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32 鳳凰暦2020年4月17日 金曜日 放課後 小鬼ダンジョン3層 隠し部屋
隠し部屋へ入ってすぐ、僕は岡山さんを下ろして、そのままボスを狩って、最初の5分間休憩。
とりあえずマジックポーションを飲んだ。まだ第三階位魔法は、推定最大MPのほとんどを使うはずだ。主たる属性――さっきの場合は火――を使う数でスキルは階位が決まる。
「とりあえず言います。言うだけは、ですが。突然抱き上げるとか、一言、言って下さい。びっくりし過ぎて死ぬかと思いました」
……いや、死なないよな? うん、死なないはず。
「それで、今日はなぜ、マジックスキルで? ゴブリンの魔石も放置、落とし穴はロープを使わずにわざと落ちましたし」
「時間短縮」
「そうですか……」
このまじめな女の子に、余計な重荷はいらない。さっき僕が何をしたかなんて、知る必要はない。
「あと少し。来週には、退学にはならないようになってるから」
「ふふ。ありがとうございます。わかってます。魔石、わたしが数えてるんですよ? 今のペースなら来週と言わず、今週でクリアですから!」
……そういう意味じゃないけど、こっちの話はサプライズってことで岡山さんには黙っておこう。




