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第十七話「歴史」

お待たせしました。今回はスペインからお届けします。


ネット環境の悪さと、世界観のわかりやすさ重視のために、あえて少なめでお送りします。詳しい設定も一応は考えているのですが、なるべく簡潔なお話を目指してますので、省きました。

「さてアレス様、今日は歴史の授業です。よろしいですね? 」


「はい、先生。よろしくお願いします」


 この歴史の授業を数回受けてわかったが、この世界の歴史というのは非常に曖昧なものといえる。

 最も古くは、善神と悪神との戦いまで正史として扱われているし、歴史的に何が起こっていたのか全くわかっていない時代もあったりする。

 念のため言っておくと、アウラ先生が悪いわけではない。

 前世と違い、いまだ未発達な部分の多いこの世界では、歴史という学問も、神話や虚実が混在する未発達なものなのだろう。


「ではアレス様、前回までの復習を兼ねて、これまでの歴史の流れを説明してください」


「はい。この世界にはまず、善神と悪神と呼ばれる二神が存在していました。二神は互いに争っていたのですが、悪神のほうがわずかに善神よりも強く、苦戦した善神は悪神を倒すために我々人間を創りました。そして、善神は我々人間の手助けもあり、悪神に打ち勝つことができました」


「そうです。続きをどうぞ」


「はい。その後、善神は我々人間に不飢と長寿などの祝福を与えると、戦いの疲れを癒すために永い眠りにつきました。我々人間は祝福を受け繁栄と平和を謳歌するはずでしたが、それを害する者たちがいましました。彼らは呪われた者たちと呼ばれる、二神の戦いで善神を裏切った者たちです。彼らは子々孫々にいたるまで祝福を受けられず、その身には善神よりつけられた呪いが刻まれています」


「……創造神を裏切った忌々しい汚れた連中です。……さぁ、続きをどうぞ」


 呪われた者たちのことを話す先生の顔は、普段からは想像もできないほど険しいものになっていた。


「……はい。彼ら呪われた者たちは古くから我々を脅かしてきました。我々は善神を信仰する教会の下に団結し、彼らに対抗していますが、呪われた者たちからの侵略の勢いは凄まじく、残念なことに、今までにいくつかの国が奴らに奪われ、滅ぼされてしまっています」


「よろしい。では、今日はそこからの続きですね、彼らの侵攻の勢いは衰えることなく、数年前、また一つの国が滅びました。その国は、善神が眠りについたとされる聖地を擁する国で、教会の本拠地にもなっていましたが、国が滅び、教会はその本拠地を巫女と共にこの国の隣国へと移しました」


「先生、巫女とは? 」


「巫女についてはまだ説明していませんでしたね。どの時代にも教会には4人の巫女がいます。彼女たちは交代で善神へ感謝の祈りを捧げています。善神が眠りについたあとも、我々人間が祝福を受けられるのは彼女たち4人の巫女のおかげです」


 この世界では神からの無償の愛は提供してもらえないらしいな。

 まぁ、俺は最初から疑神暗鬼に陥ってるから神からの祝福とか信用しないけどね。


「さて、これでだいたいの歴史の流れは見えてきたと思いますが、ここからは少し先のお話をしましょう。近々、聖地を奪回するため、教会から各国の王や領主に檄文が発せられます。そうなると、これまでにない規模の大きな戦が起こるでしょう。今までに彼らに奪われた土地を奪還できれば、今後の歴史にも残る出来事になるはずです」


 ふむ、歴史に残るか、これは利用できるかもしれないな。

 前世でいうところの十字軍のようなものだろうか?

 あれも実際にやってたことはともかくとして、参加すれば多大な名誉を得ていたようだし、これは大きなチャンスになりそうだ。



 


 

次回は一週間後予定ですが、もう少し早く更新できるかもしれません。


復讐→復習 ご指摘に感謝です。

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