表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RDW+RTA ~リアルダンジョンズワールド プラス リアルタイムアタック~  作者: 相生蒼尉
第3章 前編 『RDW+RTA +SDTG(T―SIM) ~鈴木の育てゲー(育成シミュレーション)~』
134/420

44 鳳凰暦2020年4月25日 土曜日夕刻 平坂駅前ファッションビル『フラットスロープ』7階レストラン街『sweets heaven fall』

日間文芸・SF・その他異世界転生/転移ランキングBEST300において、昨夕、今朝と、連続1位!

応援、ありがとうございます!

これからもリアリアをよろしくお願いします!


 あたし――伊勢五十鈴は、目の前の皿の上のクレープを見て、目を見開いた。


 いや、何かおかしいとは思った。だって、クレープって言ってたのに、お店に入ってテーブル席に座った時点で、何かおかしいよな、これ、とは思った。


 美舞が「クレープ、おごるよ、元気出そ」と言ってくれたのは、嬉しかった。励まそうとしてくれてる、その気持ちが本当に嬉しかった。

 それに「宮島さんも一緒に」と言ってくれたことも嬉しかった。今回、ちょっと凹んだあたしと、今回の大津たちの被害者である宮島さんの二人を気遣ってくれて嬉しい。


 よく考えてみれば当たり前なんだけど、「あたしのペアの酒田さんと宮島さんは知り合いらしいから大丈夫」というのも納得だった。附中普通科の転科組同士なんだから、中学時代に関わりがあるのは自然だし。それに、この先、助け合うのなら、顔合わせは早い方がいい。


 ……でも、クレープって言ったら、あの、くるくるって巻いて、鋭角な三角になってて、手で持って食べるヤツだろう? せいぜい500円くらいの? あたしも好きだし、アレ。


 それがこの、お皿の上にあって、なんか細かい砂糖とか、イチゴとブルーベリーのソースとか、かかってて、お好みでかけられるハチミツとカラメルが小さなカップでふたつ添えられてて、さらにはちょこんとジェラートとウエハースが横にあるこのクレープは、あたしが知ってるクレープとはだいぶ違うんだけど⁉ 三角じゃないし!


 え、美舞、これ、おごりなの? これ、大丈夫なの? どう考えても500円には見えないんだけど⁉ ここ、学食じゃなくて外の店だから⁉


「……あの、あみちゃん、これ、本当に、食べても大丈夫なの?」


 よく聞いてくれた、宮島さん! それ、本当はあたしも聞きたかった! でも、もう注文してるから支払いは発生するけど⁉


「大丈夫、大丈夫! なんならモミちゃんが、元気が出るまでおかわりしたって大丈夫だから!」

「酒田さん、それは、さすがに……」

「でも、高千穂さん。それくらいは余裕で稼いでるよね?」

「それは、まあ、そうだけど。別腹ともいうし……」


 ……え? 美舞? これの、おかわり? それくらいは、余裕?


 あたしはぽかんと口を開けて、美舞を見つめた。その視線に気づいた美舞が、なんとなく申し訳なさそうにあたしから目をそらした。


「……ヘルプが受けられるようになれば、五十鈴もそれくらいはすぐに稼げるようになるから」

「す……先生の指導を受ければ絶対に可能だね。というか余裕?」

「あみちゃん……先生のヘルプがあるの?」

「あー、あまりにも教え方がうまいから先生って呼んでるけど、そう言えば先生は普通に生徒だったね。すっかり忘れてた……」


 ……こんなに稼がせてくれる、美舞のヘルプの生徒って、誰?


 あたしは、励ましてもらって元気になったというよりも、あまりにも衝撃を受けた結果、頭の中から大津たち三馬鹿のことなんか、綺麗に忘れ去っていた。


 ちなみに、クレープは激ウマだったと、ここに記しておく。もちろん、人として、おかわりはしていない。宮島さんも同じ。酒田さんは追加でチーズケーキを食べてたけど……。







あまいもの、だいじ。こころの、ゆとり。WDとは関係ないですよ?



ちょうどこの頃、DJバーガーで外村に煽られた桃花が鈴木家の近くを散歩しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 平坂桃花がウロウロ散歩しているそのころ鈴木はコボルトをトレインしていた……w お高いクレープは三馬鹿を吹き飛ばす! 月曜日の回が楽しみだなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ