表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

159/180

14:ヴァルキリーの活躍

 フロランス視点~



「あの傷は!?」



 そのドラゴンにはくっきりと、わたくしとシャル様が付けた、傷がついていました。

 偶然にもわたくしたちが相対したドラゴンは、例のわたくしたちが、取り逃がしたドラゴンだったのです。



「フラン! これは雪辱戦よ! 今度こそあいつを仕留めるわよ!」


「はい! シャル様!」



 わたくしとシャル様は、さらに2機のヴァルキリーである、ライザとパナメラ様の機体を加え、そのドラゴンに相対しました。


 この上空にはさらに2体のドラゴンがおり、それぞれヨッシー様とコロンが、相対しています。



「回復などの支援はまかせなさい!」



 そんなわたくしたちの後ろには、女神ユースティティアがおられ、いつでも支援魔法が使えるようにと、身構えておられます。

 あの女神ユースティティアの支援が受けられるのは、とても心強いことです。



「絶対に奴らには近づかせるな! ブレスで攻撃しろ!」


「クルオオオオ!」


 グゥボオ~ウ!



 ドラゴンに騎乗する賊が、そうドラゴンに命じると、一気に距離を取りブレスの態勢に入りました。

 どうやら以前その身に受けた、わたくしたちの破壊のランスを、警戒しているようです。



「散開! ブレスを躱します!」


「「はい!」」



 今回のヴァルキリーの指揮は、戦闘経験豊富なパナメラ様が行います。

 もともとレーティシア姫の護衛を務めていた彼女は、多くの実戦経験もあり、非常に有能な人材であると耳にしています。


 ですが散開してブレスを躱したのは良いが、これでは一向に、ドラゴンに接近することができません。


 唯一ドラゴンに傷を付けられる武器は、わたくしたちが構える、破壊のランスのみなのです。


 こちらの飛行ユニットによる飛行時間は、四半刻ももたないと聞いています。

 対してドラゴンの飛行時間は未知数です。


 このままではこちらが、不利になる可能性もあるでしょう。

 


「ブレスの間は向こうの動きが止まります! 各自その間に接近して斬り付けてください! ブレスはわたくしが引き付けます!」


「「はい!」」



 そう指示を出すと、パナメラ様はドラゴンへの攻撃を開始しました。



「・・・・風よ吹き荒れろ!!」


 ビュウゥゥゥゥ!



 パナメラ様が詠唱すると、ドラゴンに向けて竜巻が発生し、その飛行を妨害します。

 その魔法そのものはドラゴンに傷はつけられませんが、ドラゴンは飛びにくそうに、左右にゆられます。



「くっ! 飛行が妨害される! あの女からやれ!」


「クルオオオオ!」


 グゥボオ~ウ!



 思惑通りにドラゴンは、パナメラ様に向けてブレスを放射します。



「もう一つよ!・・・・風よ吹き荒れろ!」



 そこへもう一つの竜巻が出現し、ドラゴンに襲い掛かります。

 それはシャル様が独断で放った、竜巻だったのです。

 竜巻が2つも重なれば、その効果はさらに上がることでしょう。



「クルオ! クルォ!」



 ドラゴンは完全に飛行バランスを失い、空中で留まるので精いっぱいの状態に陥りました。



「今よ皆!」



 その掛け声とともに、わたくしとライザがドラゴンに斬りかかります。



 ザザン!


「浅い!!」「くっ!」



 だがわずかに躱され、その2つの傷は浅いものとなってしまいます。



「まだまだ終わりませんわよ!」


 ズドン!!


「クルオオオオ!」



 そこへパナメラ様が飛んできて、ドラゴンの額に、破壊のランスを命中させます。

 その傷は浅くドラゴンを仕留めるには至りませんが、十分なダメージを与えたようです。


 痛みにもだえ苦しむドラゴンは、そのまま地面に向けて、墜落していきました。


 ドラゴン討伐をするような冒険者は、一握りだと聞いています。

 このわたくしがそのドラゴン討伐に加われたのは、とても栄誉なことだと思います。

 わたくしは誇らしくなり、その慎ましい胸を張るのでした。



「どうやらそちらも方が付いたみたいですね・・・・」


「ちっ! 今回もヨッシーに先を越されちまった!」



 見るとすでに戦闘を終えたヨッシー様とコロンが、こちらの様子を見ていたのです。

 コロンはヨッシー様に、先にドラゴンを仕留められて、その悔しさに、不貞腐れ気味の様子です。


 魔物最強と恐怖される程のドラゴンを、倒せるだけでもすごいことだというのに・・・・。

 


「全員このまま地上へ! 生き残りを拘束します!」


「「はい!」」



 そのままヨッシー様の指示により、わたくしたちは地上へと向かいました。





 ヨッシー視点~



「最初に雷を喰らった奴らは、全員息はあるようだね」



 隠れ集落に降りて、賊たちの生死を確認をすると、どうやら雷を喰らった連中の命に別状はないようだ。



「こちらは駄目ね・・・・」


「こちらもです」



 だが落下したドラゴンと、そのドラゴンに騎乗していた賊は、すでにこと切れていたようだ。

 あれほどの高さから落下したのだ。

 無事でいられないのは、仕方のないことだろう。



「ドラゴンの死骸はオレが収納魔法で・・・・生きている十数人の賊は、このトラックで運びましょう」



 この賊たちはこのまま王都に運び、尋問することになるだろう。

 ドラゴンについては、その素材がかなりの高額で売れるようだし、解体したら売り払い、領内の開拓資金にあてるとしよう。


 こうして無事にオレたちの、ドラゴン掃討作戦は、終了したのであった。

 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


 《ブックマーク》 と


 評価★★★★★を

 

 お願いします。

 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

 感想、レビューもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ