五話 進化!
案内役が、矢でやられてすぐに俺にも矢が飛んできた。俺は死を覚悟したが、そのとき相棒が身を盾にして俺を守ってくれた。
だが、そのせいで、俺のせいで重症を負ってしまった相棒から思いが流れ込んでくる。『スキルを使って俺を進化させろ』と。
俺は一瞬ためらったが、このままの状況では、必ず相棒が死に、次の瞬間俺も死ぬだろう。
俺の…いや、相棒の為に俺は『進化』のスキルを使用した、次の瞬間相棒が七色の光に包まれた……賊もその光景に圧倒されたようで、相棒が光に包まれている間は、攻撃してこなかった。
しばらくして、光の中から出てきたのは、七つの首を持つ巨大なドラゴンだった。確かその名は、
《七星龍・レインボードラゴン》
レインボードラゴンは、ゲームでは一度しか登場したことがなく、誰ももっていなかった為、ある意味伝説上の存在だった龍だ。
ゲームの設定では、普段は首は一つしかないが、戦闘時に限り、首が7つになり、それぞれが独立した意思を持って攻撃してくる。首の長さは約五メートル、胴体は三メートル、尻尾は八メートル程もある巨体な龍。
倒すためには、七つの首と3つの心臓、そして魔核を同時に潰さねば即座に再生してしまうため、倒すのは容易ではない。
つまり、最強の一角だよ〜(ゲームマスター)
最後のは、ゲームマスターのおふざけだ。これには大分イラッときたから、よく覚えている。
そんなことをしていると、賊も正気を取り戻し、矢を放とうと、したところで、相棒が七つの首を自在に操り、攻撃を開始した。色鮮やかなブレスが賊を襲い、鮮血が地面を彩っていく。
かろうじて矢を放っても尻尾ではたき落とされる。
賊には絶望しか無かった。その絶望的な状況で賊は悟った。
手を出す相手を間違った、と。