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彼は、自分の退屈な世界の日常を抜け出したかった。


何の変わりもない、何時もの淡々とした高校に通い平和で平凡で退屈な一日の幕が今日も開ける、と彼はそう思っていた。

何時も通りに体内時計が正常に働き朝明けを知らせる。起きようとする意志とまだ寝ていたいと訴える怠惰な意志のぶつかり合い、そして暫くしてようやく眠りから覚めた。眠気に耐えまた何時も通りの日課の体操をしようとして、何の前触れも無く彼に突如、苦痛が襲った。


「ガァ……ッ…ッ」


苦悶に歪めた顔で呻き声を上げて胸の上に手を掴み寝巻がこれでもかと食い込むほど握り締める。まるで心臓を直接手で握り締められたような痛み、他にどう表現したらいいのか分からない為彼はそう例えた。


彼は苦しみと混乱の中、ある文字が脳裡をよぎり確固たる確信がいった。何故だかは分からないがそう勘ぐると納得ができた。まるで解けなかった問題がヒントによりスームズに答えが出るように——自分はもうすぐ死ぬのだと得心がいく。

人は何れ死ぬ、彼自身それは理解していたがまったく予想だにしていない原因不明の状態に急に陥ったのは何の変哲もない短い人並みの人生をおくってきた彼には——堪らなく心が躍った。


「ぐぅ、はぁ…は……つッ」


苦痛に表情を歪めながらも何処か満足感がある苦笑を浮かべていた。


彼は思っていた、このまま腐りながら面白みのないこの世の中を生きていくと。

彼は求めていた、少しでも平凡とは違う常軌を逸した事件との出会いを。

彼は願っていた、こんなつまらない自分の世界を打ち壊してくれるイベントを。


しかし現実はこうだった。何もせずに、何もなく、何にも得れないまま、人生を無駄に過ごしそして今短い生涯に終止符を打とうとしている。

だがこれで良かったっと彼は思う。少なからず後悔はあるけれど、この退廃に晒されてる世の中で生きていたくなかった。


時たまに嫌気になって自害をしようと本気でやろうとしても、最後にどうしても迷いが生まれ終いには必ず止めてしまう。自決する覚悟はどうしても根本的な死の恐怖によって簡単に折れてしまうのだ。だからこそ、この突如発生した原因不明の死苦を恨めしいと思うのと同時に良かったと彼は思い至った。


目の前が暗くなり意識が朦朧としていく。いよいよもって死期がもうすぐそこに迫っているのを感じた。幽霊になるのかそれとも死神に会うのか、他界した後それでもまだ自我と言う名の個が残っているのならそういうイベントに遭遇してみたいな、と今生の微かな望みを抱きながら彼は静かに瞼を閉じ息を引き取った。







(で、俺は死んだ筈なんだけど……)


彼は死亡した、間違いなく死去した。だが彼にはちゃんと意識があり人格を保っており精神状態に何ら異常はなく問題ないが体に異常があった。


体が透けて見え半透明・・・なっている。


(どうなってるんだこれ!?)


余りにも非常識的な状態になっている自分の体を隈なく触ってみるが感触があるだけで圧力はまるで感じずまるで中身のない空っぽような、彼自身例えようの無い奇妙な感覚の自分の状態に興奮と動揺に感情が包まれ思考が混雑する。


(いや、そんな事よりも……)


が、それも一時だけ。自分の身に起きたそんな些細な・・・問題よりも彼が深々と度肝を抜かれていたものに改めて今度は冷静に目を向けようと一旦目を閉じ気持ちを落ち着かせる。深呼吸をして呼吸を一定に整える。

大分混乱していたた思考が不思議なほど落ち着いた。しかしこんな訳の分からない状況なのに本の少し時が過ぎる度に、臓器や中身の無い筈の体で高まる彼の胸の鼓動。


ワクワクしている。何せ本当にお釣りが来るほど、彼の長年思い続けた望みが叶えれるのかもしれないのだから。決心がつき改めて視界を体から離し、顔を上げた先に映るは——広遠な・・・水面と大空の境界線・・・・・・・・


「すげぇ……っ!」


無意識に彼は感動の言葉を口にした。彼の知っている言葉ではとても表現しきれない、視界に全てを映す事は不可能な程の遥か彼方、もしくは無限に続くのではないかという水平線の絶景。

今まで見た物、体感した事、己の人生で得た何よりも絶対に勝るものは無い美しい光景と巨大なスケールに圧倒される。


(現実……だよな)


望んでいたとはいえあまりにも超越した現実が突如目の前に現れたのだ。夢だと疑っても仕方がない。

だが確な意識があり感覚がある事を、正確に認識しているのを彼は自覚している。

夢とか幻覚とかそんなチャチなもんじゃない、もっと大きな、言葉では表せない片鱗を今現在味わっているのだと彼は感じた。


(ああそうだ。妄想や空想でもない、現実だ)


そう思ったのと同時に湧き立つ期待感と高揚感が彼の器を溢れんとばかり満ちていく。


「お気に召したかい若人君?」

「——ッ!?」


無い筈の心臓が大きく脈を打った錯覚を感じながらばっとすぐさま後ろに振り返る。己以外誰も居なかった筈なのに不意に後ろから声を掛けられれば驚くのも無理はない。


「……Web小説とかライトノベル知識だけど、こういうの幼女か爺さんとかがって相場が決まってるんですが予想斜めの超イケメンとは」


彼が持つサブカルチャー系の知識からこの状況に似通っているモノがあった。現実リアル空想フィクションはまったく違う、だがこの後の展開はなんとなく予想できた。

 

声からして男性だと分かっていたが、予想斜めにいく美形の男性が水面に浮かんでいた。


「ほほう、中々現代のゆとり世代とは思えない落ち着きと胆の太さだ」


男性を容姿は、煌めく銀色の髪でこめかみ辺りから伸びる髪の長さが左右共に違う髪型をしており長さの違いは右側が耳辺りで左側の方は顎に届く長さでそこだけ黒色に染まっているのが特徴。

そして美形と知らしめる整った顔。眉目秀麗と言う四字熟語があるがまるでその言葉はこの超イケメンの為に用意され体現された姿なのではないのだろうかと連想させる。


体をスッポリ覆い留め具が大きく裏地が黄色い深い黒色の襟立てたマントを着用。その為外見から体を考察するのは難しく彼には全く分からないが、何故か容易に鍛えられた体だろうと想像ができた。


(外見が完璧すぎるだろ。全国の哀れでモテない全男性達の悲しき嫉妬と怒りを買わせるだろうなー、俺もそこそこ良い方だけどこれは嫉妬しても悪くない。容姿をそこまで気にしない俺がちょっとイラっと来ても悪くない)


謎の超イケメンの突然の登場に困惑していた彼だったが色々と恵まれ過ぎな超イケメンに対し少なからずも嫉妬の念が込み上がるが仕方がない。モテない人生を過ごしてきた男のさがである。


「うーん、残念。九十九人中九人ぐらいはお前と似たような事を言ってきたよ」

「そう、ですか……ん? 九十九人中? 同じ事? もしかして、俺以外にもここに来た奴等が居るん、ですか?」


超イケメンの返答に疑問を抱いたは彼は話しを伺う。


「まあね。お前でちょうど百人目だよ」

「……てことはアンタ、俺以外にも人を殺したのか?」

「うん」


あの苦痛の末、死んだという現実を押し付けられようがそれはもう彼自身すで受け入れてるし状況から自分が死んだ原因の主犯格はこの超イケメンである可能性が高い。

毎日続く退屈な日常の檻を破ってくれた事、そして壮大で素晴らしいこの世界に連れてきてくれた事には感謝感激雨あられ。今もまだ冷める事のない楽しいという暖かい気持ちが、高揚する気持ちがある。


だが百人者の人を殺めたとは思えない、まるで虫けらをただ潰したような軽い一言の発言に警戒の色を強めずにはいられなかった。


「随分と正直だなおい。Web小説とかその手の創作物の知識だと自分の都合の為に大体ミスってやっちゃったとか、ワザとだぜテヘペロって感じで誤魔化して嘘を吐くのかと」

「ハハハ、まあまあ珍しく面白い事を言う若人だ。そんな馬鹿な真似はしないよ。私は自分の目的を達する為に彼等を問答無用で殺しお前も殺した、紛れもない事実だ」

「……何故? できるんなら理由をお聞かせ願いたいのですが」


彼は問い掛け次の返事を待つ。恐らく超イケメンの言っている事は本当なんだろうと今の所はそう納得する事にした。見抜く事とか本質を見極める等の上等な技術は彼には無いが、何か凄みを感じた。

それに疑っても分からないし理由を聞いてからでも遅くはないだろう。そして彼は彼なりの今持てる知識と情報でできる限りこの状況を推測する。


(とりあえずは信じるとして、じゃあ一体あいつは何が目的か。


一つめは俺と同じような暇を持て余しているから異世界に居る俺やその他をわざわざ殺してWeb小説の王道チート的な能力を授けて異世界に送り見て楽しむ傍観者、か。


二つめは特に理由なく遊び心で殺したけど世界のバランスの調整とかか閻魔様のお叱りが怖いから生き返らせる為か。


三つめは重大な何かを隠していて真実を伝えず異世界に送り犠牲を払う的な、主に魔王が強すぎ無理百人チート化して何とか倒せるやつか。


個人的には一つ目であってほしいよ、此処に連れて来られた事には感謝はあるけどめんどくさい事情を背負う程の情は俺にはねえぞ。にしても沈黙が長過ぎね? あれから何分経った? 静寂が妙に怖いんだけど)


長く推測を続けたが待てど待てどいつ何時までも帰ってこない返事。代わりに返ってくる沈黙に嫌な胸騒ぎを感じてしまい一旦思考を打ち切る。超イケメンは真剣に考えるように目を閉じ顔を顰めて考える仕草をとる。何か気に障る事でも言ったのだろうかと彼の背筋に緊張が奔る。

暫しの静寂、そしてについに超イケメンの口が開き出た返事は、


「……うーん自分の責務なのは分かってるんだけど何度も同じ説明や受け応えがメンドクサイ事この上ないなー」

「………」


ジト目で今までの長い沈黙は何だったのかと訴えるよう睨み付ける彼。


「はいはいそんな可愛くも無いジト目をしなさるな、ちゃんと説明するよ。何度も同じ説明をしているから簡潔に言うとお前等を私の住む異世界に召喚して自由に過ごしてドンパチやって欲しいのだ」

「ドンパチやって欲しい?」


彼の呟きを肯定するように頷く超イケメン。


「うん。私もこれでも人間だけれど結構長生きしててね、常に暇で暇で楽しみに飢えてるんだよ。だから時たまに私の住んでいる世界で企画を開催して良い刺激をもらっているんだけど、そろそろマンネリ化して飽きてきたから新しい企画を始めようと思ったんだ」

「簡単に人を殺せる奴だからどうせ傍迷惑な企画なんでしょうね」

「さてどうかな~」


茶化しながら話に区切りを入れて話を続ける。


「その企画は別世界に居る何の力も持たないお前達に力を与えて私の住まう世界にご招待というお前等の世界で言う定番な王道Web小説ものだ。連れて来るにはまず魂を繋ぐ肉体を殺してここに連れて来るまでの過程はかなりめんどくさかったけど」

「外道ですねおい」

「不定はしないよ。どうぞ勝手に蔑むなさいな、負け犬の遠吠え並みに下らなく鬱陶しい」


最後、本音を吐き捨てるように今までにない棘のある声にちょっと怖気づく彼。何かあったのだろうかと勘繰るも気にしない事にして次の話題に移る。


「で、てことはあれか? 平たく言うと俺はあなた様からチートな力を与えてくださり俺はその力を持ってどうぞお好きなように自由に異世界を堪能すればいいんだな」

「そういう事」


彼なりに解釈し理解した。推測に合った様なめんどくさい事情はないと分かったので一安心していると、指パッチンで音を鳴らす超イケメン。刹那、彼の周りに輝く大きな円が複数出現し彼を取り囲んで廻る。


「うおォ!?」

「今からお前を異世界に送る。覚悟はいいか!」


突然目の前で起こった新たな神秘的な現象に彼の驚愕した声が上げた。

超イケメンが柏手を一つ打ち、彼を囲んでいた円が巡回する速度を上がり続ける度に輝く光りが増していく。急にトントン拍子で何やら事を始める超イケメンの勢いに困惑する。


「ハアッ!? ちょっ急過ぎるだろ! 今から!?」

「今からだ! 正直な話……もう家に返って寝たいからさっさと終わらしたいんだよ」

「なんだそのダメ人間のような理由は!」

「ダメ人間とは失敬な、お前等だって一週間徹夜で過ごしたら爆睡だろ? 今の私はそんな状態に近い」

「そこまで徹夜した事無いし死ぬわ! てかアンタさっき責務とかなんとかほざいてなかった!?」

「細かい事は気にするな、お前の与えるチート能力は私が勝手に決めるから!」

「おい、待てって本当に! チート能力自分で決めれないのは惜しいけどまだ心の準備が……!」


彼に反論の余地無し、抗議し続けるも勝手に事を進める超イケメン。次第に円が収束し彼の中に吸い寄せられるかのように完全に取り込まれた瞬間、


「ふぁあ~、それじゃ楽しんできたまえ。平凡から切り離された若人君――永瀬零戦ながせれいせん

「——ッ!」


水平線に水飛沫の花が立つ。今まで水面に浮いてた筈がまるで浮力が一瞬にしてかき消され重力に従うように彼は深い水底に沈み、そして為されるがまま水に洗い流される感覚を味わう。


(もがもががあっ! んん~ぐっ………ん?)


口から耳や鼻から、彼の体内に水が入ってきた時はパニックになりジタバタと藻掻いたものの、すぐに彼は苦しくない事に気づいた。

寧ろ心地良い感覚だ、意識が闇に包み込まれ水が体中に入り支配されるのに怯えるのではなく、母に抱かれる赤子のような安心を感じさせる。

さっきまでの自分が洗い流され、生まれ変わるような感覚に不快感はない、自然とリラックスしてそのまま身を委ね瞼を閉じ、


「あ、ごめんミスった☆」


意識を闇に手放した。







クレーター状の窪みの中心に何かが生えている、いや、その“何か”は人ならば誰もが知っているのだが余りにも理解しがたい状態で生えてる為明細に記していいのか判断しがたい。

あえて遠回さず直球で表現するならば、土や砂埃で汚れたボロボロの衣服を着た人間の下半身がクレ・・・・・・・・・ーターの中心に生え・・・・・・・・・ていた・・・


まるでギャグをそのまま絵にしたあまりにも奇妙な光景に常人から見れば十中八九こう思うだろう。


——何これ?


だが何故こうなっているのかはともかく正体はすぐ分かる。土の中はやはり狭苦しいのかフルフルと身悶えする下半身が足を地面につけて踏ん張り必死に地面から上半身を抜こうとバタバタ足掻く。事情を知っているものでも滑稽に見えてしまう。

そしてやっとの事、ぶはっと声と共に砕けた細かい土と共に勢いよく上半身が地上に姿を現した。


「ぷはっうえっぺっ! ゲホッにゃろぺっッ! 死ぬかとうぇっ! クソ土が口に、うぅっぺッ!」


土に埋もれてた際に土や砂を口内に含んでしまったようでぺっぺっと口内から吐き出す。


「すぅーはぁー、すうーはあー、ぐじゅぅぺッ! まだ残るっプッぺッ」


酸欠状態でもあったのか必死に肺に酸素を補充しようと深呼吸を繰り返す。だがまだ土や砂が口内に残るのか唾液を絞り水の代わりにうがいしてまた吐き出す。

それを忙しく何度も繰り返して多少は不快感が残るもの口内から大方除去できたので今は仕方なし、含んでいた時より明らかにマシになったのだから。


「ふぅ~~……やっと楽になったわ~」


首を左右に小刻みに動かし頭にも付着した土を払い除ける。

天から降り注ぐ太陽光が艶やかな黒髪を照らし土汚れにも負け劣らせず独特の光沢が煌めく。細い絹のような長髪を靡かせる美々しい情景は一種の芸術、もしも他に人が居て一見すれば常人には忽ち目を奪われていただろう。


「ったく、なんで異世界到着真っ先に死にかけるだよ、序盤がこれじゃ後先大変だなぁ、と」


愚痴を吐き身の回りに付いた土埃をはたきながら立ち上がる。共にボロボロの衣服をはち切らんとばかりに揺れるたわわな胸の果実。豊満な果実につり合う長身の背丈にほど良い肉付きの肢体を表に露わにし所々破れた衣服によって背徳感と嗜虐心を擽る。

男を魅了する立派な実とそれ見合った土壌を持つスタイル抜群の少女の身体が先程まで無様に埋まっていたのかと思うと、何か残念な香りを漂わせる。


「ほいっと」


少女が掛け声と共にクレーター状の窪みから地上まで数メートルもある大して力みもせずに跳躍し地上に着地する。跳躍した際や些細な動作で揺れる乳袋は異性には大変眼福です。


「ふぅ~~…………」


深く息を吐く。そしてついに長髪に隠れた容貌が明らかになる。パッチリした黒い瞳、すらっと伸びた鼻筋、ぷるんとした唇、幼気さを残す少女なわりに大人びた顔立ち、まさしく全貌すべてが美少女と呼ばれるにふさわしい女性だった。


「……………」


瞑想するかのように天に仰ぐように顔を上げる。その様子はまるで、受け入れがたい“重い何か”を受け止め、悟りを開いた心をそのまま実態に露わにした姿のように映る。余計な邪魔をしてはならない、そう感じさせる静寂が彼女の空間を包む。


(さて……いっちょ鬱憤晴らしに溜まっていたものを吐き出すかね……)


しかし、その美少女が先程まで土に埋まっていたありさまがありさまなで衣類ボロボロ汚れ塗れの格好というのが酷く残念にも映る。

すぅっと先の深呼吸にも勝る様で肺にゆっくりと空気を一杯送る姿ですら絵にもなる彼女にさらに贅沢をつけるならば——


召喚主イケメンヤロウ——俺の男の象徴の金玉とち○こを返せや! 男に戻せやボケェ! この体ムチムチひゅんひゅんで気色悪いじゃゴラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!」


彼女が元は『男』ではなく『女』でいてほしかった、という所だろう。

先程までの落ち着いた表情から一変、墳怒に染めた顔で自分は男ですと天を突き抜ける下品で罵声な絶叫が静寂の空間に轟く!




彼は、永瀬 零戦は確かに元は純粋に紛うことなき男性であった。平凡な容姿に平穏で退屈な日常に毎日飽きながら生きていく、筈だった。

だが何の運命か、誰かの悪戯か、それとも召喚主のミスか、はたまたその星の下に生まれた定めか、絶世の容貌にしてナイスバディな彼女からだの少女にして文字通り生まれ変わっていたのだ!


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