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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第三幕 悪魔との接触
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第二十四話 火炎の駄獣

 一週間後に神話種狩りが攻めてくる。ルシファー曰く悪魔組の能力者を神話種狩り組織に紛れ込ませていたらしく、そいつがどうやら敵幹部が『悪魔』の居場所を発見したようで攻め込んでくるとのことだ。


 組織の名前はβ(ベータ)。かつての各国の能力研究所が統合した組織らしい。相手側の戦力は把握できていないが、前任の『天使』を倒しているのでそこそこ強い能力者が集まっているんだろう。


「ルシファー、その幹部ってのは分かってるのか?」

「ああ、幹部の名前は累。能力は詳細が判明していないが名前が『黒炎』だ。んまぁ、多分炎を操る能力だろうな。アモンと似たような感じだろうな」

「アモンって…そういえば、あいつの能力って結局何なんだ?」

「……あいつの能力は『火炎』だ。『火炎』ではあるんだが……色々あったようでな、本来の『火炎』にはあんな変身能力は無いんだが……まあ詳しくは本人に聞くことだ」

「ああ、そうさせてもらうよ」


 あと一週間か…俺も出来ることをやらないとな。神話種狩りなんて呼ばれるくらいの組織だからな。油断は出来ない。

 とはいえベルゼブブでもいない限り俺も自由な行動が出来ないんだよな。となると、まずは…アモンの所に行ってみるか。



「よ!元気にしてるか?」

「元気に見えますか?」

「うーん、まあ、そこそこ?」

「そうですか。あなたのせいで腹に風穴を開けられたのでまだ絶対安静ですよ」

「そうか、頑張れよ」

「はぁ、無責任な」

 あれは別に俺のせいで起きたわけじゃない…と思っているんだが。アモンだって乗り気になってた訳だしな。


「それで、何しに来たんですか?」

「ん?あいや、お前の能力について知りたいと思ってな」

「……嫌です。私でも滑稽に思える話なので、流石にできません」

「これから仲間として戦うんだから知っといて損はないだろ?それに馬鹿にしたりはしないって」

「一理ある話ではありますが……良いでしょう。分かりました」

「お!教えてくれるのか?」

「まあ、拒んでもあなたは諦めなさそうですし」

「流石に一日頼んで無理だったら諦めてたさ」

「あなたに私の貴重な一日を使いたくありません。やはり話すしかないですね」

 さらっと酷いことを…


「能力は自身のイメージを写す。私の炎のイメージはどうしても獣になってしまいます。あれは過去に私が実際に見た動物の断片が繋ぎ合わさった物です」

「過去に見た?どう言うことだ?」

「幼い頃の能力の暴走。その前後の記憶はありません。ですが唯一覚えていることが、大量の動物を惨殺してしまったことです。目が覚めたら大量の焼死体があり、両親はいなくなっていました」


「……」

「ずっと燃え続けている死体が目に入った時、私の中で炎の心象風景は決められてしまいました。一生消えないトラウマを植え付けられてしまったんです。そこから私が全力を出して戦おうとすると昔の炎がフラッシュバックしてしまうんです」

「そうか……この話はルシファーに言ったのか?」

「いえ、というか今まで誰にも言えませんでした」

「ってことは俺が最初に聞いたのか」

「……そうなりますね」

 アモンからの評価は最初に会った時と比べたら大分上がった、ってことかな?それなら良かった。


「慰めにしかならないが……俺がお前にかっこいいって言ったのは本音だ。周りからの目ばかり気にするな」

「え………は、はい」

 アモンが返事をした時、俺と目が合うことは無かった。なぜか赤面していたアモンの顔をその短い髪がまばらに隠していた。

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