二章 36話《ダンジョンレイド》
桜ノ息吹から来た初心者達を預かって数週間が経った。
レベルもそれなりに上がり装備も整いつつあるので連携の確認等をするために全員でダンジョンレイドをすることになった。
ダンジョンレイドとは一部の通常ダンジョンにアイテムを使うことで高難易度のダンジョンにするコンテンツだ。
「今回は私が払うよ~ 4人を育ててくれたお礼ってことでね」
マナノがアイテムを使ってレイドダンジョンを起動する。
「そいじゃ今回は俺らは装備を少し弱くして調整するか」
アンコ、アストマーチ、マナノは装備を普段使ってない弱い装備に切り替えて初心者組に強さを合わせる。
「もしも俺が何かあっていない場合もあるから盾は展開しないでおくか…」
「それがいいね 盾があると立ち回りとか雑になるかもだし」
3人が装備を整えて初心者組に声をかける。
「よ~し んじゃレイドダンジョン始めるよ」
初心者組は少し緊張しているようで表情がこわばっていた。
「足を引っ張らないようにしなくちゃ…」
「僕も気を付けないと…」
「ふむ…まぁ我は余裕であるな」
「なんでこいつ普段通りなんだよ…」
桜ノ息吹の初心者は一人を除き緊張しまくっていた。
「今日まで戦闘も練習したんだから…大丈夫だよね?」
「舞は心配しすぎだって~ 私達なら大丈夫だよ」
緊張する舞を†失羽の騎士†が落ち着かせる。
「よいしょっと…」
マナノがダンジョン開始のボタンを押すと目の前に10秒のカウントダウンが出てきた。
「緊張しすぎるなよ~ 動きが悪くなるからね」
アンコがそう言うとカウントが終わりダンジョンに転送される。
「ちゃんと全員…いるね」
転送が終わってすぐにアンコが周囲を見回す。
スタート地点は敵が出てこないようになってるので最終チェックをササッと済ませて攻略を開始する。
しばらく歩くと大きな剣を持った甲冑が正面から数体向かってくるのが見える。
「なんか甲冑がこっち来てる!敵だ敵!」
タイホーが敵を認識して慌てていた。
「タイホー!慌ててないで攻撃よ!」
ラングドシャが殻駆流を呼び出し戦闘態勢になる。
それに続いて†失羽の騎士†も盾とメイスを持った竜騎士を3体召喚して舞を守るよう指示する。
「あの甲冑騎士ってどんくらい強いっけ?」
「んー…ここの通常ダンジョンのボスをちっちゃくしてHP半分にした感じ?」
アンコがマナノと相談していた。
「なら大丈夫か」
アンコは初心者組に声をかける。
「そいつら甲冑は君らで対処してもらうからね キツそうなら言ってくれれば交代して俺らがやるよ」
そう言われたが交代する気はないようで全員が武器を構えた。
「我に不可能はないということ…騎士道を忘れたこの亡者どもに教えてやろう!」
「こんなの私達でやってみせるわよ!」
「とりあえず…これとこれで…… 支援しますね!」
戦闘となる前に舞が全員にバフを付与した。
「いくぞー!」
戦闘が始まった。
タイホーが敵に走る。
このメンバーで唯一タンクとして動けるのは自分だけであると理解しているのでまっすぐ走る。
甲冑が剣先をタイホーに向けるとそこから少し小さな魔方陣が現れて火球が飛ぶ。
「うぉわ!そんな攻撃できるの!?」
ギリギリのとこでタイホーは回避する。
火球にはびっくりしたがタイホーの脚は止まらない。
タイホーはスキルの範囲内に敵が入ったのを確認すると
「【ターゲットサイト】!」
ヘイトを奪うスキルを即発動した。
「よし!ヘイト奪ったぞ!」
「なら次は私達だね!」
「我の剣技に惚れるがいい!」
タイホーの少し後ろを走っていた†失羽の騎士†とЯ漆黒なる深淵Rが剣を構えながら突撃する。
「かったぁい!」
†失羽の騎士†とЯ漆黒なる深淵Rの攻撃によりダメージは入ったが甲冑が硬かったのか剣が弾かれた。
「関節だ!甲冑の関節部分なら!」
タイホーが関節部分を攻撃して弾かれないことを確認し二人に伝えた。
「なるほど…かたじけない!」
「そうとわかれば!」
3人が甲冑と戦闘するが敵が多く処理が間に合わない。
「まずいまずい!」
タイホーのHPがどんどん減っていく。
「回復します!【癒やしの華】!」
タイホーの頭上に花のアイコンが出現しHPを回復し続ける。
「助かる!でもこれは…」
継続回復では甲冑の攻撃を上回る回復にはならないようで舞がまた急いで回復をする。
「【ハイ・ヒール】!」
割合回復でHPを6割回復した。
「なんじゃこの回復量!?」|
あまりにも回復量が多かったのでタイホーは驚く。
実は今回は人数がいるからと言うことで舞は愚者の杖を徒花で使っていた。
【癒やしの華】は使用者のHPで回復量が決まるが【ハイ・ヒール】は使用者の攻撃力で回復量が決まるので普段の倍以上の回復量になっていた。
「ビックリしたけど… 助かったよ!」
HPにも余裕ができたので戦闘を続行する。
甲冑を1体倒すことができたがまだ残っている。
前衛が頑張って戦っているが処理しきれず数体が後衛に向かっていく。
「ごめーん!そっちにちょっと行っちゃった!」
†失羽の騎士†がそう言いつつ竜騎士を動かして甲冑をギリギリで止める。
「お?†失羽の騎士†ちゃん凄いな ミニオン動かしながら自分も戦闘できるんだ」
マナノが†失羽の騎士†の戦い方を見て感心する。
ミニオンの操作は二種類ある。
簡易的な命令をしてそれを継続させる操作と動きや対象を細かく随時指示する操作がある。
基本的には自身も戦闘をする場合は前者を使うことが多いがミニオン使い上位勢は後者で戦闘する。
†失羽の騎士†がその後者を使っているのを見て今後に期待するマナノである。
「ナイスだよ!」
ラングドシャが殻駆流を操り竜騎士を援護する。
それに続くように舞が愚者の杖を構える。
「いきます…!【ハイリアクト・月虹】!」
杖の先から魔方陣が描かれ中心から虹色の炎が現れ竜騎士と殻駆流が足止めしている甲冑に直撃する。
「なによこの火力は!?」
ラングドシャが舞の魔法を見て驚く。
前衛が頑張って倒した甲冑を一撃で跡形もなく粉砕させたのである。
「舞ちゃん…やっぱりあれはおかしいよね」
アストマーチが舞の火力に少し引いていた。
『二つ名』持ちから見ても舞のダメージは既におかしな事になっていた。
「こんなことしかできないけど… やってみせます!」
「いや…もう……こんなことってレベルじゃ…ないよね」
ワーロスが引きつった顔でツッコむ。
そんなこんな後衛への被害はなく前衛も甲冑を倒して先へ進む。
「甲冑で雑魚敵なんだもんなぁ… これはキツいわね」
ラングドシャが殻駆動で周囲を索敵しながらそうぼやく。
「まぁ実際はもう少し人数必要だからね この人数で被害なく甲冑を倒せたのは凄いよ」
「え…?」
マナノの発言に初心者6人の動きが止まる。
「んじゃなんですか?僕らはそんなキツいことさせられてたんですか?」
「ん?でも倒せたじゃん」
タイホーがマナノの肩を殴る。
「いった!なに?なんなの?」
「なんなの?じゃないわよ!こンの!」
ラングドシャがマナノのお尻を蹴り上げる。
「ンギァアー!?いってぇぁ… え?私が悪いの?それならそこの二人も同罪でしょ!」
マナノは一緒に後ろで傍観してたアンコとアストマーチを指差す。
「二人はいつでも助けられるようにそれぞれ武器を持ってたからいいのよ!マナノさんはなにしてた!?」
「…腕組んで見てました」
マナノはタイホーとラングドシャに攻められ続けた。
「ぐぬぬ… 痛かった…」
「HAHAHA!マナノもこうなると可愛いもんだなw」
アストマーチがマナノの背中をバシバシ叩きながら爆笑するのであった。
なんか長くなっちゃった…
私的にはなるべく短く読みやすくって書きたかったんですがね…
これでも今回もなるべく短くしたんですわ
まぁそんなことはどうでもよくてね
今回からはタケミカヅチと桜ノ息吹から来た初心者組の仲良し交流ダンジョン回になりますかね
また期待せず次を待たれよ




