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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第三幕 悪魔との接触
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第十四話 束の間

「い、今の技が明さんの能力なんですか?」

「天華は兄さんの全力を見たのは初めてだったっけ」

「は、はい!まるで雷のような美しい輝きでした」

なんかついこの前同じようなコメントを聞いたような…

 それにしても、あそこまで高出力の攻撃を見たのは久しぶりだなぁ。僕にはあれを防げるイメージが全く持てないや。


__________________________


「疲れたー」

「お疲れ様、兄さん。……それとその背負ってる人は?」

「こいつはハエ。俺の攻撃直撃で全身大火傷になってたから連れてきた」

「ハ、ハエではありません!私はベルゼブブと申します」

「だそうだ」

 そんな無茶苦茶な……というか

「その人敵じゃなかったの?」

「ああ、こいつは…」


「もう今から敵に戻ろうだなんて到底思えませんよ」

「だそうだ」

「な、仲良いね二人」


 「というか兄さん、腕どうするのさ」

「そうなんだよなぁ、ちょっと思うこともあるし義手にしてみようかな」

「そ、そう」

随分気楽だなぁ、自分の事なのに。


__________________________


 俺達は数日間函館に滞在することにした。

 須藤がここに来るときに持ってきていた物資を頼りにして療養をし、ハエの『転移』で新都まで脱出する作戦である。本来であればこっちの依頼が終わった時点で龍に連絡をする予定だったのだが、俺が最後に使った範囲攻撃のせいで電力系統が狂ってしまったのだ。


「そういえば、一つ聞きたいことがあるんですが」


「皆さんってあの四大罪人だったんですか?美蘭さんからは弟子を頼むとだけ言われたので…」

「先生…雑すぎるだろ」

「ということは明さんは『光』である稲光明、 暗さんは『防衛』の稲光暗、あれ?天華ちゃんは一体?」

「天華は罪人とは全くの無関係だ。能力は『翼』、空が飛べる」

「便利な能力ですね!天華ちゃん!」

「そ、そうですね」

まあ、現状飛行すらできないのでただの飾りになっている訳だが。


「あれ?天華ちゃんの薬指って、え!指輪ですか?」

「えっ!あっ!そ、そうですよ?」

「天華ちゃんって何歳なんですか?私よりも年下ですよね」

「じゅ、十四歳、ですよ?」

「私よりも年下で髪も金髪で綺麗だし、未来の旦那さんもいるなんて……羨ましいです」


 ん?旦那さん?……あ、そうだ!左手の薬指って確か!昔先生が言ってたはずなのに完全に忘れていた。

 だから乃亜があんな目で見てきていたのか。何も考えずにそんなことをしていたなんて、マジで申し訳ないなぁ。

「な、なぁ暗、薬指の指輪の意味を忘れてたって言うのはもう手遅れかな」

「そりゃあもう無理だよ。あの二人の幸せそうな顔を見てみなよ、僕にあれの邪魔をするなんて無理だよ」


 俺達はこの短い時間で普段ではできない日常の時間を過ごしていた。

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