遠くない。
湯気だかなんだか濁った部屋の中。
呑気だかなんだか伸びた時間。
止まっていたら、昼下がりまで遠くない。
約束なんてなかったことにしたら、長閑な自由まで遠くない。
重力も意に介さない体を受け止めて。
夜に罅割れ、狙い通りの寝言が漏れる。
とどめてくれたら、夜明けまで遠くない。
使い古しの理由を引っ提げて、歩いて行くには丁度いい。
使い回しの叱責は府に落ちず、あちらこちらに譲り合い。
重責も手に負えない心を受け入れて。
空に思い出、不意討ちの正論が届く。
これなら、忍ばず夜更けまで遠くない。