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04:鳥の生姜焼き丼


「いったい何をおっぱじめるつもりだ?」


 

 コロンが頭を傾げる中、オレはスマホ片手に思案する。


 本当はコロンにスマホを見せるべきではないかもしれないが、この隠れる場所もない洞窟に、一緒に住むとなれば、いつかはばれるのが関の山だ。

 どうせならここでスマホを見せて、このスマホについて相談してみるのもいいかもしれない。


 

「お腹いっぱいなら・・・お腹に溜るもの・・・お米がいいな!!」



 まずはお米お試し3合500円を、通販サイトで購入。



 残りポイント:56065


 

 ドサ!!


「おお! 今のは何だ? お前の魔法か!?」



 すると目の前に箱が落ちてきて、その様子にコロンが驚愕する。



「お米だよ。でもこれだけじゃあ駄目だな。お米を炊く道具も買わないと・・・」



 次にバーベキュー用ハンゴー4合炊き1720円を購入する。


 

 残りポイント:54345



 ドサ!!



 お米の炊き方は、バーベキュー用ハンゴーを購入したサイトに書いてあったので、それを引用する。

 慣れない手つきでカチャカチャと、音を鳴らしながらの作業だったが、なんとか無事に完了。

 水は前に買ったのを使ったよ。


 薪を再び1000円で購入して、前の薪の燃え残りに追加して点火する。



 残りポイント:53345



「うん! いい感じ!」



 しかしご飯だけでは物足りないだろう。おかずは何かないかと思っていると、先ほどの鳥が目に付いた。

 竹製まな板500円を購入。



 残りポイント:52845



「コロン! このまな板で、その鳥を小さく切ってくれるかな?」


「さっきお前が魔法で出したそれでか? いいけど何作るんだ?」


「鳥の生姜焼き! 絶対に美味しいから!」



 オレが今回ご飯のおかずにと考えたのは、鳥の生姜焼きだ。


 とりあえず簡単に作れる鳥の生姜焼きのレシピを検索して、必要なものを購入。

 玉ねぎ3個300円、サラダ油一本280円、生姜焼きのタレ一本298円、ミニフライパンアルミ製折りたたみ式1600円、料理用菜箸255円をまとめて購入。



 残りポイント:50112



「切れたぞ!」


「はや!」



 コロンはオレが、生姜焼きに必要なものを購入している間に、ナイフで素早く鳥を細切れにしていた。



「玉ねぎの皮を剥いて、薄切りにしてくれるかな?」



 オレはコロンに玉ねぎを一玉渡し、薄切りを頼む。



「その野菜を切ればいいのか? お安い御用だ」


 バリ! トトトト・・・


 

 なんて手際のよさだ。こいつどこかで料理を習ったことがあるのか?

 そんなコロンを横目に、フライパンを焚火にかざし、サラダ油を入れる。

 まず鳥肉を入れて炒める、途中で玉ねぎも入れて、生姜焼きのタレも入れて炒める。



 ジュ~


「うお~~!! いい匂いだな!! 初めて嗅ぐ匂いだが、たまらねえ!!」



 丈夫で安そうなドンブリ300円2個、コロン用にステンレスフォーク155円、オレ用には竹製箸110円を購入。

 


 残りポイント:49247



 ご飯をドンブリに盛って、鳥の生姜焼きをのせたら、鳥の生姜焼き丼の完成だ!!



「完成!!」


「おお! 美味そうだ!!」



 出費は結構かさんだけど、これから使う道具ばかりだし、魔法を見るためだから仕方ない。

 初めてのサバイバル料理は、焦げ目が多くて見た目は悪いけど、大メーカーの生姜焼きのタレだけあって、とてもいい匂いだ。



「美味い! これ最高だな! ガツガツ! お代わり!!」



 コロンはその味を気に入ってくれたけど、相変わらず食べるのは早かった。

 オレがもじもじとご飯少量の生姜焼き丼をかき込んでいる間に、ドンブリに大盛りの生姜焼き丼を、あっという間に平らげたのだ。



「まあまあお腹いっぱいかな?」



 結果的にドンブリ3杯平らげたが、まだお腹に入るようだ。

 オレから見たら大きなコロンだが、まだ12歳くらいの子供なのだ。

 何処にそんなにご飯が入るというのか?



「でも一こと言っておく・・・」



 いつになく真面目な顔で、オレを見つめるコロン。いったい何だというのか?



「その道具はワタシ以外の人には見せるなよ?」



 オレが無意識に握りしめていたスマホを指さして、コロンはオレにそう忠告した。


 ですよね~・・・



「忠告ついでに教えてやるよ。その板かしてみ?」



 コロンはスマホを指さして言った。

 正直このスマホを渡していいかは悩むが、オレはコロンを信用して渡すことにした。



「ほら」



 コロンにスマホを手渡すと、コロンはスマホの画面をオレに向けてきた。

 すると先ほどまで映っていた画面は、真っ暗となり、何も表示されていなかった。


 あれ? スリープ状態にでもなったか?


 そう思いながらオレがスマホに触れると、なんと再びスマホの画面は点灯したのだ。

 そして手を離すと再び画面は真っ暗となった。


 もしかしてこのスマホ・・・オレ以外には使えないのか?



「えい!」


「あ・・・」



 すると唐突にコロンは、スマホを洞窟の外へと投げ込みやがった。

 オレはコロンのその唐突な行為が信じられずに、唖然とその様子を見るばかりだった。



「あああああああ!!!! 何すんだコロン!!」



 オレはスマホが飛んでいった方に走ろうとするが、コロンがオレの右手を掴んでいかせてくれない。



「離せよ!! あれは大事なスマホなんだ!!!」


「右手!!」



 コロンがオレの右手をオレの目の前に持って来ると、なんとコロンが投げたはずのスマホが、オレの右手に握られていたのだ。



「え? 何? 手品ですか?」



 オレにはそれが、昔テレビでよく見た手品にしか見えなかった。



「手品が何か知らないが、その板、ギフト・アーティファクトに間違いないぜ。しかも能力からして特級品だ」



 え? ギフト・アーティファクト? 特級?



「ギフト・アーティファクトは、神が唐突に人に与える遺物だと云われているんだ。有名なのには、光の剣が出る棒とか、滑るように走れる靴なんかがあるな」



 え? それってライトセイバーとかローラースケート的な何かか? つまりこの国には、コロンの使う魔法以外にも、妙ちくりんな、本人指定の固有アイテムがあるってことだよな?



「えっと・・・そのギフト・アーティファクトは、わりと皆さんお持ちなのですか?」


「なわけあるか!! それこそ国に10人いるかいないかだ! それに特級なんて持っている奴は、伝説の存在だけだ!」



 それじゃあこのスマホ・・・相当やばい物じゃないか?



 残りポイント:49247


 お読みくださりありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
ギフト・アーティファクトである証明に外に向かって投げたとしても、もしギフト・アーティファクトでなかったら他人の物を勝手に外に投げるとんでもなく失礼な奴。投げる必要性はないな。
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