表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

169/180

24:猫メイド隊の一日

 猫メイド隊は、ヨッシーが孤児となった猫の獣人を、保護したことから結成された、4人の猫メイドからなる集まりである。


 猫メイド隊の一日は、ヨッシーの目覚めから始まる。


 ヨッシーより早起きした、猫メイド隊隊長のニャーナは、メイド服に着替えると、ヨッシーを目覚めさせるために、ヨッシーの寝室へ向かうのだ。



「おはようございますボス!!」


「「おはようございますボス~!」」



 だが気づくとニャーナの後ろには、幼い猫メイドたちが、いつもついてきているのだ。

 彼女らにはとくに仕事は与えられていないが、彼女らは自ら率先して、ニャーナの後からついて来ていた。



「ん~・・・。おはよう・・・・。小さなお前たちまで、いつも無理して早起きする必要はないんだぞ?」



 ヨッシーは目覚めると、ニャーナに付き従う、幼いメイドたちにそう声を掛けた。



「いえ! ニーはボスのおきがえをてつだいまちゅ!」


「ミーもボスをてつだいまちゅ!」


「ボクもでちゅ!」



 ヨッシーが着替えを終えた後も彼女らは、当然ヨッシーに付きまとう。 



「仕方ない・・・・。今日も皆で朝のジョギングをするか・・・・」


「「はいボス!」」



 幼い彼女らは、いつもヨッシーの日課のジョギングについてくる。

 そんな彼女らの楽しみの一つは、ヨッシーがジョギング中に行う森での狩りである。



「アイアンアーム!」


 ドカン!


「ブギィィィィ!」


 ズシ~ン!



 ヨッシーは巨大な鉄の腕を起動すると、突撃して来たビッグボアを、ワンパンで沈める。


 

「すごいですボス!」


「きょうもおおものでしゅね!」


「ボスつよ~い!」



 ヨッシーの狩りの様子を見物した彼女らは、大興奮でヨッシーを称賛する。

 猫人である彼女らは、狩りに対する関心が高いのだ。


 ジョギングの後には、日課の鍛錬が始まる。


 ヨッシーはヴァルキリーを装着したフランソワ、シャルロッテ、パナメラと共に、黒金のゴーレムを装着して、戦闘訓練を行うのだ。


 その間ニャーナは、コロンに剣の手ほどきを受ける。

 剣初心者のニャーナは、まだ素振りしかやらせてもらえないが、その気合は十分であった。

 


「やあ! とう!」


「ほら! まだ突きが甘いぞ!」


「はい!」



 その様子を幼い猫メイドたちが見学するのだ。

 彼女らにはまだ剣は早いために、学ぶことが許されない。


 だが彼女らは上空で訓練を行うヨッシーたちの様子や、姉の行う素振りの様子を、いつもキラキラした目で見ていた。


 訓練の後は朝食となる。



「ご馳走様!」


「きょうも美味しかった!」


「おなかいっぱいでちゅ!」


「きあいじゅうぶんでちゅ!」


「ボクも!」



 朝食の後はヨッシーが執務仕事に入るため、彼女らには他の仕事が振られる。

 ただこの時実際に仕事を振られるのは、姉妹で一番上のニャーナだけである。


 ところが幼い猫メイドたちも、自ら率先してニャーナの手伝いを買って出るのだ。


 それは幼い猫メイドたちが、あることを知っているからだ。

 それは姉のニャーナが何か仕事をするたびに、ヨッシーからチップと称して、お菓子を貰っているということだ。


 メイド初日に、ニャーナは多くのお菓子を持ち帰ったのだ。

 それを彼女らはとても羨ましく思った。


 翌日から彼女らは、そのお菓子の出所を知るために、ニャーナの動向を探り始めた。

 その時に何か仕事を手伝うことで、お菓子を貰えることを知ったのだ。

 その日から彼女らの、猫メイド隊としての活動が、始まったと言っても過言ではない。


 ヨッシーは使用人や護衛にチップを渡すために、いつも駄菓子の入った宝箱を、スマホの中に入れて持ち歩いていた。


 その見たこともないような目新しいお菓子は、彼女らの心を大いに揺さぶったことだろう。



「今日はこの金貨にゃ!」


「ニャーナは金貨チョコレート好きだよね・・・・」


「ニーはこのゼリーにゃ!」


「ミーはおにくなの!」


「はいはい蒲焼のやつね・・・・」


「ボクはこの・・・たべたことないやちゅ・・・・」


「それは止めとくにゃあ~・・・酸っぱいから・・・・」



 だがヨッシーの宝箱の中には、まれにお菓子に含まれない外れもあるのだ。

 過去に手痛い経験をした彼女らは、その外れについても情報を共有し、よく理解していた。



「何だ・・・・。梅は酸っぱくて美味しいのに・・・・」


「そんなことを言っているのは、コロン姉さんだけにゃ!」



 だが誤解のないように言っておくが、そのお菓子ならざる駄菓子を、こよなく愛する者がいることも確かなのだ。

 あくまでそれらが外れに当たるのは、彼女らの主観の問題である。


 そして昼食を終え昼休憩を挟むと、今度はヨッシーは農地や工事現場の視察へ向かうのだ。

 もちろん彼女らも仕事がなければ、ヨッシーに付き従う。

 最近の農地や工事現場では、農耕機やトラックなどの魔道車が動き回り、彼女らにとって見ごたえのある視察となるのだ。


 今日も猫メイド隊は目を丸くして、魔道車が働く様子を見ている。


 視察の後は猫メイド隊の勉強の時間が始まる。

 日によって科目の内容は異なり、それは算術だったり国語だったり、歴史や社会だったりする。


 だが教師を担当するのは、どう見ても彼女らより年下である幼女であった。


 初めはその幼女を、懐疑的な目で見ていた猫メイド隊であったが、その実力を見れば、彼女を認めざるを得なかった。


 その幼女はヨッシーからも慕われ、魔法も使いこなす天才だったのだ。

 当然その正体が、ヨッシーが高次元生命体とよんでいる、女神ユースティティアであるのは言うまでもない。

 彼女はいつもノリノリで、この教師役を担当していた。


 この勉強が終わると、休憩を挟んで再び、彼女らの仕事が始まる。

 その仕事とは担当された箇所の掃除やら、届け物やらさまざまだが、今日も多くのお菓子を獲得した彼女らは、ほくほく顔でその後の夕食に顔を出すのだ。


 夕食を終えると、あとは風呂に入り歯を磨き、就寝につくだけだ。

 彼女らは城に与えられた、広い一室に戻ると、巨大なベッドに四人一緒に潜り込み、川の字になって眠りにつくのだ。


 そして彼女らの活躍は、翌日もヨッシーの目覚めと共に始まることだろう。

 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


 《ブックマーク》 と


 評価★★★★★を

 

 お願いします。

 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

 感想、レビューもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ