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33:再来する帝国の飛行船

「なんだって!? また帝国の飛行船がやってきたの!?」



 そう報告を受けてコロンを連れ、ヴァルキリー総動員で、ヘリに乗って現場に急行したのだ。


 するとすでに帝国のものと思われる飛行船は、山のふもとに着陸していた。


 その飛行船を囲むように、駆けつけた兵士が詰めかけており、包囲していた。

 その中心を見ると、兵士が2人とメイドが2人、将校らしきおじさんと、ドレスを着た、身分の高そうな女性がおり、飛行船の側に立ち尽くしていた。


 その6人は武器を構えることもなく、無抵抗であることを示しているようだ。


 オレはとりあえず危険のないように、黒金を起動したまま、その6人に近づき、事情を聴くことにした。



「わたくしはヨーレシア伯爵です! 兵士の皆様は道をあけてください!」



 オレが余所行きの口調で、そう兵士によびかけると、兵士がわらわらと移動して、瞬く間に人壁の通路が出来上がった。



「あれがヨーレシア伯爵か・・・」


「で・・・でかい・・・」


「なんという巨体だ・・・」



 オレが6人に近づくと、そんな声がちらほらと聞こえて来た。

 どうやらこの黒金を、オレの本体と勘違いしているようだ。



「わたくしはヒュロピア領領主、ヨーレシア・ド・ホワイトナイツ伯爵です。帝国の方々と見受けられますが、いかなる用事でこのヒュロピア領に参られたのでしょうか?」



 オレは再び余所行きの口調で、その6人に尋ねる。



「わ、わたくしはナジェル帝国第一皇女、クラウディア・グラディスです」


「皇女の補佐を務めさせていただきますオドケル・フラウロス伯爵です」



 2人はオレの前に出てくると、恭しく挨拶をする。

 ナジェル帝国第一王女とは、また大物が出て来たものだ。

 伯爵のオレに対して、皇女がするような態度ではないが、第一印象を良くしておきたいのだろう。



「本日は戦闘目的ではなく、そちらと話し合いをするために参りました」

 


 ここはこちらも王族が出て来て、対応すべきなのだろうが、突然の来訪ではすぐにそれも叶わない。


 戦闘でないというのなら一安心だが、いったいなんの話があるとういうのだろうか?



「承知しました。お話し合いというのならば街までご足労願います。そちらの飛行船はこちらの魔道航空機発着場にてお預かりしましょう」



 そう言うとオレは、黒金を解除した。

 もう黒金は必要ないと判断したからだ。


 ヴァルキリーを装着した彼女らも、オレに習って、次々とヴァルキリーを解除していく。

 まあ彼女らも生身でもそれなりに戦えるし、何かあればコロンが真っ先に動くだろう。



「中身は随分と可愛らしいのでございますね・・・」



 黒金を解き、幼女に戻ったオレを見て、クラウディア皇女驚いたようにそう言った。



「ところで先ほどの巨大なヴァルキリーはいったいどちらに?」


「収納魔法の中です。あと先ほどのゴーレムはヴァルキリーではなく黒金といいます」



 まあスマホの収納機能の中だが、スマホのことは秘密なので、そう答えておく。

 ついでに黒金がヴァルキリーでないことも主張しておく。



「あの巨大な鎧はゴーレムだったのですか!?」


「まあ聞きたい話も色々とあるでしょうが、とりあえず飛行船を発着場に預けてからにいたしましょう」



 そう言うとオレたちは、それぞれ乗ってきた、魔道航空機に向かった。



「これが王国の魔道航空機ですか!?」



 オレが魔道航空機に乗り込むと、なんとクラウディア皇女まで乗り込もうとしてきた。



「すいませんがこれは5人乗りですので・・・・」


「そ・・・そうですか・・・・」



 クラウディア皇女は残念そうにするが、定員オーバーなので仕方がない。

 乗ってきた飛行船に搭乗願おう。


 こうしてオレたちは、魔道航空機で帝国の飛行船を先導しながら、発着場に向かった。





 オレたちが発着場へ到着すると、迎えのために2台の8人乗りの浮遊車が、やって来ていた。

 誰かが気を利かせてよんだのだろう。


 いつもなら浮遊バイクやら、ヴァルキリーやらではしゃぎながら帰宅するところだが、今回は帝国からの客もあるため、外聞をよくする必要があるからね。



「あちらに車が待たせてあります。街へはあの車で参りましょう」



 発着場に魔道航空機を戻し、帝国の飛行船を預けると、皆で合流してその浮遊車に向かう。



「こちらはまた不思議な形の車ですね? 引く馬がいないようですが、どのようにして走るのでしょうか?」



 そのクラウディア皇女の言葉から察するに、帝国でも一般的な乗り物は、馬車なのだろう。



「こちらは魔力を動力として移動します。浮遊しているのでガタガタ道でも快適に進むのですよ」



 オレは浮遊車を指し示しながらそう言った。



「こちらは魔力動力車なのですか!? 帝国でもいくつか開発は進めていますが、いまだに成功には至っておりませんのに!」



 どうやら帝国では、すでに魔力動力車の開発が、始まっているようだ。

 魔力の存在する世界なので、開発する人がいても、おかしくはないのだろうが・・・・。


 その後オレたちは、それぞれ二組に分かれて浮遊車に乗り込むと、ユースティティアの街を目指した。

 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


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