35:オレたちの幸せな未来
最終話です。
「ヨッシー! 遊びにきてやったぞ!」
「ワタシもきたよ!!」
あれから10年が経過した。
小さないざこざは色々とあったものの、戦争などはなく、オレは平和な毎日を送っている。
そんなオレにもようやく成長期が訪れ、身長も120センチメートル程となり、幼女から少女になれた感じだ。
ちなみに目の前の子供は、コロンの息子のカロンと、娘のマロンだ。
コロンは10年前に、あのいけ好かない色男のレオナールと、結婚をしているのだ。
その結婚式は盛大に執り行ったよ。
カロンはコロンが8年前に生んだ子供で、マロンは6年前に生んでいる。
カロンはすでにオレの身長を抜いており、生意気な感じだ。
そんなカロンは二本角に漆黒の髪色で、コロンにそっくりな少年なのだ。
その妹のマロンは、金髪で角は生えていない美少女だ。
どうやらこちらは、お父さん似のようだ。
「こらカロン! マロン! ヨーレシア侯爵とお呼びしないと駄目だろう!?」
そう言ってのしのしとこちらにやってきたのは、さらに大きく成長したコロンだ。
オレはあれから数々の活躍を経て、侯爵にされてしまっているのだ。
そのためにヒュロピア領以外にも、ビィルノス領、パダーム領、カミクラム領がオレの傘下に収まり、オレの領地となっているのだ。
その見返りとしてそれらの領地には、色々な物資を提供しているがね。
「ああ。いいよいいよコロン。二人ともオレのこと子供だと思っているようだし・・・」
いつかはそんな二人も、オレの身長を抜き去っていくのだろうな。
あの可愛かった、猫メイド隊のように・・・・。
そんな猫メイド隊の面々は、既に身長が160センチを超え大人の様相だ。
現在は彼女らにもヴァルキリーを渡し、オレの護衛兼、使用人を務めてもらっている。
料理の腕も確かで、この数年で全員婚約者までいるのだ。
あれから子爵となった、フランちゃんとシャルちゃんも、婿をとってこちらの領地に招き、幸せに暮らしている。
あの二人はすでに、立派な大人の女性となっているのだ。
まあオレが婿を取るとしたら、80歳を超えたころだろうね。
ユースたんの話では、オレたち高次元生命体は、80歳を超えないと、大人になれないらしいからね。
その頃にはユースたん以外の、ほとんどの知り合いが寿命を迎えて、寂しい思いをしているかもしれない。
「お! ユースたんが来たぞ!」
「ユースたんも遊んであげる!」
「ほら。ヨッシーがいつまでもそんな呼び方をするから、子供たちまで真似するじゃない。そろそろお母さまとよんでくれなきゃ困るわね・・・・」
オレが子供たちと戯れていると、のそのそと歩いて、ユースたんが城から出て来た。
ユースたんは身長が100センチ程となり、あの頃のオレとそっくりな感じだ。
よく目元が違うと言われるが、オレの目はそんなにユースたんと違っているだろうか?
まあそんな小さなユースたんをお母さまとよぶのは、やはり違和感がぬぐえない。
「今日は夕飯はどうするんだコロン? 久しぶりにうちで食べて行くか?」
「ああ。それもいいかもしれないな。今日はレオナールも遅くなるはずだからな・・・」
相変わらず副ギルド長のレオナールは、多忙な毎日を送っているようだ。
ギルド長のコロンがこんなだから、それも仕方がない。
コロンは国一とよばれる豪傑だが、執務仕事はからっきしだからな。
「それじゃあ今日は猫メイド隊に頼んで、特大のハンバーグを作ってもらおうかな?」
「やったああ!!」
「俺もそれでいい!」
「やれやれ。仕方ない奴らだな・・・・」
オレたちは夕暮れの中、戯れながらも、城門をくぐり、城の中に入って行くのだ。
コロンとその子供たちとは、いつまで一緒に過ごせるかわからないが、こんな幸せな日々がいつまでも続くことを願っている。
オレの異世界冒険譚は、これで終わりだ。
この先も色々な苦難が立ちはだかるだろうが、基本楽しくまったりと、このスマホと共に、この異世界を歩んで行こうと思っている。
ご愛読ありがとうございました。
これにてこのお話は終わりです。
これからも色々と作品を、書いていく予定なので、よろしくお願いします。
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