第四話「錬金術」
一週間に一回更新とか言ってたら一週間なんてあっという間だった。
年末は忙しさが異常;;
いじょうの結果、ごめんなさい、すごく短くなりました。次回はもう少し長くできたらいいな;
温かい目で見守ってやってください。
お気に入り登録が結構増えてた!ありがとうございます!!でも一人増えるごとに心臓止まるかと思ったじゃないか;
両親や使用人が俺に歩き方の練習をさせ始めたので、俺はようやく歩けるようになった。
いや、正確に言えばもう少し前から歩けるような気はしていたが、この世界の赤ん坊の歩き出す時期がわからない現状で、いきなりひとりで歩き回るなんて迂闊なことはできない。
けれど両親たちが練習を始めさせたとなれば話は別である。
きっと世間一般的に歩くための訓練を始めさせる時期なのだろう。
だとすればあとは鮮やかに歩いて見せれば、俺はほかの子供よりも少し早く歩くことができるようになったそこそこ優秀な子供という扱いになるはずだ。
「ほらこっちよ、こっちにいらっしゃい、愛しの坊や」
「ほ~ら、こっちだぞ~、こっちにくるんだ、我が子よ」
両親がそれぞれ俺を呼んでいるが、俺はよちよちと母上の方に歩んでいく。
念のため言っておくが、最初に母上の方に向かったことに他意はない。
呼んでいるのがイケメンと美女だったら選ぶのは比べるまでもなく美……ゲフンゲフン、他意はない。
それにしてもこのごわっごわのオムツ何とかならないだろうか?ものすっごく歩きにくいんだが……。
「よ~し、いい子ね~ちゃんとここまで歩けたね~」
父上に向けて勝ち誇ったような笑みでちらりと目をやり、目の前まで来た俺を抱き上げる母上。
「…………」
はい、はい、わかってますよ。
執拗に抱きつき攻撃を繰り出す母上からはなれ、絶望のポーズを取っている父のもとへと歩み寄る。
「おお、私のところにも来てくれたのか?けれど、私より母上を優先するなんて……なんてお前は優しいんだ!さすがは我が子。でも、やっぱり最後に来るのは私のところだよなぁ~なんといっても父上だからなぁ~」
顔面がメルトダウンを起こしそうな父上は母上の方をちらりと見てフフンとご機嫌に鼻を鳴らす。
「…………」
親バカップルは今日も健在です。
さて、割とどうでもいい話は置いておいて本題に入ろう。
歩けるようになって行動範囲が増えた俺は、飛躍的にこの世界のことを把握していくことになる。
まずは、魔法だ。
この世界の魔法は俺の想像していたよりも万能だった。
主だったものをあげると室内の照明から、風呂のお湯、汚物の浄化に至るまでめんどくさいことはほとんど魔法(まぁ、純粋に魔法というわけではなく、魔法を籠めた魔道具にしたりして使うんだが)。
魔法なんてファンタジーなイメージから、銃火器のような大火力、高威力を主眼にした兵器のような扱いを想像していたんだけど、より生活に密接したもののようだ。
逆に、俺の想像する攻撃魔法(イメージ的には爆発や雷、竜巻など)のほうがこの世界では発展していないようだ。
攻撃魔法が発展していない理由はわからないが、中世という時代にアクション映画のワンシーンのような爆発を想像するのは難しいのかもしれない。
まぁ、俺としては中世の都市の衛生状況を前世の知識で聞きかじっていたので、この誤算は非常に助かった。
それにしても汚物が魔法で土くれに変わるのを見た時は驚いた。
魔法で汚物が土に変わるのをイメージするのだろうが、これだと想像しだいで汚物をカレーに変えられ……るかどうかは全く重要ではないが、無価値のものから高価なものを創ることだって可能になってしまう。
具体的には錬金術と呼ばれるものだ。
何を馬鹿なことをと思うかもしれないが、ここは異世界、それも自分の想像が現実になる世界なのだ。
これをうまく使えば一攫千金のチャンス!!と思ったがよく考えれば俺は公爵家の嫡男という、生まれながらの勝ち組だった。
まぁ、このまま安穏と家の財産を食いつぶしたりする予定は全くなく、むしろ更なる繁栄を望んでいるんだからこの件ももっとよく考えてみようと思う。
なんにせよ、魔法の秘密特訓はこれからも継続すべき課題だな。
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