ごめんなさい5
次に起きたのは朝の4時だった。
今なら誰も起きてないはずと思い僕はリビングへ降りた。
ガチャ………キーー……
「誰もいない」
僕の予想は当たりリビングへと入った。
バタンっ
冷蔵庫を開けて食べ物をとり、弁当も作る。
出来たら昨日そのまま寝てしまって入れなかったお風呂へと行く。
ガラガラ
「お湯……はってる」
僕は包帯を全て除けてゴミ箱に捨てた。
ザーーザーー
「……傷…増えてきた」
とりあえずお湯には浸からずそのまま出た。
1階でやらないと行けない事は済ませ、2階へ上がった
ガチャ………バタンっ
自分の部屋に戻ると僕は小さいテレビをつけた。
お姉ちゃんの使っていたテレビ。
「ニュースしかやってない……」
《続いてのニュースです。昨日夜9時頃ひき逃げ事件が起きました。場所は***県**市の***です。》
「え?光の塾に近い場所?」
その瞬間僕は不安に包まれた。
《ひき逃げの犯人は捕まっておらず、警察が調査しています。被害者は全身を強く打ち即死とのこと、被害者は***中学2年生》
それ以上聞きたくない……僕はそう思うがテレビを消さなかった。
《桜田光さんです。》
昨日の悪い予感は的中していた。
僕は叫びそうになったが押し殺した。
僕はテレビを消し、光の家に学校の荷物を持って走って行った。
ガチャ!
「光…光…嘘だ…死んでるはずない…絶対…生きてる…死んでなんかない……」
僕は光の家に着くとインターホンを鳴らした。
ピンポーン
《はい、どちら様でしょうか……》
「優夜です、光君は!?」
《……部屋で話すね……》
ガチャ
光のお母さんが出てきた。
「いらっしゃい…光は……」
お母さんは目がすごく晴れていてやつれていた。
「死んでないですよね?嘘ですよね?」
泣きそうになって必死で止めた。
「とりあえず中に入って……」
声が明らかに震えていた。
「おじゃまします。」
リビングの机に案内され僕は椅子に座った
「これから話すことは真実だから……ね…昨日…ひき逃げ事件…が起きたの…犯人は捕まって…ないけど、ひき逃げの被害者は……光なのぐずっ」泣
「嘘だじゃ…ないの…か…」
僕は止めていた涙が溢れてきた。
「これ、光のバックにあったの。」
それは、綺麗に包まれている袋。メッセージカードに書いてるのは
《お誕生おめでとう優夜》
「誕生日プレゼントをあの子は買って帰ってくる途中だったの…よ…」
誕生日は数週間後。僕は優夜にいつも言われて気づいていた。誕生日なんかついさっきまで忘れていた。
「光……!」
「受け取ってあげて…光の最後の願い…何じゃない?」
お母さんは僕に手渡した。
「はい、ありがとうございます」泣
「ほら、もうこんな時間よ…行きなさい…お通夜は明日は行うから…ね」
時刻は7:43だった。
「はい、おじゃましました。」
僕は涙を拭いて学校に向かった。