二章 37話《二階層とキモい敵》
ダンジョンレイドの攻略を開始して約40分が経過していた。
「はぁ…はぁ… やっと次の階層かよ…」
いろんな種類の甲冑を倒しながら進みやっと次の階層に続く扉にたどり着いた。
「なかなか大変だったけど俺らの手助けなしで一階層クリアできたじゃん」
「そうですね… でもこの調子じゃ次の階層はキツくないですか?」
一階層クリアするだけでヘトヘトになっている6人を見てアンコ達は考える。
「よし!んじゃ次の階層からは俺らが交代しながらサポートすることにするか」
「た、助かるぅ…」
ラングドシャが間の抜けた声で喜ぶ。
扉を開くと中間地点になっていたので一旦休憩をする。
「ふへぁ…疲れた…」
前衛でタンクとして一番頑張っていたタイホーが倒れるように横になった。
それに続き†失羽の騎士†とЯ漆黒なる深淵Rが端に座る。
「甲冑なかなか強かったね」
「そうですね… 前衛として頑張ってくれた三人には感謝しかないよ」
舞とラングドシャが三人を労う。
ワーロスはさっきまでの戦闘について考えていた。
「アンコさん…相談したいことが」
ワーロスがアンコに相談する。
「俺やラングドシャみたいな召喚物で戦うタイプって少しでも判断が遅れるとそれだけ戦闘にラグが発生するじゃないですか」
「たしかに… ミニオンと違って職業に引っ張られる装備で召喚する物は大変だからね」
ワーロスの狼、ラングドシャの殻駆流はミニオンと違って職業に固定される装備によって召喚している。
アルカナオンラインにおいて基本となる武器はすべての職業で装備することが可能だがそれぞれに適正の装備が設定されていてそれらを装備することでステータスにボーナスが入る。
そこからさらに職業によって固定される装備が一部にある。
例えばワーロスの指揮棒のような短い杖、ラングドシャなら指に装着する糸がそれらに該当する。
さらにミニオンは呼び出したプレイヤーのステータスやレベルにより強さが決まるが職業固定の装備で召喚した物はその装備で強さが決まっている。
「少人数での戦闘はそれなりに動けるんだけど…人数が多いと見ないといけない場所が増えて反応が遅れちゃうんですよ… なにか対策やコツってないですかね?」
「ふむふむ… それならミニマップを使ってみるといいかもね」
「ミニマップですか?たしか専用のアイテムを使うと見れるやつですよね?」
「それそれ ミニマップには戦闘中の敵とパーティーメンバーが表示されるから自分の視野より広く周りを見れるんだよ」
「なるほど…」
「…これあげるよ」
アンコはミニマップを見れるアイテム【記録のコンパス】をワーロスに渡す。
「いいんですか?」
「簡単に作れるし大丈夫だよ それにこれを使ったからってしっかり動けるかはまだ分からないしね お試しってことでさ」
「ありがとうございます!」
そんなこんなしていたら前衛三人が回復したので次の階層へと向かう準備をする。
次の階層に降りる。
本来ならこのダンジョンは上に登っていく作りだがダンジョンレイドになると逆に下に降りていく。
「さて…最初は誰がやる?」
アンコがアストマーチとマナノにそう言うと…
「俺からでいいか?」
アストマーチが手を上げた。
「大丈夫だよ んじゃ任せるわ」
周囲を警戒しつつ歩いていると索敵していた殻駆流が敵を見付けて反応する。
「敵見付けたわ! なんか…デカいのが数体いるみたいだけど」
とりあえず警戒しつつ敵のいる方向に進んでみる。
ある程度歩くと緑色のなにかが見えた。
「あれか…な…… なんじゃあ!?」
タイホーが敵の姿を見て驚く。
その見た目は大きな鎧を緑色の腐ったスライムのようななにかが繋ぎ止めていた。
鎧の隙間からはそのスライムのようななにかが流れ出ている気持ち悪い姿だった。
「うげぇ… 私ちょっとあれはムリかも」
ラングドシャが拒絶する。
「うっわ…こんな気持ち悪い見た目だったっけか」
「いや…アンコが引退してる間に見た目が変更されてね…」
アンコの言葉にマナノが答える。
この敵は昔、大きな鎧でしかなかった。
だが運営が突然アップデートで一部の敵の外見を変更した。
その1つがこの大きな鎧こと【徘徊せし腐敗騎士】である。
「やっぱり前こんなのじゃなかったよな…」
「運営が言うには…なんか名前のくせに腐敗要素ないよね? ってことらしい」
「まぁただの大きめな鎧だったしな…」
4体いたうちの1体がこちらに気が付き戦闘態勢になる。
「バレた…さっきまでとおんなじで僕がタンクとして前に出るから!」
そう言ってタイホーが走り出す。
「そうだ!あれを…」
ワーロスが【記録のコンパス】を使用してミニマップを表示させる。
「なるほど…これは見やすいな」
ミニマップには味方が青の点として、敵は赤い点で表示されていた。
「さてさて…そんじゃ俺も」
アストマーチがハンドガンを1丁抜くと前衛三人の少し後ろを走る。
「え!?アストマーチさんってそこの立ち位置なの?」
ラングドシャがアストマーチが前衛三人と走るのを見て驚く。
本来なら銃を持っている人は後衛でハンドガンはもしもの為の護身用というのが基本だからである。
「そういえば真面目に戦うアストマーチを見るのは初めてだったか あいつは後衛もできるが本来は前衛なんだよ」
「前衛って… 銃のアドバンテージないじゃないですか」
驚きつつもラングドシャは殻駆流を出しいつでも戦えるように構える。
タンクであるタイホーが敵の攻撃範囲に入る。
前の階層にいた甲冑と違って遠距離攻撃の魔法がないようですんなり近付くことができた。
「よし…いつも通り【ターゲットサイト】!」
ヘイトを奪って盾を構える。
大きな鎧は大剣を手に取りなぎ払うようにそれを振る。
「うぎっ…なかなか……」
盾で受けたのにHPを2割も減らされた。
「うひゃー…あれ私らじゃ耐えられるかどうか…」
「ふむ…用心だな」
タイホーの後ろから†失羽の騎士†とЯ漆黒なる深淵Rが走り抜けざまに攻撃する。
「さっきとおんなじで隙間からならダメージ通りやすいね!」
隙間から見えるスライムのような部分を攻撃すると鎧が少し悶える。
「む?こやつさっきまでの甲冑と違ってダメージモーションがしっかりしているのか」
甲冑はダメージを受けても少しよろめく程度ですぐ次の攻撃をしてきたが今回の大きな鎧はダメージを受けるとしっかり苦しんだ。
「なるほど…これなら隙が作りやすいな!」
タイホーが続けて攻撃する。
「これなら俺はいらないか?」
アストマーチが三人より少し後ろで様子を見ていた。
そんなこんな大きな鎧1体と戦っているとそれに気が付いて残りの大きな鎧が向かってくる。
「残りの3体が気付いた!いくぞラングドシャ!」
「わかったわ!」
ラングドシャの殻駆流とワーロスの狼が残り3体に走る。
「えと…えっと… えい!」
事前に詠唱していつでも放てるように魔法を待機させていた舞が向かっている3体のうち1体に魔法を放つ。
「「え?」」
案の定その1体は木っ端微塵に吹き飛んだ。
その後は前衛三人への支援に徹底する。
「あはは… まぁこれで俺らでも抑えられる!」
前衛三人で1体に苦戦しているのを見ているので狼と殻駆流だけではろくに倒せないのはわかる。
なので二人は前衛三人が1体を倒すまでの時間を稼ぐことにした。
それぞれ1体を足止めする。
「これ見やすくていいな…」
ワーロスはミニマップと自分の目で敵を見ていた。
ラングドシャが足止めしている大きな鎧に近付きすぎないようにミニマップで位置を確認しつつ戦う。
「ワーロスのそれ… 便利そうね!」
ラングドシャがワーロスのミニマップ戦法を羨ましそうに言う。
「便利だよこれ… 後でラングドシャも用意するといいかもね!」
そんなこんな足止めをしていると前衛三人が大きな鎧を倒して殻駆流が足止めしている方へ合流する。
「あれ?アストマーチさんは?」
「え…? ってあっちに!」
アストマーチは一人でワーロスの狼が足止めしている方に向かっていた。
「なんか三人でも戦えてたし俺はこっちやっとくよ!」
そう言ってアストマーチは大きな鎧に向けて走る。
「二つ名持ちって…自由ずきるだろ」
ワーロスがアストマーチの行動に少し同様しつつもう1体の邪魔にならない位置へ遊動する。
「とうちゃーく! さてと…ワーロスとの共同作業といきますかね」
「頼もしい… 俺も頑張らないと!」
アストマーチがハンドガン片手に大きな鎧と接近戦をする。
攻撃をすべてギリギリで躱しつつ攻撃をする。
それに合わせてワーロスも狼で攻撃をする。
「わぁ…本当に銃持って接近戦してるよあの人…」
今まで見たことのない銃での戦闘に困惑しつつも狼をしっかりと操る。
「ワーロスも!狼しっかり動かせてていいじゃんね!」
「これもミニマップのおかげですよ!」
ミニマップでアストマーチの位置を把握しつつ自分の目で敵の動きを見る。
「思ってたよりミニマップ使いこなしてるな…」
「みたいだね これからさらに強くなりそうだ」
アンコとマナノがワーロスの成長を見て今後に期待しているとアストマーチがトドメを刺して1体が倒れる。
「そっちは~…まだあと少しって感じかな?」
アストマーチがもう1体を見るとまだ戦っていた。
「んー、これなら俺は行かなくてもよさそうだな ワーロスは行ってきな」
「わかりました!」
ワーロスが合流し手数が増えたのでそこからはあっさり倒せた。
「うんうん… 一応は戦えるね」
「まぁ手こずりはしましたけど一応は…」
大きな鎧を4体倒し終えて探索を再開するのであった…。
やっべぇ…語彙力ないからか文字数めっちゃくちゃ増える…
まぁいいでしょう…
そんなこんな一階層も終わり二階層に到着した御一行はさらに下へ…ダンジョンレイドを難なくクリアできるかなぁ?
ってなことで次回も期待せず待っててね~




