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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第三幕 悪魔との接触
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第十六話 無敵

「行きますよ?」

「ああ、どっからでも来ると良いさ」


 ハエが一瞬で先生の背後まで転移した。そして先生の首にナイフを突き立てていた。はずだった。

「始まったよ、先生のチートが」

 ハエは転移する前の位置まで戻っていた。

「どう言うことですか?私は確実にあなたの首元に転移したはず」

「さあ、何だと思う?」

 先生はそう言いながらハエに対して拳を振るう。先生の身体からは考えられないほどの威力の拳がハエの頬を掠った。


「無敵ですか?化け物め」

「不意打ちとはいえ明の片腕を持っていったんだろ?お前も十分こっち側だよ!」

 再び先生の拳が振るわれた。

「ぐはぁっ」

 今度は腹にクリーンヒットだ。ハエは降参を言う間もなく失神して地面に倒れ込んでいた。


「先生、やりすぎだろ」

「久しぶりに骨のある相手だったからな、仕方ないじゃないか」

「あ、あの、明さん、今何が起きたんですか?」

対戦中はずっと俺の後ろで隠れていた天華が聞いてきた。

「あれが神話種『運命』の力だ。ハエの野郎は先生に切り掛かると言う数秒の行動を無かったことにされたんだ」

「それって、無敵ってことじゃないですか」

「自分に敵意がある者にしか運命の書き換えはできないんだがな」

「……なんか、私が本当にあれと同レベル扱いされてるのが疑問に思えてきますね」

 こいつの能力が覚醒する引き金は多分感情の昂りなんだよな。安定して使えるようになるにはまだまだ時間がかかるだろうが。天華本人に伝えるとプレッシャーになりそうだから言ってないけど。


二時間後

「どうだった?新日本最強は」

「あの攻撃はあなたでも反応できてなかったから通ると思ったんですけどね。最強の壁は高すぎますね」

「そりゃあな」

 ハエも目が覚めたことだし、先生と話に行くかな。そう思った俺は先生の部屋に向かった。

「入るぞー」

「よく帰ってきたな。てっきり北海道で死んだのかと思ったぞ?」

「一週間音信不通だった愛弟子にそれを言うかね」

「まあなに、乃亜が一番心配していてな、私達はそれを見てむしろ大丈夫そうだなと思ってしまってな」

「そりゃどうも」


「それで、先生、あんた悪魔についてどこまで知ってるんだ?」

「……三十年前、世界に能力者が出現した頃。私には突然能力というものが授けられた」

「ん?能力は赤子にしか出現しないんじゃなかったのか?」

「普通はな。だが例外もある。三十年前から生きていた者にも能力は与えられた」

「三十年前……あんた今何歳なん…」

「当時はまだ神話種なんてものも究明されていなかった。だが当時から最強と恐れられていた能力者が二人いた。それが私と『悪魔』であるルシファーだ」

「ルシファーって、そいつも名前が無かったのか?」

「これは周囲に『悪魔』がバレたときに呼ばれ始めたもので、本名は別にある。私は知らんがな」

「いつも通り雑だな」


「いきなりだが、あんたはルシファーと手を組むつもりはあるか?」

「全く無いな。あんなやつ、味方に置いておけるか」

 ハエ、これは無理かもしれない。お前のとこのボス、評判悪いんじゃないのか?


「今回ベルゼブブが俺達に交流を図ってきたのはルシファーが先生と協力したいと伝えるためだろう。まあ、あの戦闘狂は先生と『悪魔』に関わりがあるなんて知らなそうだったけどな」

「大体な、私の協力が必要な敵なんてあいつにはいないだろう。ルシファーの野郎はかなり強いぞ?」

「どうやら、神話種狩りの一掃を目的にしてるらしいぞ」

「神話種狩りか…十五年前、先代の『天使』もそいつらにやられたようだしな」

「前あんた"少し前"って言わなかったか?十五年は少しじゃないだろ……」

「そうだったか?まあそこまで変わらないから良いだろ」

「はぁ」


「それで、どうすんだ?」

「……仕方ない。まずは悪魔組の本拠地まで行くしかないか、はぁー面倒だ!」


「本当にこの人はいつも通りだな」

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