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神在月  作者: 道成
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現身作成

目を開くとそこは暗く、蒼い世界だった。

上にも下にも、夜空の星の様な輝きが散りばめられ微かな明かりを灯している。


目の前には下着一枚だけの男が直立姿勢で立っていて、そこだけがはっきりと明るくなっている。

神在月はプレイヤーが操作するキャラクターのこと現身と呼ぶらしい。

見たところファンタジーにおけるHFO(Human Fighter Otoko)身長体重平均の平均といった作りだ。

現身の操作は自分の身体を動かしても対応して動いてくれるし、思考入力にも対応しているため、動きを思い浮かべればその通り動いてくれるがこれはなかなか操作が難しい。

視界の端にはそれぞれのパーツに対応した数値やキーワードが浮かんでいてかなり細部まで弄れるようだ。

とりあえず忘れないうちに祝に頼まれてた通り後衛職を選択しておく。

性別は男のままで身長は高くして、後衛予定だし身体はうっすくするかなーと考えながら筋肉や脂肪を減らしていく。

長身細身といったイメージの元に体型を整えるが、ちょっと腹筋欲しいかもとオトコゴコロが首をもたげ、うっすらと割れる程度まで筋肉量を増やす。

髪の毛は肩にかかるぐらいのちょい癖っ毛にしてちゃらくちゃらくーと考えながら調整していく。

やばいこれ時間泥棒な奴だと気がついた時には就寝時間を軽く過ぎていて作業を中断した。

明日は操作練習辿り着けるといいなーと布団に潜り込む。


肌や髪の色、瞳のサイズや眉の調整など結局納得のいく仕上がりになったのは一週間後だった。

祝からは「現身作成で燃え尽きないでくれよー」と笑われてしまう始末だ。


完成した現身を目の前に移動させ色々身体を動かしてみる。

思考入力で動かしてるため、まだまだ動きはぎこちない。

現身の外観は長身白髪黒い肌に刺青っぽい模様を刻んでいる。線は細くしたけど自分の中のオトコゴコロを尊重し筋肉はつけておいた。

耳は尖らせて前髪は片目にちょいかかる感じ、瞳の色は金と赤のオッドアイといかにも中二病っぽい仕上がりになったが、折角だしカッコイイ外装を作りたかったので仕方ない。

人外っぽい外装も作れたが耳とか尻尾とか操作が難しそうだったので速攻諦めてしまった。

満足する仕上がりになったので登録をしようとしたが、登録の実行が出来ずエラー音が鳴る。


「必須項目、『名前』が未入力となっています」


システムメッセージだろう女の声が響くとともに視界内のチャットウィンドウに文字が浮かび名前入力欄が赤くなる。

現身の作成に夢中で名前とか考えていなかった呆然とした。

姓名と愛称の入力を求められたが、愛称のみが必須だったためとりあえず愛称のみを入力することにする。

姓名は後からでも設定できるようなので必要なら後で考えようということだ。

愛称欄に目線を向け思考入力を行う。


「インクナビュラ」


気合いを入れすぎて思わず声にも出てしまったが、愛称を入力し今度こそと登録を実行すると目の前に浮かんでいた現身が、消える。

かわりに灰色のフードを目深に被った女が現れる。フードが影になり口元しか見えない。

顔を覗こうとしても口元しか見えないため、そういう設定になっているのだろう。

やっとオープニングイベントまで辿り着いたかと感動していると、女が口を開いた。


「ようこそ神在月へ。私の名はキク。新しき神インクナビュラ、貴方を歓迎します。古き世界の欠片を束ね、貴方が創世神へと至りますように」


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