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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第四幕 神話種狩り
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第二十八話 新宿戦 其のニ

 同時刻21時15分

「皆さん、ダンタリオンさんから緊急連絡です。第一部隊が累と接触したとのこと。他戦力は第二部隊に集中すると思われます。バルバトスさん、第二部隊にこの旨を伝言願えますか?」

「うん、任せてノイマン」


 窓を開けて笛を吹いたバルバトスの元に数羽の鳥が集まってきた。

「やあ、頼みたいことがあるんだけど良いかな」

 一匹の鳩がバルバトスの指に乗った。バルバトスは鳩の足にメモを巻きつけて飛ばした。


「バルバトスさん、それって伝書鳩ですか?」

「そうだよ、天華ちゃん。面白いでしょ」

 すると報告を整理していたノイマンが、

「ただ遅いだけです。非効率的だからスマートフォンにしなさいといつも言っていますよね」

 と言った。

「あはは……ノイマンさんも苦労してるんですね」

「独特な方が多いですから……まとめ役の様な立場に立ってしまうと大変なんです」

 ノイマンは大きなため息を吐いた。


「君達、少しまずいことになったかもね」

 バルバトスが二人の方を向いて言った。

「あそこを見てごらん?」

 バルバトスが指差したのは鳥の死骸だった。正確にはつい先程飛ばした伝書鳩だ。

「ノイマン、能力感知の範囲を広げて。詳しく言えば上空にね」

「分かりました……反応ありです!対象は…高速で上空を移動中。対象の推定目的地は……」

「んま、ここだろうね。奴の能力は鳩のやられ方からしておそらく雷、それと移動手段は……」

 瞬間、その場には大きくエンジンの音が響いた。

「戦闘機……だろうね」


「申し訳ありません。まさか能力者が直接本陣まで攻めてくるとは……この場所に武闘派の能力者を配置しなかった私のミスです」

「いや、ノイマンさんのせいでは……」

 天華の言葉を遮りバルバトスが口を開いた。

「ノイマン、謝罪よりまずはあの戦闘機を落とすことから考えない?」

「そうですね……少し無茶をします。戦闘後の私をよろしくお願いしますね」

「うん、任せて。全力を出すと良い」


 ノイマンは少しの間目を瞑り、

「発動、そして展開」

 と言って手を広げた。


 すると、ノイマンを中心として周囲に青いドーム状の膜が形成されていった。

「ノイマンさん、これは一体何ですか?」

「能力の応用さ。ノイマンの『分析』をドーム状に展開していく。その中で起こった出来事は全てノイマンに共有され、分析される。ここまで大きく展開してるのは初めて見たけどね」

 バルバトスがそう言った後、天華は窓の外を見て、

「見える範囲を全て覆っているなんて、凄いです!ノイマンさん」

「あ、能力発動中のノイマンはとてつもない数の情報が頭に入るからあまり喋れなくなるんだ。だから会話は戦闘の補助くらいだよ、天華ちゃん」

「そ、そうなんですね。すみません」

『構いません、それよりも奴を倒しますよ』

「お、喋ったね」

『この程度なら会話は可能です』

「そうかい」


「さて、天華ちゃんは下がってて。巻き込まれるかもしれないからね」

 そう言ったバルバトスは部屋の隅に置いてあったロビンを上空に構えた。

「よいしょっと、やっぱり大きいとなかなか大変だね。じゃあノイマン、アシスト頼むよ」

『あと十五センチ上に、五秒後に発射』

「はいよ、三、ニ、一、はっ!」

 上空に向かってとてつもない速さで矢が放たれていく。

『さあ、戦闘開始です』

「ハハっ、誰も死なない様にね!」

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