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Ⅳ 手掛かり─ⅹⅶ

「騎士はみんなそういう剣を持ってるんですか?」

「正騎士は大体そうですね。ただ見習いは、自分に合った剣を探す時期でもあるので、それほど金をかけません。……リクバルドのことですか」

 サンドラに言い当てられ、少し気まずい思いで頷く。


「あんな簡単に剣て折れるんだって、びっくりしたので……。リクの実力と刺客の実力の差は、わたしの目から見ても明らかだったけど、剣を折る方法とかもあるのかなって」

「ものによってはそう出来ますが、やはり強度のあるものはそう簡単には出来ません。あの刺客はリクバルドが見習いの制服を着ていたのを見て、最初から当たりをつけていたのでしょう。あいつは筋は悪くなかったが、本当に初心者でした。育て甲斐はありましたが、相手が悪すぎた」


 シェダルの右腕を奪ったと言っていた。クレイセスが深手を負ったのは、あのとき逃げられなかったサクラの所為(せい)だが、実力は互角に見えた。多分どうあっても、「初心者」のリクバルドが勝てる相手ではなかったのだ。


「お前たち剣出せ」

 サンドラに促され、二人は台の上に剣を置いた。サンドラも並べて剣を置き、(さや)から少しずつ抜いて、サクラに剣身(けんしん)を見せる。


「あれ……太さとかみんな一緒じゃないんですね」

「ええ。似通ってはいますが、自分に合わせて作らせた剣は皆少しずつ違います。クロシェのは、行商のあたりが良かったのでしょうね。適当な『お買い物』で当たりを引きました」

 サンドラの表現に、クロシェは溜息をつくも何も言わない。事実は事実なのだろう。


「それに、持ってみてください」

 剣身を鞘に戻し、サンドラが促す。

 サクラは一本ずつ持ち上げてみて、それぞれの重さが違うことに気がついた。


「クロシェさんのが一番軽い……」

 クレイセスのが一番重く、サンドラのもそれなりに重い。それからすると、クロシェの剣は一番軽かった。

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