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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第三幕 悪魔との接触
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第二十一話 加減

「おい、アスタロト、どこに向かってるんだ?てっきり外だと思ってたんだが」

「んー、人集め、一対一だとつまんない、私が負ける」

「そうか?お前だって強そうじゃないか」

「私は、幹部だと弱い、から」

 そう考えるとあの戦闘狂って、ふざけてるように見えても案外強かったんだな。


「ん、いた。ちょっと付き合って」

 アスタロトがそう言った先には一人の女がいた。第一印象だとメガネをかけていて短髪でクールな感じに見えた。

「あ!アスタロトちゃん!久しぶり!」

 これは早速イメージが崩れた気分だな。


 女は俺に気づいた瞬間、いきなり冷たい目を向けてきて、

「何ですかあなたは、アスタロトちゃんを騙して何するつもりですか?目的を言わないようであればここで私が…」     

 いきなり物騒すぎるだろ、この女。

「いやいや、さっきこいつと出会ったばっかりだから!何も騙したりなんてしてないから、な?」

「男なんて素直に信用できません。そもそもあなたは何でこんな場所にいるんですか?」

「えっと、まあ色々あってな」


「ね、アモン、明は怪しい人じゃないってさっき言ってた。だから、多分大丈夫」

 何かその言い方余計に火に油を注いでる気がするんだけど…

「分かりました。アスタロトちゃんが言うならば信じましょう。ただ、私に近寄るのはやめておいた方が良いですよ」

「ああ、そうかい」


「で、アモン、私達と組み手、しよ?」

「こんな誰かも分からないような男なんて、アスタロトちゃん一人で十分じゃないの?」

「んー、無理、私だけだと」

「あんまり強そうには見えませんけど…」

 何か随分と失礼な会話が繰り広げられている気がするけど、俺は寛容なんだ。ここは見逃してやる。

「それで、どう、やる?アモン」

「分かりました。アスタロトちゃんの頼みですからね」

「ん、じゃあ、外、行こ」

 そう言って一人で先に行ったアスタロトを追いかけるのだった。


「ここなら、十分に動ける、やろう、明」

 そう言ってアスタロトはどんどん高くまで浮き出した。

「ああ、二対一だな。かかって来い!」

「はぁ、私もですか…何でこんな男と……」

 アモンと呼ばれていた女は文句を言いながら俺と距離を空けた。


「ん、行くよ、発動」

「ぐおっ」

 突然上から圧を受けた。いや、と言うよりも今いる場所の重力をコントロールしてるのか?対象を選んで使えるならサポート役としては万能すぎるくらいだ。

「何だ?熱ッ」

 炎?重力で火は出せないだろ。ってことはこれはアモンの能力。推測するに『火炎』とかか?


「よく避けましたね。重力が強いと動くのも大変でしょうに」

「チッ、次から次と」

 所詮は組み手だと舐めてかかっていたかもしれないな。ここまで能力全開で来るとは。ならこっちだってあまり加減はできないぞ?

「それは…銃ですか?まさかそんなものを使うとは思ってなかったです」

「全く、すぐ男を軽蔑しないで貰いたいね!」


 ダンッ!

 俺は上に向かって弾を打った。

「うっ、ま、眩しい、何?」

 まずはアスタロトを落とす。重力は出力によっては俺の能力の天敵になり得るからな。

「くっ、よくもアスタロトちゃんを!」

 アモンが一瞬だけ獣のような殺気を出して巨大な火球を飛ばしてきた。あいつ、組み手ってこと理解してるか?


  とはいえこの火球を何とかしないと終わりだ。仕方ない。あまり手札は見せたくなかったが……

「光槍……今回のは一極集中型だ!」

 全方位に降り注ぐ槍を全て一箇所に集める。向こうが火力で来るなら、こっちは手数で相殺してやる!



「あなた、強いですね。強さの評価だけは、改めさせてください」

「ハッ、良い心がけなこった!」

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