第三節~第四節
世界は再び作られた、虚無から、無から有は発生しない、その有は一体どこから現れたのだろうか、
第三節 聖書 懇願の書
それは旅人の本である、気まぐれに次元を超え、気まぐれに世界をまたぐ、その本ははるか昔に神々の手により書かれた聖なる書物であり、内容は誰も読むことはできないものであった、なぜならその書物は異界の物であるため、その文字自体がこの世に存在しないのだ、なので誰も読むことはできない、ただわかるのはその本は気まぐれに表れては、またも気まぐれにその姿をくらませ、世界を回るとゆうことだけだ、そう、まるでその中に書かれていることを多くの者へと伝えたいかのように。
その懇願の書はとある世界を訪れた、それは虚無の世界、何もないただただ無が広がる世界、本はその世界にとどまった、本来の目的に反するように、誰かに見てほしいはずのその中身を見る者など存在しないその世界を本はただただ彷徨った、ゆらゆらと流れに身を任せ。
いかほどの時間がたっただろうか、その本は一向にその世界を旅立とうとしない、もうその本は長い時を虚無にさらしたためか、表紙は所々虚無にむしばまれなくなっている、中身も同じくほとんどの字が虚無により無くなっていた、もうこの本が消えてしまうのも時間の問題だろう、、、そう、この本はこの世界を旅の終着点にしようとしているのだ、誰に見られるわけでもないこの世界を、虚無がまた本を蝕む、もう表紙は無くなり、残りも数ページになっていた、その数ページは白紙のページ、、、その本は誰に見られるわけでもないのにその数ページに言葉を残した、、、
「私は長い長い旅をここで終わらせようと思う、この本を多くの者に見せたが誰も読むことはできなかった、しかしなぜだろう、私はとても満足しているのだ、この世界はとても懐かしい気がする、あの人の匂いがする気がするんだ、私を救ってくれたあの人の、、、ここはあの人の世界なのかもしれないな、もし、最後に願いが叶うなら、最後に一度でも、誰かに読んでほしかったな、みんなの思いを、、、。」
本はその言葉を白紙のページに刻み終わると、まるで満足したかのようにページをたたみ、ぼろぼろと、崩れ、虚無へと消えていった、、、そして再び世界に静寂が、無が訪れたのだ。
ほどなくして、その虚無に一筋の光が差し込み、
煌々と光り輝く純白の星が現れたのだ。
第四節 楽園
世界は再創造された、新たな世界に苦痛は存在しない、植物たちは日の光を浴び、青々と光り輝き、実れるその芳醇な果実を生物へと与えた、動物たちは与えられた果実を食べ、生き生きと育ち、その美味たる血肉を人々へと与えた、人々はその与えられた血肉を食べ、豊かな文明を築きあげ、争い、殺しあうことはなかった、その楽園に苦痛はない、その楽園に死は存在しない、その楽園に悩みなどない、なにせここは楽園であるからだ。
この世界に死など存在しない、植物も、動物も、わが身を捧げた先にあるのは復活である、全てを捧げたものはその後一度神の元へと戻る、そしてまた神から新たな体をいただき世界に再度訪れる、それこそがこの楽園における循環である、それゆえに世界に新たな存在は誕生しない、今あるものがすべてであり、今あるものが循環していく、ゆえに死なず、ゆえに平和である、そんな楽園こそが純白の星が作り上げた新世界であった。
全ての者はその平和をむさぼる、苦痛など知らず、
そして世界はまた終わりを迎えんとする、
あるはずのないものによって、、、
楽園は確実な繁栄をもたらした、しかしその楽園はなにか大きな代償の元存在しているのだ、世界は再び終わりを迎える、失楽園、、、