20 鳳凰暦2020年4月22日 水曜日昼休み 国立ヨモツ大学附属高等学校・中学校内ダンジョンアタッカーズギルド出張所
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あたし――設楽真鈴は昼休みの平坂さんとのお弁当の後、ほぼ毎日、ギルドの武器コーナーにやってきている。
それは、ここでモチベーションを高めるため。
目の前の壁に掛けられて展示されているのはバスタードソード。なんと8万円。外のギルドだと10万円らしい。高校生に対する学割? みたいな感じだとか。2万円も値引きされてるけど、8万円でも高い……。
でも、ショートソードよりも長くて、両手で持つこともできる。平坂さんが、あたしに合うかもしれないと、アドバイスしてくれた武器。
いつか、これを手にして、ダンジョンで斬りまくる。そう気合を入れて、モチベーションを高めていく。
「……あなた、いつもバスタードソードを見てるわね」
「ふぇ?」
なんか、美人な人、いきなり話しかけてキターーっ!
「1年生だと、まだまだ手が届かない値段でしょう? そんなにほしいの?」
「……あー、あははー、はい。ほしいです」
「そう。どうして?」
「えっと、クラスの友達が、剣道やってたあたしになら、ショートソードよりもこっちが合うだろうって、教えてくれて。いつかはこれでダンジョンに入りたいって、見てるだけでモチベーションが上がるので」
「剣道……そうね。ショートソードよりはずっといいはず」
「やっぱりそうなんですか! これがレンタルできればなー、とか思ってたんですけど、いつか8万円貯めて、絶対これでって、ますますそういう気持ちになりました! ありがとうございます!」
「そんな、お礼なんて……」
「あ、時間だ。じゃ、失礼しまーす」
あたしはその場から離れて、教室へ向かった。
「レンタル……」
ギルドの美人な人は考え込むようにして、何かをつぶやいてた。