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RDW+RTA ~リアルダンジョンズワールド プラス リアルタイムアタック~  作者: 相生蒼尉
第2章 『RDW+RTA+FUCHU+FUTSU act H3 ~3人のヒドインたちによる、附中とフツーの物語~』

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15 鳳凰暦2020年4月11日 土曜日朝 国立ヨモツ大学附属高等学校ロッカー棟


 校門から小鬼ダンへと向かう途中にロッカー棟と呼ばれる更衣室兼物置みたいなところがあるけど、ダンジョンアタックの装備なんかは全部ここに片付けるみたい。ここは出入りの時も、ロッカーを開けるのも、ダンジョンカードだ。これ、失くしたらすごいことになるんじゃないかな? 絶対に失くさないようにしないと!


 中に入って、あたし――設楽真鈴は平坂さんとは別れる。残念。きっと見えないところの肌もキレーなのに。


 平坂さんのロッカーは、あたしのロッカーよりも大きいらしい。平坂さんに教えてもらったけど、このロッカーは成績順で大きなものが使えるらしい。平坂さんは一番大きなサイズで、ロッカーが大きいから、そこのスペースを使う人数が少なくて、着替えとかにも余裕がある。

 他の人の話だと、昨日の初ダンの前は、大変だったらしい。あたしは早めに行ったから経験してないけど、混雑時間はもう、とにかくひどかったとか。


 5月のテスト週間の間に、ロッカーを完全に一度、空にしておかなければ、中身を全て没収されるって、この学校、すごい。たとえそこに教科書があったとしても、だとか。教科書ぐらい見逃してほしい。で、そういうのを買い直すのも、ダンジョンアタックで稼いでやらなきゃダメだから、よっぽどうっかりしてないと、そうはならないらしいけど。


 そして、5月の第一テストの結果で――これは、ダンジョン関係基礎、ギルド関係基礎、モンスター関係基礎、平坂第7ダンジョン基礎の筆記試験と、初ダンから試験週間中までに納品した魔石等の換金額――新たな順位となって、その順に割り振られる。ロッカーだけでなく、教室の座席も。ただし、ロッカーは学年全体で割り振られるけど、教室の座席はクラスの中だけ。クラス替えは進級時だけだって。とりあえず、1年間は1組のままみたいだからちょっと安心。


 実は教室の座席はいろいろと入試の成績順なのだと教えられた時は驚いた。あたしは推薦首席という推薦で一番の位置だったみたい。びっくりだった。鈴木くんが一般の一番、つまり首席だと聞いてそれもびっくりだった。本人は……たぶん、全然気にしてない……。大物だよね……。


 平坂さんの方のロッカールームは入れないから見たことないけど、平坂さんが使ってる両開きのロッカーが横並びで5、それと向かい合わせに、平坂さんの半分のサイズのロッカーが10で、合計15人のロッカールーム。だいたい70くらいの女子のうちの15人。広いよ!


 次のロッカールームは、平坂さんの半分のサイズのロッカーが10、その向かい合わせにさらに上下で半分にしたロッカーが20で、合計30人のロッカールーム。

 あたしはここで、同じクラスの新入生代表だった浦上さんが平坂さんの半分のサイズのロッカーの最後、あたしは上下半分のサイズのロッカーの最初だから、今のあたしの順位は浦上さんの次になってるみたい。ちなみに、浦上さんの前までは全員附中ダン科の女子だそうだ。あたしのロッカーでも大きさは問題ないけど、もっと大きい物があると聞くと、ね……。


 最後に、3段ロッカーが30ずつある、合計60人のロッカールームがあるけど、ここはロッカーが小さい代わりに、残りの女子生徒だけになるので、着替えるスペースはあたしたちのロッカールームよりも少しだけゆとりがあるみたい。


 だからあたしたちのロッカールームがある意味では一番狭い。それぞれのロッカールームにシャワー室がセットになってるから、それも混雑するらしい。

 何度か入れ替えを経験すると、シャワー室のためだけに順位を落とした方が……などと考えるような人も出るらしいけど、最下位グループの中には、高2の夏季合宿費や高3の修学旅行費が貯められずに退学となる人も出るらしいので……学年が上がるにつれてロッカールームが広々と使えるとしても、その部屋には行きたくないかな。


 それにしても、なんでもかんでも順位付けってのは、すごいよね。ま、人は優劣をつけたがるもんだとは思うけど。

 剣道で全中個人3位のベスト4。3位決定戦はないから二人が3位だった。それがあたしの順位。ダンジョン科に入ったからもう高校ではインハイとか選手権とか目指したりできないけど、あたしが目指したいのはダンジョンアタッカーだから問題ない。あの夏、1位になれなかったのはあたしが未熟だったから。全中1位でダンジョン科入りってかっこいいよなー、なんて浮ついた気持ちがあったから負けたのかもと今なら思えるかな。


 あたしはここで、1位になれるのかな。まだ始まったばかり、というか始まってもないけど、学校がそれを競わせるのなら、あたしだって狙いたいと思う。上を目指すのは好きだから。


 準備を終えたあたしは、ロッカールームを出た。たぶん、笑っていたと思う。







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