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Ⅱ アリアロスの秘密-ⅹⅹⅲ

 そういうことかと、クレイセスは嘆息する。昔リシュティーノに教わったことを思い出しながら、クレイセスは言った。

「死期を……変えられぬ者もいるのだと、教わったことがあります。幾筋もある未来、どれを選び取っても、ある時期に来たら死を迎えてしまう者は、いるのだと」


 ただ、どちらにしろサクラの夢を否定してやる材料にはならない。覚悟だけを促す内容だ。


「リシュティーノ様は、『わらわの子供たちは一体何人残っているのか』と仰った。ユリウスのほかにも、生き残っていた可能性があったのです。あるいは、ユリウスではない補佐官が生き残っていた可能性も」


 涙は止まったのか、サクラは赤く腫れた目でクレイセスを見上げている。


「リシュティーノ様は、政変をすでに把握していたのです。その中にあって、多くが死にゆくこともまた、ご存知だった。もしあなたの視た夢が現実だったとしても……ユリウスが死んだことを、自分の所為だとは思わないでください。あなたが傍に留め置いていたとしても、結果はきっと、変わらなかった」


 クレイセスの言葉に、サクラの眉間には皺が寄ったままだ。

「それに本当に何かあったのなら、ハーシェルが知らせを寄越すでしょう。考えるのは、それからにしませんか」


「でも……前線にいることを考慮して、伏せられてたりは、しないでしょうか」

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