一章 11話《異端なる賢者》
「†失羽の騎士†ちゃんがあんな強くなってるなんて…私も頑張らないと!」
舞がブツブツとなにか言いながらアイテムの加工をしていた。
「ん~… 私も生活ばかりしてないで戦闘とかしたほうがいいよね」
加工を一旦やめて素材集めついでに冒険に出発する。
舞も手伝ってもらいつつレベル上げはしていたのでそこそこに戦えるだろうと自身では考えていた。
「わ~… ここの景色あんまりしっかり見たことなかったけど綺麗だなぁ」
レアな素材が取れるエリアを軽く散歩しつつ敵と戦う。
このエリアは敵もそこそこ強くなっていて油断すれば中級者は簡単にやられてしまう。
「†失羽の騎士†ちゃんはダンジョンでユニーク装備を取ったみたいだし私もなにかダンジョンでも…」
探索してみたがいつまで経ってもダンジョンは見付からず敵のいないセーフエリアで休憩をしつつアイテムの加工をし始めた。
「やっぱり私はこっちだなぁ… 戦闘は皆のほうが強いだろうし」
また一人でブツブツと言っていると隣で加工をしていた人が話しかけてきた。
「おや…お嬢さんや」
「え、はい?」
見た目は少し年老いたおじいさんのようだ。緑のローブを着ていかにも生活コンテンツ特化なのがわかる。
「珍しいのぉ… 装備からして初心者さんじゃろうに生活コンテンツがメインじゃなんて」
「そう…なんですかね? ギルドの皆のように上手く戦えなくて…」
優しそうなおじいさんだっからか舞は少し相談のようなことを聞いていた。
「なるほどのぉ… お嬢さんはどこのギルドに入っておるのかな?」
「『タケミカヅチ』ってギルドに入ってますね」
「…! なるほどのぉ」
おじいさんが何かに納得したように頷く。
「それなら心配はいらんじゃろうな そこはあやつの…今はアンコじゃったか?あやつが立てたギルドじゃろう?」
「おじいさんはアンコさんを知ってるんですか?」
「知ってるもなにもワシとあやつは旧友じゃからな」
アンコの旧友ということはこのおじいさんも強い人なのだろうと悟った。
「そうじゃそうじゃ! お嬢さんや」
「は、はい」
「アンコにこれを渡してやってはくれぬか?」
おじいさんは舞に鍵を渡した。
「いいですけど… これは?」
「あやつなら鍵の意味がわかるじゃろう… それではワシはここらで落ちるかのぉ」
「あ、おじいさん名前を…」
名前を聞こうとしたがおじいさんはログアウトしてしまった。
「名前聞けなかった… アンコさんに聞いてみよ」
舞は一旦帰ることにした。
帰ってくるとアンコとアストマーチが雑談をしていた。
「ただいまもどりましたー」
「お帰り~」
「あ、アンコさん!」
「ん?どうしたん?」
舞はアンコに先ほど合ったおじいさんについて話す。
「緑のローブを着たおじいさんで俺の旧友ね… それは『カラカサ』だね 懐かしいなぁ…あのおじいちゃんまだやってたのか」
「カラカサさん… あとその人からこれをアンコさんにって」
舞は預かった鍵をアンコに渡した。
「この鍵どこかで… ってこれ工房の鍵じゃないか!」
「なに!?『異端なる賢者』の工房の鍵だって!?」
アストマーチが今まで聞いたことのない声と声量で叫びながら走ってきた。
「『異端なる賢者』…?」
「あぁ…あいつの《二つ名》だ 俺にこれを渡したってことは…」
アンコの声が少し寂しそうだ。
「確認のためにも一度あいつの工房に行くか」
今年最後の更新ですね。
来年も頑張って続けていきますので応援…はしなくてもいいですね。期待せずに待っててくださいな
それではまた来年でお会いしましょう!




