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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第三幕 悪魔との接触
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第十一話 荒廃

 先生からの依頼を受けた三日後、俺たちは移動の準備をしていた。そんなときに、

「おい、明、今回行く者は私から選抜させてもらう」

「は?いつもの四人で行くんじゃなかったのか?」

「いつもの四人で行ったら誰が私の事務の手伝いをするんだ」

 まじかこいつ

「じゃあ、誰が行くんだ?」

「まずリーダーとして明、盾役で暗、最後に天華を連れて行け」

「はあ⁉︎天華を行かせるつもりなのか?そりゃなんでまた」

「現状の私達の目標『悪魔』は攻撃型だ。『天使』の浄化の能力が使えるのと使えないのではかなり変わってくるのでな」


「あのさ、浄化…ってなんだっけ」

「はぁ?お前達、天華と戦ったんじゃないのか?」

「暗が浄化って言ってたのは覚えてる…よ?」

「私は昔お前達に神話種共の基本能力を教えた気がするんだが、忘れてたな?」

「仕方ないだろ?いつの話だと思ってるんだよ」

「はあ…浄化というのは『天使』の固有能力であり周囲に光を放ち、それを浴びた攻撃型の能力を弱体化させるんだ」

「なんだよそれ強すぎるだろ」

「私前も同じこと言ったよな」


 俺が覚えてなくても別に誰かが分かるから良いしな。

「それで、天華は今浄化が使えるのか?」

「いや、まだ使えないはずだ。なんなら飛行能力すらまともに使えるか分からないというレベルだ」

「じゃあつまり、俺達で天華のことを鍛えろってのか?」

「よく分かったな。今回はお前達三人で頼んだぞ」



 北海道函館市

 人類が完全に廃棄したこの都市は自然と人工物が共存する廃墟になっていた。

「うーわ寒」

「仕方ないだろ兄さん」

「そうですよ明さん」

「…お前ら二人してなんで厚着なんだよ」

「ちゃんと準備してないからだろ?」


「さて、あそこか」

 俺達は近くにある比較的まともな建物に足を進めていた。先生いわく、

「北海道にいる能力者にお前達を運び出すように頼んである」とのことだった。


 ドアをノックすると、

「は!はい!どうぞ!」

 ……とりあえず入ってみるか。

「あんたが『召喚』か?」

「ど、どうも皆さん。美蘭さんからの推薦でしたよね。私は須藤綾乃と申します。よ、よろしくです」

 それから俺達は綾乃の案内で依頼の現場に向かうのだった。



「来ました!北海道から能力使用反応です!」

「……出力は?」

「あまり大きくありません。おそらく神話種ではないかと思われます」

「美蘭の手の者だろう。あいつが弟子に死地に行かせるとは思えないが」

「誰か向かわせますか?」

「幹部の中から適当に選んでおけ」

「了解しました」


 男はニヤリと笑って壊れかけのソファに座った。窓の外には一面の更地が広がり、その災害の悲惨さを物語っていた。男の足元には災害から逃れたのであろう看板が残っていて、うっすらと新宿という文字が刻まれていた。


「そうか、動くか美蘭。全く、楽しくなってきやがった!」

 須藤綾乃の能力『召喚』

 自身が認知している者を自身の元に呼び出すことができる。召喚には条件があり、名前か顔のどちらかを既に知っている必要があり、今回は美蘭が顔写真を送っていたので召喚が可能となった。

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