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Ar05/Al01 ドール・トゥ・ガール①

 ――穏やかな陽射しの降り注ぐ戦場に、銀色の風が吹く。


「殺戮人形だ! 姿を見せないと思ったら、こんなところに……!」

「絶対に逃がすな、ここで討ち取れ!」


 叫び声と共に放たれる弾丸が、雨のように『それ』へと――アルマ・リヴォルタへと向かっていく。しかし、所詮は雨のようでしかなく、それぞれの弾丸の間には大きな隙間があった。

 アルマは自らへ迫る死のない箇所とタイミングを察知し、そこを潜り抜けるように動くことで弾丸の雨を突破する。そして、眼前の兵士達の効率的な殺し方を理解した本能の導くままに行動し――自らの右手に握る長剣が一人の首を捉えようとしたところで、その軌道を歪めた。


「邪魔をしないでください……!」


 長剣は兵士の首の薄皮一枚を裂いてすぐ横を通り抜けた。一瞬とはいえ刃が首に触れた感触と、表情こそ大きな変化は見せないものの感情の籠った声に気圧されてか、狙われた兵士が失神する。アルマは止まることなくその傍を駆け、先に進む。少ししてから呆けていた他の兵士達が我を取り戻し、彼女に銃を向けた。


(call t )(he light)!」


 しかしその直後、悲鳴のような声での詠唱が発せられると同時に、複数の光の鎖が後方へと伸びて兵士達を拘束する。アルマが一瞥もせずに……そして何より、殺さずに拘束しただけに留めたという事実が、彼らに動揺を与えていた。


(殺せない……そのせいで余計に時間を食ったとしても、殺せない!)


 今のアルマは急いでいる。目的を果たす為ならば躊躇せずに殺すべきだ。それを理性でも本能でも理解していながらも、殺すことはできなかった。

 きっとそれは、彼女の心が成長し、彼女もまたそれを自覚したからだろう。

 地下鍛錬場でデイヴと向かい合ってから、色々なことが頭の中を巡っていた。大切な存在やそれを失うことの苦しみについて。裏切ることへの罪悪感に、一緒に過ごしたいと感じる欲求についても。考えて、考えて――彼女は、一つの結論へと至った。

 自分にとって養父と先生、セシルをはじめとしたアバーナシー家で働く皆が大切であるのと同じで、名も知らぬ誰かもまた他の誰かにとって大切な存在であるということ。

 そう考えてから、アルマは自らのこれまでの行いを恐ろしく感じた。誰かが失いたくない存在を、この手で幾つ奪ってきたのか。止めたいのに止まらない思考が、彼女に恐怖と不安を与えていた。

 拭っても消えない血がこびり付いている。かつて養父が語ったように、自分もまた血で汚れ切っている。


「先生は、一体どこに……!」


 物陰に潜みながらも走ることをやめない。心中の焦りを表すかのように、小さく言葉が漏れた。

 言うまでもないが、アルマが屋敷から出てこの戦場に立っていることには理由がある。その理由とは、デイヴが屋敷に残した手紙のことだ。

 彼がセシルに預けた手紙には、こう書かれていた。


『我が親愛なる教え子、アルマ君へ

 所用のため、最前線に赴くことになった。帰れない可能性もあるから、事務的な連絡だけここに記しておくよ。

 ・心についての講義は昨日のものを以て終了とする。

 ・それに伴い、屋敷の結界で弾く対象から君を除いた。

 他にも伝えたいことはあるが、時間がないため一言添えるだけにしておこう。

 自由に生きなさい。あとは、鍛錬場で言った通りだ。

 レージュア王国マーティア辺境伯 デイヴ・アバーナシー』


 帰れない可能性がある――そう記されていることが、アルマにとって一番の気がかりだった。

 デイヴは強い。単純な戦闘技術で言えばアルマよりも遥か上の存在と言える。殺意のない手を抜いた攻撃で彼女を制圧できるだけでもその実力は窺い知れる。

 その彼が、わざわざ遺書ともとれる手紙を残して戦場へ赴いたのだ。それはつまり、デイヴは自分にも劣らない実力者がいると考えているのだろう。

 そしてそれに該当するアミュレイトの者は、アルマには一人しか思い当たらなかった。


「養父様……!」


 彼女の養父、ジェント・リヴォルタ。個人でありながら、五分もあれば戦況を覆すことができるとまで謳われる戦略級兵器。彼に幾度となく稽古をつけてもらい、扱う魔法や戦闘の癖をある程度分析できているはずの彼女でさえ、いざ戦闘となれば未だ指一本触れることすらできていない化け物。

 アルマは血痕の一つもない戦場を駆ける。


 ――胸の内で痛みと不安が急速に肥大化していくのを感じながら。



「やあ、待たせたかな」


 これではまるでデートだな、などとデートの一回もしたことのない男は考える。男――デイヴ・アバーナシーの右手には、肩よりも広く身の丈よりも長い灰色の刀身を持つ巨大な剣が握られていた。


「構わん。自軍の兵に見つからないように来なければならない分、そちらの方が必要な労力は大きいだろう」

「その辺り、貴方は魔法でどうにかできるのだろう? 私も魔法を学ぶべきだったか」

「付け焼刃にしかならん。やめておけ」


 デイヴの言葉に淡々と返すのは、彼の教え子の養父でもあるジェント・リヴォルタだ。そちらも既に抜刀しており、右手で豪華絢爛な装飾が施された実用性を感じない銀色の十字剣を握っている。


「他の者に見つからないよう細工はしてあるが、面倒事が起きても困る。さっさと始めるぞ」

「まあまあ、少し話でもしようじゃないか。私個人としては、貴方に言っておかなければならないことがあるものでね」

「……ほう?」


 笑顔で語るデイヴにジェントが怪訝な顔をする。彼にとってそれは思ってもいなかった言葉なのだろう。

 まずはこちらの流れに持ち込めたな、と冷静に思考を回す。


「アルマ君のことだよ。この一ヶ月で、彼女のことや貴方のことをわかってきたつもりではあるが、だからこそ直接言ってやらないと私の気が治まらないのだよ」

「言いたければ勝手にしろ」


 短く会話を切り、ジェントが十字剣を横に振るう。それだけで空気が刃となってデイヴを襲うが、それを灰色の剣によって斬り払う。その直後、十字剣の軌跡に光が収束し、二つ目の刃となって射出された。

 研ぎ澄まされた剣技による飛ぶ斬撃。次いで放たれる周囲へと拡散しながら進む光の刃。或いは光波と呼んでも良いのかもしれない。いずれにせよ、これだけで並の魔法生物は地に沈むだろうなと気の抜けた考えを起こしながら、デイヴは小さく告げた。


「熾きろ、サンドリア」


 握る灰色の剣――彼がサンドリアと呼んだそれから、灰と炎が吹き荒れる。光波とせめぎ合うことなく一方的に吹き飛ばし、周囲の木々を燃やす――こともなく、静かに散って消えていく。


「魔法そのものでは劣るが、魔法生物の扱いや技術転用に関してはそちらの方が上だったな。それが噂に聞く竜の剣か」

「ああ。灰竜サンドリアと呼ばれた魔法生物から生み出した、レージュアの中でも三本の指に入る名剣だ。……皮肉なものだね。魔法生物の中でも最強の種族とまで謳われた竜よりも、それから作った武器を握った人間の方が強いなどと」


 やれやれと肩を竦め、しかし鋭い視線はジェントに向けたままで。


「話を戻そうか。私が見る限り、アルマ君は情報というものの価値を理解していなかった。そこは今回の一件も含めれば仕方がないことだと割り切れるからまあ良いとしよう」


 自らに向け、斜めに交差させた二連撃が放たれる。当然飛ぶ斬撃と光波がどちらにも付随しており、対してデイヴはサンドリアを横に一閃させる。刀身本体と、ジェント同様の飛ぶ斬撃で二発の斬撃を処理した。

 続く光波に対しても同様だった。サンドリアの軌跡に灰と炎が収束し、それ自身が刃であるかのように振る舞い、そして炸裂する。土煙が舞い上がり、互いの視線を遮る煙幕となる。


「だが、貴方は心というものを教えようともしていなかったな――貴方程の人物であれば、自らの手で心を芽生えさせることもできただろうに!」

「そうだろうな。……他にすべきことがある、そう判断しただけだ」

「仮にも貴方はあの子の養父(ちち)だろう! それでいて他にすべきことがあるなどと……!」


 怒りを隠さないデイヴに、ジェントが溜息を吐く音が聞こえた。


 ――後ろから。


「やかましい。貴族の、それも他国の家の教育方針に口を出すな。過去の話ではあれど、それは内政干渉と捉えられかねない行為だ」


 三番八式、と小さな声がした。

 直後、空気の揺らぎを感じて身体を動かす。デイヴは経験からそれがどんな攻撃かを既に看破していた。四方八方から包囲するように放たれる、不可視の風の刃による波状攻撃。最小限の動きで躱し、サンドリアで弾き、灰と炎を散らして防ぐ。


 デイヴは無傷だった。後ろでまとめた薄い赤の髪が風に揺れる。


「だとしても、彼女の師として見過ごすわけにはいかない」

「面倒な男だ――五番七式、三番零式」


 ジェントの言葉と共に、空間のある一点がじわりと黒く滲む。インクの染みのようなそれはやがて形を成し、一匹の黒狼となった。五番七式――闇を扱う魔法によって生み出されたゴーレムがデイヴへと駆け出すのと同時に、ジェントが何度かあらぬ方向へと十字剣を振るう。飛ぶ斬撃と光波もまたそちらへと進むが、デイヴは気を緩めなかった。

 彼の懸念は的中し、周囲を囲むようにして虚空から幾つもの斬撃と光波が出現する。まさに攻撃の嵐。極まった魔法使いが兵器に分類されることに納得しつつも、対処するのは難しいことではないと言わんばかりの表情を見せる。


「吼えろ!」


 叫ぶと同時に、猛烈な回転斬りを見舞う。灰と炎が今までにない程激しく、今度は軌跡からではなくサンドリアの刀身から直接放射される。斬撃と光波の全てを斬り伏せるだけでなく、その勢いで空へと飛び上がったデイヴは、再び灰と炎を放射させて加速した縦回転斬りを放った。

 刀身が地面に触れた瞬間、放射されまとわりついていた灰と炎が混ざり合い、灰色の炎となって大規模な爆発を起こす。ぬかるんだ地面から水分が飛ぶ程の灰炎と熱で周囲一帯が満たされるが、それでも木々に燃え移ることはなかった。


「燃やす対象を選べるのか」

「灰の炎はただの残り火。燃え移るだけの勢いを持っていないだけさ」

「よく言う」


 ジェントが生み出した黒狼は跡形もなく消し飛んでいた。しかし、何の役にも立たず、無駄に魔力を消費して終わったことに彼は何も感じていないようにも見える。


「……思うところがないわけではない。だが、アルマの力は危険だ。俺はあいつの本能に首輪を付けることを優先しただけに過ぎない」

「言い訳というわけではなさそうだ。だが、理解はしても納得はしない。貴方は親としての責務を放棄した」


 サンドリアを振るい、灰炎を灯す。それだけでなく、デイヴが空いた左手を地面に押し付ければ大地が揺れ始めた。次第に左手が触れた箇所が隆起していき、少しの間を置いて一つの武具が形成されていった。

 それは大鎌だった。大地から作られた土の大鎌。巨大な剣と大鎌という奇妙な組み合わせでの二刀流に、ジェントが訝しむような視線を向ける。


「大地の獣、エイビム――その力の一端、たっぷりと堪能してもらおう」


 地面を抉るように大鎌を振り上げれば、そこが一瞬で隆起し土の刃となる。それだけでは終わらず、土の刃はまるでジェントに直進するかのように連続で作り出されていく。


「三番零式」


 しかし、ジェントに届くことはなかった。一定の距離まで作り出された時点で土の刃の生成は止まり、逆にデイヴの後方で形を成して彼へと迫る。そのまま彼へと突き刺さる――と思われたその直前、全ての土の刃がその場から消失した。

 ほんの少しだけ、ジェントの双眸が大きく開かれる。僅かな違いではあるが、デイヴはそれを見逃さなかった。今は互いが持つ手札を分析している途中だ。これがブラフでなければ、相手はまだサンドリアの灰炎とエイビムの力の実態を把握し切れていないことになる。

 今の内に魔法の性質を見極めておかなければならない。そう判断し、先程と同様に後方へと戻されることを覚悟の上で蹴った地面が砕ける勢いでジェントへと駆けた。意外にも戻されることなく彼の正面まで迫ることができ、拍子抜けしながらもデイヴは左手に持つ大鎌の先端で首を狙う。無論それだけではなく、右手のサンドリアで追撃を仕掛ける準備も整えてある。


「二番一式、五番二式、五番二式、五番二式」


 手に伝わる硬い感触。大鎌が捉えたのは巧妙に作られた土人形だった。魔法によって編まれた光のベールが剥がれ、その奥に立つジェントの姿が顕わになる。彼は右手の十字剣で刺突を繰り出すと同時に、周囲から闇の奔流を三つ放っていた。それら三つは虚空へと消えると同時にデイヴを包囲するように出現し、その姿を呑み込もうとする。

 闇とは本来光のない状態を指す。だが、魔法学においてはそれとはまた別の意味を持った、物質的な闇が存在することを証明されている。限りなく黒に近い色をしており、殆どの生命を蝕み作り変えてしまう性質を持つ。基本的には泥のような液状の物体だが、水のように常温で気化し、更に気化してもその毒性が消えることはないため、取り扱いには注意を要する有害物質だ。

 今デイヴに迫っているのはそれだ。魔力に命令を与え、変質させることで生み出した闇。いくら敵対しているとはいえ、躊躇なくそんなものを人間に向けるジェントに戦慄する。だが、思えば先程の黒狼も闇で形作られたものであり、今更のことだ。そんなことをぼんやりと考えながら冷静に構えていたサンドリアを前方へ突き出す。刀身から灰炎が溢れ出て、刺突の軌道の延長線上を灰炎の奔流となって埋め尽くす。それだけでなく、デイヴの周囲を覆って闇の奔流を逸らし、互いに衝突させて弾き飛ばすことに成功した。

 十字剣の切っ先から放たれた光と灰炎がせめぎ合い、大きな爆発が起こる。再び土煙が舞い上がり、二人の視界を遮る。視界は悪いが、今のデイヴにはジェントの位置をはっきりと認識できていた。

 土人形が一つ作られるのを知覚する。水の弾丸が、まるでその土人形が放ったように偽装を施されて射出されるが、冷静にそれを斬り捨て――元居た場所から自らの後方に現れたジェントに向けて柄を伸ばした大鎌を振るう。しかし、大鎌は彼にある程度まで接近すると突如その姿を消す。


(そういうことか)


 先程から使用している魔法の仕組みを看破する。大鎌は未だ握ったままで、その刃は先程までジェントがいた位置に存在している。つまりこれは転移ではなく離れた空間の接続。ある二点を繋げることで転移同然の移動を行い、多角的な攻撃を可能にしていたということだ。

 種が割れれば対処のしようもある。これはあくまで攻撃を別の空間に逃がしているだけであり、その繋げた空間から逃がされたものとは異なる攻撃を仕掛ければこの魔法では防げない。


「ここが切るべき時か」


 小さく呟き、伸ばした柄を縮め手元に戻した大鎌を横に一閃させた。間を置かずして、晴れずに漂う土埃の中を灰が舞う。周囲一帯が灰で満たされ、


「吼えろ、サンドリア!」


 デイヴが叫び――灰に炎が灯り、爆発する。その余波で周囲の灰にもより強い炎が点き、連鎖して大規模な爆発を起こし続ける。強烈な光が、轟音が、衝撃がデイヴを襲うも、彼自身はサンドリアの力によって守られているため無傷だった。一時的に視覚や聴覚の機能を喪失するといったこともない。

 漂っていた土埃は今の一撃によって晴れたが、それも一瞬のこと。連鎖した爆発のせいで再び視界は塞がれたままになってしまう。こうなることがわかっていたとはいえ、やはり煩わしいものは煩わしい。出力や規模を抑えていても地形を変えてしまいかねないのもあり、サンドリアはデイヴにとってあまり使いたくないものでもあった。

 不意に強風が吹き、視界が鮮明になる。目に映ったものを見て、デイヴは思わず溜息を吐きそうになった。


「大地の獣とやらの力で生み出したその大鎌でも竜の力を扱えているようだったが……成る程な。そういうことだったか」

「あれで特に目立った損傷もないとは……正直人間としてどうかと思うな。私が言えることでもないが」


 若干煤けてこそいるが、ジェントは特に傷を負うこともなく平然と立っていた。冷静に分析をしていたところからも、焦ったりということもないだろう。


「その剣と大地の獣の力を宿した武具を、何らかの手段で接続しているな? その武具に灰を供給することで一時的にそちらでも扱えるようにしたといったところか。大鎌での最初の一撃も、大地から生やした刃を灰に変えて霧散させたのだろう。それならば今の連続爆破の範囲がやけに広かったことにも納得がいく」

「……隠し切れる気もしないから白状するが、その通りだよ。流石は魔法学の第一人者だ。魔法を組み込んだ道具と魔法生物から作り出した道具は根本のところでは同じだからね」


 あっさりと手札を看破されたことに肩を竦める。ジェントの強さは想定以上だ。武芸においても秀で、魔法を使えば戦略級。優れた頭脳は敵対者の能力を容易く見抜き、そして見抜いたデータを基に行動を読んで対応してくる。

 これだけの実力者が相手となると、勝利を収めるには一筋縄ではいかない。彼を討つことがデイヴの目的ではないが、それでも一発は強烈な攻撃を叩きこんでやりたいというのが本音である。加えて、可能な限り粘れるとより理想的な展開を迎えられるだろう。


「もう少し温存しておきたかったが、仕方がないか」


 大鎌を散らし、空いた左手で懐に手を入れる。取り出したのは血を思わせる深紅の果実と枯草色の砂時計、そしてあちこちが錆びつき欠けた短剣だった。視界に入るだけで威圧感に襲われる。ジェントもそれを感じたらしく、即座に無数の光剣と炎槍を殺到させた。

 だが、それよりもデイヴが果実を口にする方が先だった。その直後、彼の薄い赤の髪が果実と同じ深紅に染まり、その色の光が――ジェントが放ったような、しかしそれとは色の異なる光波が周囲へと広がる。光剣と炎槍はその余波で全てが消し飛び、一瞬だけ静寂がその場を支配した。

 枯草色の砂時計は落ちるべき砂が中心で固定されている。デイヴはそれを握り潰し、次に短剣を自らの胸に突き刺した。しかし彼が出血することはなく、短剣が塵となって消えるだけだった。

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