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深紅ノ夢 √A  作者: 七草粥
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腐り姫

深紅ノ夢


エピローグ 深紅ノ夢]


この世界に時空の鍵をかける。


この軸に閉じこもる。数え出す。鍵の数は7つ。


ーーーこの世界を。それを正しい軸をずらす。


「願い給え。願い給え。捧げるのは、7つの釣手土器。

神軻遇突智を灯日に降りたまえ。全ては貴方をあの忌々しい場所から、戻すためにーー。」


そして、「人」を…。

ーーーーーー

「大丈夫ですか?」と女の人が俺に声をかける。

俺は頷くと

「ーーー良かった。」っと安心する様に胸をなで下ろす。

「ここはそうね…とりあえず異常世界と言うべきかしらね…」

辺りを見渡す。

俺は、真紅の雪の中に、うずもれていた。

「ほら…」と

差し上げられた手を取り、立ち上がる。

雪はゆるやかな渦を巻き、花弁のように舞い散る。

果てしない紅い雪景色が広がっていた。

「……美しい。」

……けれどそこは死の、世界だった。

「そう…ここは、もう終わった世界。もう何もかも、悪い方向に行って終わった世界。

だから、貴方もここで終わるの…」

「ーーーーーっ」

抵抗しても力では勝てない。勝てない。勝てない。

勝てない。勝てない。勝てない。勝てない。勝てない。

意識が朦朧とする。

もう何もかもがどうでも良くなる。

苦しくて、もうこの苦しみだけを忘れるように眠ろう。

目を閉じようとした。その視界にある女の子が見えた。

その女の子は深紅の着物を来ていて、童女の様な見た目をしていた。

ーーーーでも、彼女の顔は…。見えなかった。

その女の子がこう言った。

「ほらまた、失敗した。」と。嬉しそうに。

視界が闇に包まれる。もう、もたないようだ。

さようなら、世界。

ーーーー世界が死の静寂に包まれる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


……音が聞こえる。

カッチッチ、カッチッチ。

一定のリズムで叩くその音はメトロームの音の様だった。

俺はその音だけをぼんやりと聞いていた。

……何処だろう、ここは。

思い出せない。ただ、ザーザーと雨の音が聞こえる。

頭と手足が重い、体が言うことを聞かない。

俺は体に無理矢理に力を入れ、

ゆっくりと、ゆっくりと体を起こす。

「……ここは?」

見慣れる場所にいた。部屋なのか。辺りはとても暗い。

体にも力が入り始めた。

「とりあえず、外に出てみよう」

ガチャ、とびらを開ける。

1面に見えるのは紅い雨。

その紅色は、まるで、彼岸花のようだった。

その紅色は地獄の焔の如く。

ーーーー美しい。

触れて見ようとした。

ー刹那、何者かに小石を投げられた。

「イタッ…」

軽い痛み。

「バッカ、オマエ、また失う気か?」

どこかで聞いた声がする。いや…あれは…

「友健!!!」

友健が困った様に首を傾げる。

「……?誰だそいつ?」

と、数秒悩んでいたが。

「ーーーーー!…なるほど…お前…◼◼◼◼◼◼したな」と

何が何だかわからない。だがその事を

悔いるように友健は言った。

ーーーーーー世界が死に包まれるまで後,15ヶ月


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


第1章「腐り姫√A」


この世界、の灯火(希望)はもうない。


いつその灯火が消えたかはわからない。


ただ、突然、あまりにも突然に消えた。


ある日から


1日必ず5000人死ぬ呪いがある。


驚くべきなのは、

5000人が超えるわけでもなく。減る訳でもない。

ぴったり5000人。死んでいるのがわかった。


そう、5000人。今の人口は。6758人世界は後

15ヶ月でこの雨とあの化け物達によって、死へと導かれるだろう。


照らすのは灯火ではなく。絶望かーーーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺はそんな世界に嫌気が刺した。


どうせ皆死ぬならば、先に死ぬことを考えた。


「死のう…」そんなことを思った。


「だって、どうせ死ぬ。自分がいつその5000人になるかなんてわからないじゃないか?」


そう、彼はそう言って飛んだのだ。

あの空に。翼なんてなくとも。

そして、彼は死んだと思われた。

しかし奇跡的な生き伸びた。

そして、起きる今まで寝ていた。

ーーーーーー

「どうだ?思い出したか?」

「悪いが全く思い出せない。何もかも。」

「やっぱりそう簡単に思い出せないよな。

まあいいや、とりあえず。今日は腐り姫の処刑日だ。よくお前はさ、腐り姫のことを怨んでたから、それを見たら思い出すかもな。」

(キーーーーン。)

突如、頭痛がした。

腐り姫…その単語を聞くだけで酷く頭痛がした。

痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。

痛みで吐きそうになる。

この痛みはなんなんだろうか?


ーーー広場ーー

長い軍隊の行進と同時に。

歓喜の声と戒めの声が聞こえる。

でも、どちらも腐り姫を恨んだ声であるのは違いない。


「これより、腐り姫の処刑に移る!」


「早くしろ!!」と怒涛の声が聞こえる。


これだけの恨みを買う腐り姫とはどんな悪党なのか。

逆に興味が湧いてきた。

「腐り姫が来たぞ!!」

その姿は想像とは違っていた。


腐り姫は着物を着ていて、その着物は深紅。

そして、その姿はあまりにも 幼い 女子(おなご)であった。

ーーー

「嘘だ…」

こんな、幼い子を怨んで何がいいと言うんだ…。

過去の自分をこれ以上恨むことはないだろう。

俺はこんな子を見殺しにできない。

だって、まだこんなまだ幸せをつかんでない。こんな震えている子に…

けど…こんな包囲されているじゃ…

俺は…

A助ける

B見殺しにする

----------------

A助ける。

俺はこの子を助けたいーーー。

だって、こんなにも今の俺はこの子を「助けたい」と思っている。

そうと決まれば、捕まっている牢屋へと急がなければ、俺は処刑される牢屋へと急ぐ

ーーーしかし

「何処に行こうとしている?

腐り姫の処刑なら此処でも見れるぞ。

まさかお前?」

「すまない。君達のことは全く思い出せなかったけど。俺は…あの子を助けるよ。」

「待て!お前は、お前はそれでいいのか!?

記憶も捨てられ。何もかもも…捨てられ…たのに、今度はここまで捨てるというのか!?」

「ーーああ、それでも俺はあの子を助ける。」

行ってしまった。止められなかった。

ここで止めなければ、俺たちにとってもお前にとっても最悪なことしか起きないのに、

「あの目」を見たら止められなかった。

あれは、決意の目だ。


ピロピロ、と電話がなる。

「ヒメ?ああ、止められなかったよあいつは。ああ、

わかった。すぐ行く。」

ブツーーツーツー

「ああ、お前はその道を選ぶんだな。なら俺も進むべき道に進むよ。お前よりは躊躇うがな。」

と独り言の憎まれ口を言った。

ーーー腐り姫処刑まで、後15分。

ーーーーーーーーー

「腐り姫√A」

「ーーーはっーはっーーはっーーはっーー」

走る。走る。走る。息が切れそうになる。けどひたすら走る。

後、距離にして200m。届く。届く。あの子を止められる。

「今度こそ」、俺は助けてあげられる。

「ーーーお待ちなさい。」

声が上がる。それは聞いた声であった。

「ーーーッ」頭痛がする。

鳴り止まない頭痛が痛くて、何故か悲しくて、何故か辛かった。

「あなたはこの子を本当に助けようと言うの?」

「ーーーああ、俺はあの目を見て誓ったんだ。」

そう、絶望したあの目。

友健に聞いた話だと処刑が行われる寸前まで、

牢屋の中でも、辛い拷問。強姦を行ったという。

そのせいからか、あの目には灯火が宿ってなかった。


「それはおかしなことです。あなたは、この処刑を誰よりも喜んでいたじゃないですか?」

ーーああ、前の俺はそうだったのか。

だとしたら虫唾が走る。

ーーーー失せろ、過去の亡霊。

俺は、「今の」俺で生きる。

「今の俺は、そうは思えない。」

「そう…本当に変わられてしまったのね…。なら

あなたはこの国の裏切り者です。さあ、この剣を構えなさい。」

相手が剣を投げ、剣を構える。

ザ、ザ、ザザザーー。ノイズが走る。その構え方が…何かに…

「咎 家、亡き姉の代を継ぐ 7代目当主「咎 麗華」 が相手になろう!!」

ーー処刑まで後10分。


姉はとても無邪気な方でした。剣の才能もあり、あの人といつも肩を並べあって、いえ…張り合っていましたね。そして貴方があの戦いで最後になるはずだった。

戦いの前に「あっ、私と◼◼◼結婚するから!宜しく~」と軽く言っていましたね。

私いえ、家全体が驚きましたがその反応を見て貴方はけたけたと笑っていましたね。

その笑顔が。向日葵のようで…。けど…その向日葵はしょせん花は花でした。花はいずれ枯れるものなのです。

「さあ、剣を構えろ!裏切り者。」


「ーーーーーーーーッ!」

ーー鋭い頭痛が走る。痛みで吐き出しそうだ。

体が「この子とは戦わないで」と叫んでいる。喚いている。

俺はこの子の何かを知っている。 そしてあの少女も

けど、裏切り者となったオレには、話してくれないだろう。そして俺も聞くつもりはない。過去の俺はもう捨てた身。この頭痛は過去の自分を捨てた代償だ。と踏み切る。

頭を抑えながら剣を構える。サスペンスドラマに出てきそうな犯人のナイフみたいな構えになってしまっている。

ーーーこれじゃあ、ダメだ。

「ーーせい!」、と剣をいきなり突き刺して来た。

何とか防ぐ。防ぐというよりかよろけたの方が正しいだろう。

「なんですかそのふざけた構えは!」

全くだ。だが、俺はこの子の太刀筋を知っている。

ーーーそれは何度も渡り合った剣。何度も、何度も、何度も、何度も、

ーーああ、そうかさっきのはよろけたのではなく。

体が勝手に動いたのだ。

初太刀がわかる剣なぞ、剣ではなし。

故に、わかる。この剣はその劣化版ということに。

ーーこの剣は、そんな柔なものでは無い。

「ーーーッ!!何…」

その実力さは圧倒的。

鉄と鉄がぶつかり合う音はすぐに途絶えた。

すなわち決着。

彼女から剣が抜け落ちる。そして俺は剣を彼女に向けた。

チェックメイトだ。

「…やはり。かなわないか…。私は姉とは違う。弱い。その故の敗北。さあ、その剣を振り下ろし、私を殺すがいい。」

彼女の膝が震えている。覚悟と恐怖が矛盾している。

彼女は当主としての役目を果たそうとしているのだ。そんな姿をどこか…。

ーーー俺は、自然と涙が出た。なぜ…泣いているんだろうか?

殺すことはわかっていた。でも…。

「悲しいか?悲しいことならば、捨ててしまえばすぐに悲しみなど終わる。悲しみとはそういうものだ。さあ早く…」

「ダメだ。君は生きるべきだ。君にはまだ当主という役目があるんだろう?なら、君は多くの人を導き正しいていけばいい。

ーーーだから、これで許せ。これで俺と会った君は死んだ。」

鞘で軽く首筋を叩く峰打ち。気絶するが怪我にはなりにくい攻撃だった。

ーーええ、さようなら見知らぬ人。今度は本当の敵として会いましょう。

でも最後に、義兄としての感謝をしてあなたを忘れます。だから、これをポケットにーー。

このたった1つの想いが残らないとしても

意識がもう持たない。お姉ちゃん、人はやっぱり本質は変わらないのですね。

ーーー処刑まで後1分。

もう時間がない。処刑人が剣を構え始めている。

周囲の人が邪魔して進めない。

処刑まで後30秒

ーーついに、ついた。

が、鍵がかかって開けられない。ここを開けたら到達出来る。

ポケットから何がが落ちた。それは鍵。

一か八かで試す。

ーー開いた。

いつ、誰が入れたのかわからないが助かった。

処刑人は中に人が入ったことを焦って隙が出来ている。それを見逃さず、鞘の方で殴る。

「悪いね…この子は貰うよ。」

多くのものを捨て、彼女に辿り着いた。

手を伸ばす。彼女は少し驚いた顔をして、俺の手を取った。

腐り姫 結


次章予告


昔、昔のお話です。


7つの国が争いを始めました。


その時です。7人の巫女がこの地に降り立ちました。


ある巫女は歌で、ある巫女は(仮面)ペルソナで、

7人の巫女は様々な方法で争いを止めました。


そして、その巫女達を信仰の対象として崇めました。

ザ、ザザザーーザザザーーー。

ノイズが走る。

「世界に巫女は1人だけでいい。」

「そのためなら、たとえ妹であろうとコロスと?」

「ーーーああ」

「そうか、裏切り者め、7人にも数えられなかった。呪いの巫女よ。」

はじめまして。

pixivにずっと上げていたんですけど。

今回は実験的な感じにこっちの方に投稿してみました。

一次創作でpixivはきついなと思ったので

こっちで反響かなんかあったら続編は一章だけですが出来てるので、まあ気軽に呼んでください。

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