超短編小説「僕らは、意味不明、ですか?」No56
ある日、近所の雑貨屋さんに来ていたら、とある玩具に声を掛けられた。
「人間さん。人間さんも、意味不明、ですか?」
その雑貨屋さんは古くからあるのだけれど、商品を外国の工場で作られたものから、国内の古道具屋さんから拾ってきた物まで幅広く扱っているそうなので、たまには喋るのもいるのかもしれない。
その玩具さんは、小さな牙のような無骨な石に、魔法陣みたいな模様が付いていた。
魔法陣からは謎の突起が出ている。
この玩具さんは一体なんなのだろうか?
玩具さんは言葉を続ける。
「私は、残念ながら、意味不明です。ここの、雑貨さんたちにも、聞いたのですが、私がなんなのか、分かるものは、居ませんでした。私は、とても、意味不明です。」
謎の玩具さんは話しながらカタカタ揺れたり、少し跳ねたりしながら、とても悩ましげにそこまで話してくれた。
玩具さんがとても真剣な様子だったので、私も一生懸命言葉を紡ぐ。
「う〜ん…。でも、
星と星を繋げてみるとか、
雨の音を聴きに外に出掛けるとか、
私も意味不明な事いっぱいしてるけど、そういうのってとっても楽しいじゃない。
だから意味不明な事ってそんなに悪いことじゃない…かも?」
「人間さんも、意味不明、でしたか。」
「そうかもね。
私あなたが気に入っちゃった。
喋る玩具なんて、意味不明で、素敵だものね。」
今回はテーマを決めてから書いてみました。
いつもと少し違った感じになってる…かな?
いつものほうがいいか、こっちのほうがいいか、決めかねています。
ただ、いつも通り楽しく書けました。
コメント頂けたら幸いです。