炎の魔盾
(ジョン視点)
「嘘だろ。。」
アイラは消えた。あの赤の魔術師と一緒に。
「おい、フィレーナ、この家とアイラには保護の加護がかかってるんじゃないのか?なんで誘拐されんだよ」
「あ。。あの人は隣の家の人よね。隣の家も一緒の保護魔法の中に入っちゃってる。。。。、あの人はアイラちゃんに物理攻撃は与えてないから、加護は弾き返したりしない」
「お前の加護。。使えなさすぎるだろう。俺にかけたやつは大丈夫なのか?」とフィレーナに詰め寄る。
「大丈夫、それは大丈夫だからガッツリやってもらって良い」
「アイラは何処で炎の魔盾を見つけたんだ?」
「えっと、さっき見えた画面には1kmって書いてあったわね、ここから市場を抜けたぐらいかしら。それと“王”って言いかけたから、王宮じゃないの?」
「いや、アイラは王宮には行った事がない。あいつは地図を見て1発でわかったんだ、だから行ったことがある場所で“王”がつく所。。。。王立図書館だ!」
「お前は黒の騎士団の奴らを連れてこい」
「え?何処にいるの?」
「この氷の魔剣があった武器屋だ。いくらなんでもあんなに安く剣を売るわけない。店主は俺だってわかってたんだ」
俺はネックレスをして金髪の姿になり、氷の魔剣を掴んで、家を飛び出した。
待ってろよ、アイラ。
俺は雪でツルツル滑りながらも、街まで走った。目に浮かぶのは、怯えたまま消えたアイラの顔。
王立図書館についた。吹雪の中、人の気配はしない。でもドアに手をかけるとすんなりドアは開いた。
「あら、あなたは昨日の。先程、昨日一緒に来たお嬢さんも来たんですよ。この天気の中勉強熱心ですね」と司書の女性が言う。
「アイラは。。昨日の子は何処に行った?1人だったのか?」
「アイラさんとおっしゃるの?地下の資料室に赤のクロークを着た人と一緒に行きましたよ。昨日の資料の続きを読みに来たんじゃないんですか?」
その言葉を聞き終わる前に、俺は地下へ走った。
「図書館では走らないで!!」と聞こえたが無視した。
地下の資料室は明かりはついているが、誰の姿も見えない。でも昨日とは違い、風が奥から流れてくる感じがする。
その風が来る方向へ進むと。壁に穴がぽっかり開いていた。俺は迷わずそこから中に入る。中は暗く、細長い道が続いている。
やっと開けた場所に出た時に、アイラの姿が見えた。
「アイラーーーーーー」と叫ぶも、大きな箱の前でアイラは赤の魔術師に掴まれて、ナイフで刺されそうにいるが、加護が働いて刺さりはしない。しかし顔は恐怖で歪んでる。
「なんでこいつにナイフが刺さらないんだ、イリウスの血がないと箱の封印が解けないのに」赤の魔術師は何度もナイフをアイラに刺そうとするが弾き返される。
「無駄だよ。そいつには加護がついている。誰もそいつを傷つける事はできない」
「もう来たのか。なんだと。。そうか、なら自分の意思でやってもらうしかないんだな。アイラ。。その男を殺せ。それが嫌なら、自分で自分を止めるしかないな」と赤の魔術師は何かを唱え始める。
「え。。いや。。なんで体が勝手に。。」
アイラは赤の魔術師が持っていた、ナイフを掴んで俺に向ける。
「嫌だ、嫌だ、。ジョンを殺すなんてできない。だったら私が自分を刺す方がマシよ」アイラは泣きながらナイフを持って俺に近づいてくる。
「早く覚悟を決めないと、あいつを殺すことになるぞ」とニヤニヤしながら言う。
「わかったわよ、早くこの術を解いて!」
体が自由になったアイラは決心したようにナイフを自分に向けようとする。
「やめろ!!」
俺はアイラに向かって走り出して、アイラを抱きしめた。ちょうど振り下ろすナイフとアイラの間に自分を挟み込む。
ナイフが背中側から右肩に刺さったが、引っこ抜いてアイラの手が届かない場所に投げた。
「ジョン、なんでこんな事をするのよ、血が。。。。」とアイラは泣き叫ぶ。
「俺なら治癒魔法を使える、その男が出血多量で死ぬ前にを助けたければ、早くお前の血を。。」赤の魔術師がアイラに叫ぶ。
その間に俺は自分の血を手につけて、炎の魔盾が封印されている箱を触った。
箱は光り輝き、炎の魔盾が出てくる。
俺はアイラをそっと離し、魔盾を素早く掴み、魔盾を使って赤の魔導士を壁に押し付け、その首に氷の魔剣を突きつけた。
「何!なんでお前が封印を解けるんだ」
「それは俺が本当は黒髪で、イリウス家の血を持つからだ。残念だったな、初めから俺の血を使えばお前がこの魔盾を手に入れていたのにな」と俺は剣をさらに首に突きつける。
「この魔盾は魔法耐性があるんだよな。俺が持っている限り、俺には魔法を使えないし、逃げようとしたり、アイラに魔法を使おうとすればお前を刺す。もう俺達をコントロールする事は出来ないぞ」
「だったら、俺をとっとと殺せば良いだろう。まあそうしたら、お前は魔術にかかっていた時の記憶はなくすから、お前の愛しいアイラちゃんの事はすっかり忘れるだろうな」
何言ってるんだよ、俺はまだアイラに何も言ってないのに、バラすなよ!
アイラの方を見ると、アイラは苦しそうな顔をしている。
「ジョン、私はあなたが忘れても、私は大丈夫だから。早くそいつを倒して、怪我の手当をしないと!!!」
肩からは血が流れ続けてる。ちょっと刺しすぎたな。
「本当にお前はバカだな。もう一回お前が俺を惚れさせるぐらい言えよ」
あ、やばい。肩の感覚がなくなって来た。。
一瞬、手がぐらつき剣の刃が首から離れてしまった。その瞬間をつき、赤の魔導士は魔法を発動させようとする。
「させるかよ!!!」
俺は迷わず剣を赤の魔術師に突き立てた。
赤の魔術師はゆっくり床に倒れる。
「ジョン!!!!」
アイラが駆け寄ってくる。
「アイラ、お前泣きすぎてブサイクになってるぞ」
「こんな時まで、意地悪ね」アイラは肩の傷を必死で手で押さえている。
俺は左手で、アイラの顔を撫でながら
「でもそれが無茶苦茶可愛い。俺には誰か待っている人がいる気がして、始めはアイラを好きにならないようにしていたんだ。でも無理だった。。あんなに美味しいクッキーを作ってくれて、俺の為に一生懸命何でもしてくれて。そして命をかけても俺を守ろうとするやつに惚れない方が無理だろう」
アイラは無理矢理笑おうとしながら泣いている。「何それ、クッキーが食べたいから私が好きなの?」
「クッキーはおまけだ。アイラ。。こっちに」俺はアイラをぐいっと引き寄せる。
「俺はお前を絶対忘れない。だからお前も大人しく待ってろよ」
俺はアイラの唇に自分の唇を合わせた。
うわ、想像以上に甘いし柔らかい。ずっとこうしてたい。
誰かがバタバタやってくる音がする。
「クロード様!!ご無事ですか。うわ、なんでそんな大怪我しながら、盛ってるんですか!!」
「アイラちゃん、助けを連れて来たわよ!!あらーーお邪魔だった?」
あの女神、本当に使えないな。遅すぎるんだよ、タイミングも悪いし。
でも加護の力は本物だったけどな。アイラが助かってよかった。
「ジョン?ジョン?大丈夫?しっかりして」
アイラの泣き顔が見える。
俺は急に力が抜けて、全てが暗くなった。
次で最後ですが、うまいこと纏められずやや長めです。




