一章 12話《新たなる賢者》
街の中心から西のほうに歩くと大きな工房があった。
「鍵はやっぱりここみたいだね… 入ろうか」
3人で工房に入っていく。
「ここが… 『異端なる賢者』の工房か…」
アストマーチがウキウキしながら探索していた。
しばらくすると奥から誰かが歩いてくる。
「なんでぇ騒がしいな 誰が来たんだ?」
少し背の低い女性が槌を片手にやってきた。
「おンやぁ?珍しい客人じゃねぇか」
「久しぶりだね」
女性とアンコが軽く挨拶をする。
「アンコさん… この人は?」
「こいつはカラカサの孫の『ナラシ』って人でね」
「紹介ありがとな その通りアタシは『ナラシ』ってんだ
よろしくな」
「孫!?カラカサのやつ本当に爺さんだったんか!」
アストマーチがカラカサの現実に驚く。
「ってことはそのお嬢さんが爺の言ってた跡継ぎってやつか?」
「まぁそうなるな 俺はてっきりお前が跡継ぎになるのかと…」
ナラシとアンコが話し合っていたが舞には内容がいまいちわからなかった。
「あ、あの…跡継ぎってなんです?」
「やっぱりか… 爺はいつも説明が足りねぇな」
ナラシが頭を掻きながら説明をする。
「爺…カラカサはもう歳だから引退すんだけどな 自分の技術を誰かに継がせたかったんだ」
「技術を…」
「そんでお嬢さんに白羽の矢が立ったわけよ」
「それを私に!?」
舞は自分の状況に驚いた。ちょっと話をしただけの人からいきなり跡継ぎをさせられる…しかも《二つ名》を持つ上位の人からである。
「私なんかでいいのかな…?」
「舞は心配しないで大丈夫だよ それにあのおじいちゃんが人選ミスなんかしないと思うしね…そうだろ?」
「ん?そりゃしないだろうさ」
少し考え思い出す。あの時出会ったときの言葉を。アンコなら大丈夫という言葉を。
「あの時…カラカサさんはアンコさんを信頼してました… それに今アンコさんはカラカサさんを信頼しています… それなら…跡継ぎ頑張ってみます!」
アンコとナラシは嬉しそうにニヤッとした。
「そうと決まれば… ナラシ!あれ持って来い!」
「あぃよ!ちょっと待ってな!」
ナラシが工房の奥に何かを取りに向かった。
しばらくすると奥からナラシが荷物を持って帰ってきた。
「持って来たぞ!お嬢さんこれ使いな!」
ナラシが舞に荷物を投げ渡す。
「これは…なんです?」
「爺が使ってた生活特化の装備やら一式だ 跡継ぎに渡せって言われてたんだよ」
荷物の中身を確認する。
「これは…『賢者なる者』?ってこれまさか…」
渡された装備を見るとそれはユニーク装備だった。
「これは… いいのか?こんなエグい装備なんか貰って」
「気にすんなって それにお嬢さんは爺の跡継ぎなんだから装備も継いで当然だろうさ」
舞は嬉しそうに装備を切り替える。一式を切り替えた瞬間、舞の画面に通知が表示される。
「あの、えっと… なんかEXシナリオ?が受けれるみたいな通知が…」
それを聞いた3人は驚く。
「装備がトリガーになってるのか…?」
「多分そうだろ…」
「これは予想外って感じだ… 爺のやつこんなもん用意してるとはな…」
またしても舞のわからない話になっていた。
あけおめ!
今年も頑張って書いてくぞー!




