ドラゴンα星
第二話です。
どうぞ読んでください。
俺は、ドラゴンα星の周りまで、やっと来た。
どうやって星のエネルギーを吸収するのか、かいつまんで説明しよう。
まず、もう普通に、障害物を破壊する。
そのあと、星に近づき、宇宙船のバキューム機でエネルギーを吸収する。
地球に帰還し、エネルギー吸収機に星から取ったエネルギーをぶち込む。
すると、そこから地球全体にエネルギーが供給される。
地球温暖化を少しでも阻止しようとした結果がこれ。周りの星を犠牲にするなんて、地球が人間によって破壊されているのと、ぜんぜん変わってない。
こんなのでいいのか。
じゃあ何でおまえはやってるんだよって話だけど・・・それは別の話だ。
ドラゴンα星・・・これ、恒星なのか? 惑星なのか?
一応、恒星の周りを公転してるとして・・・。
燃えてるんですよ・・・。
これ、惑星か恒星かがまったくわからないので、その辺の報告は、ほうっておくことにした。
そう・・・いちいち、上の人やら幹部やらに報告するんだ。
人間は公平であるべきだけど・・・。そんなこといってたら話にならない。
目上の人ってのはいるもんだ。
隣に座って、沈黙している、ベテルギウス。
後ろに座って、星を見てあぜんとしているアルタイル。
この二人も、ルーキーで、今回がはじめて、ルーキーだけでの任務だ。
「やるか」俺は言った。「バキュームエネルギー起動」
「バキューム照準をセット」バキューム機の穴をのぞきながら、ベテルギウスが言った。「アルタイル、障害物のチェックをしてくれ」
「了解。レーダー起動」アルタイルがレーダーのスイッチを入れて、言った。「バキュームトリガーセット」
アルタイルがトリガー(引き金)に指をかけた。
「発射3秒前」ベテルギウスが言った。かなり緊張している。
「3、2、1・・・スター・イート!」三人で叫んだ。アルタイルがトリガーを引く。
その辺に浮かんでいるチリが、どんどん吸い込まれていく。
でも、ドラゴンα星には何も起こっていない。
黒点っぽいところからプロミネンスが吹き出た。
早くぅ、早くぅ!
俺は心の中でせかす。
プロミネンスが何本も吹き出る。
あれ? 待ってください。これ、恒星だったんですね。
しばらく見ていた。すると・・・。
プロミネンスが、龍の頭に・・・。
羽、足、腕・・・。
「龍だぁぁぁぁっぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」アルタイルが叫んだ。
「何だ・・・これ・・・」ベテルギウスは冷静だ(でも一応びびってる)。
「やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」俺もありったけの声を出して絶叫した。
「龍の形・・・。ドラゴンα星・・・」まだパニック状態だけど、俺は言った。俺にはやっとわかった。
「龍のα星・・・。同じような星たちがいくつも・・・ある・・・のか・・・」ベテルギウスも言った。αがあるってことは、βも、γも、あるんじゃないか・・・。それは、二人ともわかっていた。
「・・・これ・・・なんだこれ・・・うわぁぁぁ・・・」アルタイルは冷静に解析できない。
「グォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォッォオオオオオオオオオッォ!」ドラゴンα星が、すさまじい雄たけびを上げて・・・。
火を噴き・・・。
大きな炎の翼を広げ・・・。
こっちへ向かってきた!
さあ、どうなるんでしょう・・・。
次回も読んでほしいです。