13:ドラゴン掃討作戦
タカタカタカ・・・・!
現在オレたちは、二機の魔道航空機に、二組に分かれて搭乗中だ。
アーノルドの乗る一機目には、コロン、オレ、ユースたんが・・・・。
ゴンツの乗る二機目には、ヴァルキリー部隊として、シャルちゃん、フランちゃん、ライザさん、パナメラが乗り込んでいる。
あの衝撃の報告から三日後、オレたちはドラゴン掃討作戦を決行した。
いくら相手が最悪の魔物だろうと、諦めれば自らの領地や領民を、見捨てることになるのだ。
そんなことになれば、領地を任された者としての、立場がないだろう。
それには誰もが、納得することはなかったのだ。
それにオレたちには、ドラゴンの鱗をも切り裂く、破壊の光がある。
しかも今回はヴァルキリー4機に、黒金、コロンやユースたん、魔道航空機が2機も、戦闘に参加する。
敵のドラゴンは3頭もいるが、オレたちの戦力も、負けてはいないはずだ。
「見えました! ドラゴンの隠れ集落です!」
そのアーノルドの知らせで、皆の緊張が一気に高まる。
その集落にはドラゴンの他に、人間も数人いるようだ。
ドラゴン使いだろうか?
山賊のような男ばかりがいる。
だとしたらあいつらが指示して、アリ村を襲わせたというのだろうか?
まずは拡声の魔道具で、彼らに呼び掛けてみることにする。
『え~・・・・。わたくし、ここヒュロピア領の領主、ヨーレシア・ド・ホワイトナイツです。貴方たちの行為は、不法滞在にあたります。速やかに投降してください』
しかし彼らはドラゴンに跨り、飛び立つ準備をし、弓矢をこちらに放って来たのだ。
まあドラゴンは脅威だが、弓矢はここまでは届かないんだけどね。
『貴方たちの行為を敵対行為とみなします。今すぐに止めるつもりがないなら、こちらも攻撃を開始します』
だがそう呼びかけても、彼らが攻撃を止める気配はない。
「作戦通り魔法玉を打ち込んでください!」
オレは仕方なくアーノルドにそう指示をした。
魔法玉とは盗賊の一軒で使用した、雷を拡散する魔法の玉だ。
今回は魔道航空機にその魔法玉をセットし、銃身から発射できるようにしているのだ。
ちなみにこの魔法玉は、オレがスマホの機能で作った兵器だ。
「魔法玉、集落に射ち込みます! てええええ!」
パツン!!
魔法玉が集落に落ちると、誰にも当たらなかったことで、男たちは笑い始める。
だがその油断が、彼らの命取りとなるのだ。
バリバリバリバリ!!!
「「ぎゃああああ!!」」
しばらくすると、魔法玉から雷が拡散しスパークする。
今回は気絶するくらいの、威力にしぼっているが、弓矢を構えていた男たちは、全員感電して倒れてしまった。
ところがドラゴンに跨った、男たちには効果がなかったようで、こちらに向けて3頭のドラゴンが飛んで来た。
『全員出撃開始です!』
その合図でオレとコロンとユースたんは、魔道航空機から飛び出す。
「黒金!! 飛行ユニット!!」
オレは上空で黒金を起動すると、飛行ユニットを装着する。
しばらくして、ゴンツが操縦する魔道航空機からも、次々とヴァルキリーが飛び立つ。
『では作戦通りに・・・オレとコロンが、ドラゴンを1頭ずつ相手にします! ヴァルキリー4機はドラゴン1頭に総攻撃をかけてください!』
「「はい!」」
ちなみに指示は出していないが、ユースたんは後方へ回り、魔法障壁や回復魔法などの支援を行うのだ。
そしてこの作戦を考えたのはユースたんだ。
ユースたんの見立てでは、オレの黒金とコロンならば、若いドラゴンくらいは相手どれるという。
ただしヴァルキリーに関しては、機動力はあるが防御面に問題があるため、このような布陣になったようだ。
「それでは姫! ご武運を!」
アーノルドとゴンツの乗る魔道航空機も、ここからは距離を置き、出来る限り遠距離からの攻撃に徹していく。
「グォオオオオ!!」
そして最初の1頭目が、オレに向けてブレスを放ってくる。
オレの黒金を領主の機体であると判断したからだろうか?
「あまい!! 風のパーティクル!!」
オレが風のパーティクルを、黒金の手の平から放出すると、竜巻が巻き起こる。
「グギャ!!」
そして竜巻が、一気にドラゴンのブレスを押し返していく。
同時にオレは一気にドラゴンへ接近していった。
「破壊の光!!」
ビーン!
そして糸のように、極細の破壊の光を放出して、ドラゴンに斬りかかる。
この破壊の光の糸は長さが増すほど、消費魔力が高くなるので、こうして接近する必要があったのだ。
だいたい射程は、10メートルぐらいの長さになる。
また破壊の光を極細にした理由も、魔力消費を抑えるためだ。
まあオレの場合は、スマホの電池残量だがな。
スパン!!
「ぐぎゃああああ!!」
そして破壊の光は、見事ドラゴンの片翼を斬り裂いた。
片翼を失ったドラゴンは、そのまま真っ逆さまに、地面に落下していった。
なんと呆気ない幕切れだろうか?
まあ若いドラゴンだと聞いていいるし、こんなものなのかもしれない。
「ちっ!」
そう舌打ちしたのはコロンだ。
コロンはオレに少し遅れて、ドラゴンの額に槍を突き立てていた。
もちろんこの槍も、破壊の光が発生する仕様になっている。
「ぎゃおおおおん!!」
そして2頭目のドラゴンが、地面に落下していった。
残るはヴァルキリー4機が相手にしているドラゴンのみだ。
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