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12:飛行訓練

 第三者視点~


 ヒュロピア領アリ村付近の村、モリ村より・・・・。


 

「父ちゃん! 何か飛んでるよ!」



 モリ村の少年は、空を指し示しながら、父親にそう告げる。



「ああ・・・。今日も色とりどりの天使様が綺麗に舞っておられるな」



 二人が見つめる上空には、その日も色とりどりの天使が飛び交い、その美しい姿を見せていた。



「あの天使様方は最近このヒュロピア領にやってこられた、領主様の配下の者たちらしいぞ」


「ああ! あのでかいくて黒いのが領主様だって聞いた!?」


「ほう? 領主様はめんこい幼児だと聞いておったが、あんな大男だか?」



 モリ村の村人たちは、今日も空を見上げ、飛行訓練を繰り広げる、領主であるヨッシーと、ヴァルキリーの噂話で盛り上がっていた。





 ヨッシー視点~


 あれからオレたちは、襲撃してくるドラゴンから領地を守るために、日々飛行訓練に励んでいた。


 オレの黒金初め、四機のヴァルキリーたちは、飛行ユニットを取り付け、空を自由自在に舞うことが可能になっていた。



「わたくし、空を飛べるなんて夢みたいです!」


「うう・・・! わたくしはまだ慣れませんわ・・・・」



 飛行を楽しむフランちゃんに対し、シャルちゃんにはまだ恐怖があるようだ。



「ほらほら! お二人とも始めますわよ!」



 そう言いつつ上空で、ペイントガンを構えるのは、青いヴァルキリーを装着したパナメラだ。



「今日は負けないわよ!」



 そう言って緑のヴァルキリーを装着した、ライザさんがコロンにペイントガンを向ける。



「言ってろ! 今日もワタシの一人勝ちだ!」



 なんとコロンはヴァルキリーなしでの飛行を、可能にしていたのだ。

 まあ飛行というよりは、あれは空を蹴っていると、言った方がしっくりとくる。


 コロンはオレの造った浮遊ブーツを履き、空中を地面のように蹴り上げることで、上空でその身を維持していたのだ。


 だが言っておこう・・・・。


 オレの浮遊ブーツでは、跳躍はできても空は飛べない。

 オレの浮遊ブーツは、基本地面すれすれを浮遊するものであって、飛行可能なものではないのだ。


 それが出来るコロンがおかしいのだ。


 

「コロンはよくそんなので空が飛べるね?」


「まあ普通に水の上を走る時と同じ要領でやったら出来たんだけどな」



 普通は水の上なんて走れねえよ!



「それでは戦闘開始ですわね!」



 これからオレたちが行う戦闘訓練は、ペイントガンを撃ち合い、どれだけ被弾しなかったかを、競う訓練だ。



「うわっち! いきなりくらった!」



 しかしこの訓練で、極端に大きな黒金を装着しているオレが、一番不利なのは言うまでもない。

 終わるころにはいつも、ペイントまみれなのだ。


 フォセットさんはいつもその訓練の様子を、地上から羨まし気に眺めているが、こればかりはどうしてあげることもできない。

 彼女には彼女の、信念があるのだから・・・・。


 アーノルドとゴンツはあの日から毎日、魔道航空機の訓練に明け暮れている。

 最近ではその操縦にも慣れてきたので、訓練も兼ねて、盗賊のアジトやドラゴンの居場所を、上空から探る任務もこなしている。





 第三者視点~


 そのころアーノルドは魔道航空機での捜索をしていた。

 助手席には同じく、地上の様子を確認する、部下の騎士もいた。


 

「森の中に隠れ集落です!」


「何!? どこだ!?」



 そんな中地上を見ていた騎士が、隠れ集落を発見する。

 アーノルドもすぐさま騎士の最示す方向を確認する。


 

「あれはもしかして・・・・」



 するとアーノルドは怪訝な顔つきとなる。

 アーノルドはすぐさまヨッシーに遠話の魔道具を使い報告した。





 ヨッシー視点~



 そのころヨッシーは飛行訓練も終わり、アリ村で反省会を開いていた。



 ピロピロピロ! ピロピロピロ!



 そんな最中ヨッシーのスマホが、着信通話を知らせたのだ。



「誰だろう? ヘリで捜索をしていたアーノルドからだね・・・」


「なにか見つけたんじゃないか?」


「どうしたんですかアーノルド? 何か見つけましたか?」



 オレはスマホを手に取り通話を開始した。



『隠れ集落を発見しました! しかもその集落に・・・・』



 そのとんでもない内容を聞き、オレは呆然としてしまった。



「どうしたんだヨッシー何かあったのか!?」


「どうしたのです!? 早く報告なさい!」



 そんなオレの様子から、何か感じ取ったのか、コロンとユースたんが、オレにそうまくし立てる。

 そして他の皆も、オレに注目しているようだ。


 だがオレはそんな皆にかまわず、深呼吸をして落ち着くと、次にその内容を口にした。



「ドラゴンを見つけたんだ・・・・。しかも三体も・・・・」



 なんとその隠れ集落には、最悪の魔物といわれる、絶望的な存在、ドラゴンが三体もいたのだ。

 その報告を聞いた皆は、驚きと絶望に目を染め、ただオレを見つめるばかりだった。

 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


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 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

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