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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第四幕 神話種狩り
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第二十九話 新宿戦 其の三

「ボクはβの序列六位、累だよ!さあ、遊ぼうか」


「クソッ!」

 こいつは一体何なんだよ、能力すら使っていないのにフィジカルだけで二対一で互角に戦ってやがる。

「お前、強いな」

「ボクこそ悪かったよ。キミたちは雑魚と言えるほどじゃなかった。『悪魔』を出せば見逃してあげるよ。どうかな?」

 こいつの目的はルシファーか。と言うことは天華の存在はまだバレてない。それなら向こうが戦力を増員してくることはおそらくない。累を倒せばこっちの勝ちだ。


「うーん、これ以上のパフォーマンスは見れそうにないかなあ、『悪魔』を出さないなら……キミ達、殺しちゃうよ?」

「アモン!能力全開で行くぞ!」

「……分かりました」

 そう言ってアモンは能力を全開放して獣の姿になった。


「うわー、何その能力……キモくてボクはあんまり好きじゃないなぁ」

「……本気で行きます」

そう言った瞬間、アモンは累の目の前まで行き奴を吹き飛ばした。


「やるな、アモン。凄い速さだったぞ」

「えっと、その、ありがとうございます」

 アモンは能力を解除しながら少し赤面して返事をした。


「おーい、ダンタリオン!終わったぞ」

「ん?もう終わったのか?何だ、大したことなかったか?」

「アモンが一撃で終わらせちまったからな」

「そうか」

「残念だったな、お前の出番が無くてよ」

「構わんさ、若者の戦いの方が見ていて面白えのよ」

「そうかよ」


「炎壁」

 俺達三人が撃破報告をしようとした時、突如後ろから声がした。先ほどまで戦っていた相手の声が。


「何だよ、これ」

 奴が能力を発動した。アレを食らってまだ意識を保てるなんて……化け物だな。それにこんな罠を用意していたとさはな。

 辺りには戦場を分割する様に炎の壁が出来ていた。何で規模の能力だ。これがノーリスクで打てるんだとしたら俺達の勝ち目は薄いかもな。

「アハっ、ここからのボクは能力をフル回転させる。まあ、第二形態ってやつだよ。頑張って耐えてよね?」

「無茶苦茶な奴め。サービスだぞ?付き合ってやるよ」



「はぁ、はぁ、はぁ」

 しばらく戦ってきて分かったことがある。あいつが常に手に纏っている黒い炎、アレに触れると体力がごっそり持っていかれる。あの炎のヤバさは熱じゃない。本質は別だ。

「アモン、まだ戦えるか?」

「は、はい、まだ何とか」

「そうか、少し耐えててくれ」

「えっ、どこに行くんですか?出来て数分ですよ?」


 俺は少し離れて能力発動の準備をした。今まで使っていた極太レーザー…あれは今の状況だと打てない。近くにアモンがいるし、何より体力が持たない。だから太陽光をただ一ヶ所に誘導する。威力を分散させずに一ヶ所に打ち込む超威力特化型だ。

「アモン!奴の動きを止めろ!固定させるんだ」

「分かりました。急いで」

「能力発動!最大出力!」


 光が収束していって累の腹に直撃した。

「あっ!熱!何だこれ!クソッ、動けない、やめろ、放せよ!ボクに触れるな獣!」

 あと十秒は当てたい。奴の意識が落ちるまでは油断ができない。アモン、耐えろよ。

「ああぁ!どけっ、女!」

 そう言って累はアモンを吹き飛ばしてレーザーを避けた。

「はぁ、はぁ、はぁ、意識アリ……か。まあそこまで焼け爛れた身体では自由に能力を使えないだろ!」

「アハハハッ、まさか、こんな技を隠し持っていたとはね。炎のガードが遅れてたら危うくボクの命に届いてたかもね」

「はっ!全く……ふざけてやがる。撤退だ」

「よく足掻いたけどようやく敗走かい?それも良い選択だね」


 俺達は吹き飛ばされたアモンを背負って拠点側に撤退した。

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