鎧
文才のないゴミが書いた作品です。
期待しないでください。
この世界には、数は少ないが動く鎧と呼ばれるものが存在する。
動く鎧には、高い知能を持ったものや、魔術を使うもの、酷く残酷なものが存在する。
そして、全ての動く鎧に共通することがある。
それは、動く鎧が倒した相手の装備を奪うことでもあるが、こちらはこの世界では重要視されてはいない。
重要視されているのは、鎧人の落とす武具、防具全てが優秀なものであることである。
ゆえに動く鎧は、太古から狩られ、数を減らした。
だが、動く鎧が何処から現れ、そしてなぜ動くのか、誰も知らない。
俺はクエスターだった。
名もない最底辺のクエスターだった。
いつもダンジョンの入り口付近で雑魚どもを少し倒し、宵越しの金を得る。そんな生活を送っていた。
だが今日、俺は死んだ。
油断していた。少しダンジョンの奥に入った。周りの確認を怠った。
だから死んだ。
死んだ。
死んだ。
と思ったがが、
意識がある、身体は動かせないが、はっきりとした意識がある。
なぜかはわからない。
だが、俺は生きている!
喜びが溢れるが、意識があっても立ち姿勢から身体が動かない。声も出せない。
このままでは魔物に襲われる。そう思い、何度も身体を動かそうとしてみるが動かない。
何度も繰り返していると、複数の足音が聞こえてきた。
ゴブリンだ
不味い、ゴブリンは俺がいつも狩っていた魔物だが、身体が動かない今では立ち向かう術がない。
あぁ、せっかく拾った命もここで終わりかと思い、目を閉じ痛みに備える。
だが、予想していた激痛は来ることはなかった。
ゴブリン達は俺を通り過ぎていったようだ。
理由は分からないが幸運だ。
だがやはり、身体は動かせない。
何度も繰り返し身体動かそうとしているうちに足音が聞こえてきた。
素足の音ではない!人だ!
足音から判断するに2人はいるだろう。
喜びが再び溢れる。
だが同時に素足の音が聞こえる。ゴブリンだろうが、ゴブリンは弱い。
それにダンジョンに入るのは、クエスターだけである。
どんな底辺クエスターでもゴブリンに負けることはほとんどない。
ましてや2人のクエスターがいるのだ、負けることはない。
そうだ俺は助かる!
目の前で戦闘が始まる。
クエスターも熟練者ではないが、ゴブリンは無抵抗のまま切り裂かれていく。
助かった。 そう思った。
だがクエスター達は、助ける素振りすら見せない。
おかしい、いくらなんでも人がいるんだ、話しかけもしないのか⁉︎
そう思っているとクエスターの片方が驚愕の表情でこちらを見た。
「おい!動く鎧じゃねーか!早く逃げねーと!」
動く鎧⁉︎ 不味い、俺も早く逃げなければ!
そう思うが、もう片方のクエスターが余裕の表情で
「そうか、お前はここのダンジョン初めてだったんだな。この動く鎧は動かねーんだよ」
そう、俺を指してそう言った。
理解が追いつかない
俺は人間であり、魔物ではない。動く鎧ではない。
だが、このクエスターは俺を指して動く鎧だと言った。
どういうことだ?
俺は人間、人間のはず、いや人間だ!
そんな俺の叫びも、クエスターには聞こえないようで
「そんなら、こいつ持ち帰ってカネにしようぜ!高く売れるぞ!」
「ハッ、無理無理この鎧異常に重いんだよ、持って帰れねーよ」
などとこちらを見て、話している。
俺は動く鎧になったのだろう。
なぜ?と考えるよりも、このクエスター達に俺が人間だということを伝えたい。
俺は人間だ!
と叫ぶが、クエスター達には聞こえない。
何度も繰り返し叫ぶ、だが、反応は返ってこない。
そしてクエスター達はその場を去っていった。
あぁ
よくわからないが冷静になった。
あぁ
俺は魔物に
俺は動く鎧になってしまったようだ。