砂漠に眠る闇と小さな勇気
爆発音が聞こえ近くから煙たく火薬の匂いがした。
「マオくん大丈夫かしら?」
スワンの問いかけに頷きマオは立ち上がった。
「うん...父さんの部屋ならこの先真っ直ぐだよ」
「分かったわ、ありがとう」
ジョン首相は簡単にマリィ様を殺した事を認めないだろうこのまま自殺したことにしてもみ消す気だスワンはそれだけは許せなかった。
ずっとずっと数年間も後悔してたからだあの時自分が引き止めていたらこの少年に辛い思いもさせなかったのに...。
「スワン姉さん!どうしたの?」マオに話しかけられボッーとしていたスワンは
意識が覚めた。
「別になんでもないわ」
「何度も言うけどお姉さん達のせいじゃないから殺したのは僕のお父さんだよ」
「わかってるわでもその原因を作ったのはあたし達よ。私はマオくんに責められても何も言えない」マオは固唾を飲んでドアを開けた。
「ここが父さんの部屋だよ。お姉さん達の家族や大事な人を殺した人の息子だよ。それを知っても僕を匿ってくれたり僕の為に泣いてくれた。そんな人達に何も責めれないよ」スワンの中でマリィとマオの姿が重なって涙をグッと堪えて俯いた。
「そう。マオくんは優しいのね...ここにきっと証拠が眠ってるわ」
「そんな事ないよ。スワン姉さん一緒に探そう」
マオの問いかけに頷いた。
2人でジョン首相の部屋中を物色していたら書斎のタンスにナイフが見つかった。
「マオくん!触らない方がいいわ。色がオカシイ」
そのナイフは一見みると普通のナイフだが刃先には紫の液体が塗られていた。
「お母さんは血だらけで首を吊って死んでた。」
「酷いわね。薬関係はヒルアが詳しいわ写真撮って送ってみるわ」
スワンは携帯端末のカメラ機能をタップして撮りすぐさまにヒルアに送った。
「もうそろそろ作戦は終わったのかな。ジスタさん」
「さぁね。上手くいったらいいわね」
スワンの携帯端末の通知音が聞こえ中身を見るとジスタからだった。
「成功みたいよ。行きましょう」
マオは頷きスワンについて行った。
*******************
マオは自分の父親にナイフを向けていた。首相官邸の一室でジスタとスワンに
ジョン首相は囲まれていた。
「なんのつもりだ。お前達は俺と一緒に無理心中でもするのか?」
「そんな物好きいると思いますか?あなたの為に死んでくれる人がこの世界にいるとでも」ジスタはクスリと笑っていたが冷たい目をしていた。
「あたしの知り合いに薬に詳しい人間が居るの貴方が使ったこのナイフは毒が
塗られてる」
「ただの塗料か何かだろ。それにそのナイフは使ったことがない」
「そのナイフはって何?これで貴方はマリィ様を殺したんでしょ。ポイズンフラワーって知ってるかしら」スワンはジョン首相の耳元で囁いた。
「そんな毒花知るわけ無いだろ。」
「誰が毒花って言ったのかしら?あたし、ポイズンフラワーが何か知らないわよ」スワンはわざとらしく首を傾げていた。
「お、俺も知るわけないだろ」
ジョン首相の目が泳いで誰とも視線を合わせない。
「話が進みませんね...ポイズンフラワーの蜜は出血死を招く程の猛毒らしいですよ。」ジスタは呆れたように溜息を吐いた。
「だから何なんだ」
「僕は見たんだよあの日この部屋で父さんと母さんしかいなかった。なのに母さんは誰かに殺された」
「お前の言うこと誰が信じるかよ」
マオは淡々とジョン首相の距離を縮めた。
「父さんならそう言うと思ったよ。なんでそんなに挙動不審なの?父さんが殺してないのなら堂々と出来るはずでしょ。」マオは眉一つ動かさず淡々とジョン首相を問い詰めたが睨まれるだけだった。
「何が言いたいんだ」
「殺したのはジョン首相あなたでしょ。マリィ様はどうやって殺されましたか?」
「あいつは自殺だ。首を吊る前にカミソリかなんかで腕を切って後で首を吊った」
「なんでそんなこと知ってるんですかそれに自殺する人間が事前に人に会いますか?おかしいですよね本当はこの毒を塗ったナイフでマリィ様を殺して自殺見せかけようと
思い首を吊らせたんですよね」
ジョン首相は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「俺が殺したっていう証拠がどこにあるんだよ」
ジスタはポケットから録音機を出した。た。
──────────
「どうせ出られませんよ。ジョン首相が自分の妻であるマリィ様を殺めるなんて
想像していませんでした。中々出来ないですよ」
「そうだろうな。あいつは俺には殺せないと油断していたんだ」
──────────────
ジスタは録音機の音声を止めた。
「あいつはこの国を民主主義国家にしようとしていた。ここにいる奴らは知らない軍事独裁政治の有難みを... 」ジョン首相の言葉にスワンは憤りを感じていた。
「国民を虐殺して家も奪って有難いって何のつもりよそんなに都市開発が大事なの?」
スワンの言葉はジョン首相になにも響かずただ鋭い眼光を向けられただけだ。
「帝国と対等に渡り合う為だ」
呪文を呟くように唱える声が聞こえた。
「アクアウォール」周囲に大量の水が流れ込んで猛火は消え去った。
「マオ君じゃない久しぶりね。ジョン首相、追い込まれてるの?」
白魔王は見下ろすように睨んでいた。
「そうなんですよ俺をこいつらが殺そうとして...」
「自分の息子に殺されそうになってるの?面白わね...一層殺されたらどうかしら?」
「何を言ってるの白魔王様...僕は殺す気は無いよ」
マオは手が震え酷く怯えていた。
「なのになんでナイフを向けているの?人を殺すが無いのなら向けちゃダメよ
刺したらいいのに...」白魔王は狂うように笑い声が上げた。
「テゼルトはあたしにとって操り人形みたいなものよジョン首相殺してくれたら
あたしのものになるわ」
白魔王はマオからナイフを奪い取ってジョン首相の顔に向けた。
次回に続く...。




