間なら無条件でレーザーなんかできるんだから」

「まあ滅茶苦茶疲れるけどな」

 レーザーは打つ度にかなりの体力を持っていかれる。だからなるべく攻撃に組み込みたくはないのだ。


「あんな雑魚相手ならレーザーなんか使わなくても勝てたでしょ、自業自得よ」

 黙って見学していた乃亜が煽ってくる。

 乃亜の能力こそとんでもない程体力使うだろうに…哀れな奴。


「まあ良いじゃんか、ここは旧都だ。一線越えなければ責められることなんか無いんだからな」

 俺達は雑談をしながら気絶している男を背負い拠点への帰り道を進んでいた。


 そんな時、

「全員止まれ、人の気配だ」

少し先を歩いていた龍が声を張って俺達に警告してきた。


「……また旧都荒らしか?」

「いや、奴らの様な悪い気配は感じなかったな」

「俺が偵察してくるよ」

「兄さん、一人で行くなんて危ないだろ」

「俺は『光』だぞ?何かあったら光の速度で逃げ帰るさ」


 俺は注意してきた仲間達に対して和ませるつもりだったが、

「何もかっこよくないわね」

とまぁ中々辛辣な仲間達である。


「んじゃ、行ってくる」

 

 俺は、龍が示した方角に向かい進み始めた。


 見つけた、人影だ。

 いや、人影………? 何だ……あれ?


 俺は違和感を覚えた。おそらく能力者でしか感じ取れない違和感を。


 そこに立っていたのは一人の少女だった。まるで天使なのかと錯覚させる程の、同時に息を吹きかけるだけで崩れてしまいそうな程の儚さを雰囲気からでも感じ取れた。

 

 少女の見た目に何一つ異常はなかった。ただの中学生くらいの女の子だ。………背中以外は。


 俺の感じた違和感の元凶。それは一目で分かる。

 彼女には背中から翼が生えていた。それも何か異常な翼が。



『刃物』

体の一部を鋭い刃に変化させる。形状・素材は問わず長さは最長4メートルまで。大きな変化には体力を多く使うため使用頻度には注意が必要。この能力で作られた刃を止める手段は少なく、接近戦での強さとしてはかなり上位の部類に入る。

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