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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
テゼルト編
94/121

蜘蛛に捕まえられた蝶は...。

  鞭で叩かれる音と罵倒が響き渡った。

「顔を見るだけでも憎たらしいわ!」

 ヒルアはテゼルト軍の軍施設の一室で縛り付けられていた。

  「白魔王様、痛めつけるのはいいですが間違って切断しないで下さいね。処刑前ですし見物する者が可哀想です」ハクは白魔王の背後に佇んでいた。

「分かってるわよ...ホント生意気な顔ね」

  ヒルアは痛がりもせず、ずっと白魔王の顔を睨みつけていた。

「慈愛深いとは随分と程遠いね。あたしは千武族を虐殺なんかしてない」

  縛り付けられてる手を白魔王に触れられた。

「そんなの知ってるわよ。だって千武族を虐殺したのはこのあたしよ。貴方に

 擦り付けただけ...」

  白魔王はヒルアの耳元でそう囁いた。

「なんであたしに濡れ衣を...」

「あなた、あたしに何したか覚えてないの?」

「覚えてないって言ったらどうするの」

 白魔王は再び鞭を持って痛め付けた。

「あたしに何したか思い出すまで叩き続けてあげる。貴方が苦しむ顔が見たい

 から...」白魔王はヒルアの顔をなぞる様に撫でた。


 ***************

  ヒルアがハクに攫われた後、マオはすぐさまアジトに駆け込んだ。

「どうしたんだよそんなに慌てて...」

  マオが地下室の階段を降りるとそこにはユージンが居た。

「ぼ、僕のせいでヒルアさんが攫われた」

 マオは崩れ落ちて床に座り込んだ。

「どういう事だ?」

  ユージンはマオの目線に屈んだ。

「テゼルトの森にハクが居たんだ。僕に剣を向けて来てそこにヒルアさんが来て...僕を庇って攫われたんだ。」

  「そうか...じゃあ助けに行こう。起こったことは仕方ない」

 ユージンはマオを連れて地下室を出た。

  「どこに行くの?」

「ジスタと皆で作戦会議しなきゃいけない。ヒルアがいるのは国機関の施設、

それがどこかだ」

  「そっか。ごめんなさい僕が出ていったから...」

  俯くマオにユージンは頭を撫でた。

「マオは悪くない。ヒルアが攫われたのは必然だ。いつ攫われてもおかしくなかった。敵にとってはチャンスだからな」

  「なんでそれなのにヒルアさんがここに来たの?」

「皆と一緒にテゼルトを変えたいからだ。ヒルアは故郷を燃やされて両親も殺されて冤罪をかけられた。テゼルト村の事を自分の事のように重ねてた」

  マオは固唾を飲んだ。

「僕も助けに行くよヒルアさんの事...」

  ユージンの繋いだ手をマオは握り締めた。

「あぁ...一緒に行ってハクの野郎をボコボコにしてやろうぜ」

  マオは涙を流しながら頷いた。

「ここで何をしてるんですか?ユージンとマオ君」

  2人の背後にはジスタが居た。

「ジスタ!大変なんだよ。ヒルアがハクに攫われたんだ。場所を特定してくれ」

「分かりました。事情は後で聞きますが特定ならすぐ出来ますよ」

「どこにいるのか分かるのか?」

「仲間にはGPS機能をつけた携帯端末をつけていますから来てください」

  「あぁ...分かった。」

  地下室に戻るとそこにはパトラとスワンとクロウが立っていた。さらにソファにはペッパー首相とロンディ首相が座っていた。

  マオが皆に事情を話すと立ち上がり場所の特定に地図を広げた。

「ヒルアはテゼルト軍の軍施設にいます。それも重大な罪を侵した者だけが入れる牢屋に」ジスタはテゼルトの地図にある場所をマークした。

  「そこは厳重な警備が敷かれてる。どう切抜けるかだ。」

 ペッパー首相はタバコを吹かせていた。

「どれだけ軍のやつを殺せるかよね。この人数で...ホークアイはどれくらい居るの?全員揃ってるのよね」

  パトラは煙たそうに鼻を掠めた。

「あぁ...他にスズメとツバメとタカさんが居る。3人ともどこに行っては

帰ってくるの繰り返しだ」

  クロウは気難しいそうに腕を組んでいた。

  「あの3人は動向がはっきりしませんからね。後はジロンとルビアが居ますね。そろそろ帰ってくると思いますが...」

  「ルビア?どこかで聞いた事が」

  ペッパー首相は首を傾げた。

「どうかしましたか?」

  ジスタが尋ねるとペッパー首相は首を振った。

「嫌、何でもない」

「みんな揃って作戦会議か?珍しいな」

  豪快な足音を鳴らして大柄な男が頭を掻きむしっていた。

「帰ってきたぞクロウ...」大柄な男の背後にはスズメという女性とツバメがいた。

  「タカさん!スズメもツバメさんも帰ってきたのね」とスワンは駆け寄り

 スズメと抱きし合っていた。

  「苦しいよ...スワン」

  スズメはスワンに頬ずりされ照れくさそうだ。

「タカさん、ヒルア·ダルクが攫われたんだ。一緒に助けにいってくれないか?

 敵のアジトを潰すチャンスかもしれない」クロウはタカをじっと見つめた。

  「あぁ...分かった今すぐに決行だ。処刑されるのも時間の問題だ。事は急ぐぞ」

  皆は頷き武器の準備をしていた。

「君がマオくんね。皆と一緒にいくの?」

  スズメはマオの目線に跪いてナイフを差し出した。

「そうだけどそれは何?」

毒刃(ドクハ)だよ。敵に刺せば肉体に毒が注入され死に至る。ヒルアさんに教えて貰いながら作ったの」マオは差し出されたナイフを震えながら触れた。

「触れるだけなら大丈夫だよ。きっとこのナイフは貴方を助けてくれるよ」

  スズメはマオにナイフを渡した。

「うん。ヒルアさんは僕が助けるよ」

  マオはナイフをリュックに入れた。

「さぁみんな行くぞ」タカの問いかけに皆は頷いた。ホークアイの皆やジスタ、

ラブリー、ユージン、パトラとケンがテゼルト軍の施設に向かった。


  次回に続く...。


 





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