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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
テゼルト編
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希望を携えた彼らの明日は奪えない。

  目覚まし時計の電子音と電話の音が重なり合い部屋中に響き合っていた。

 コクはベッドから飛び起きて先に時計を止めた。

「なんだこんな朝早くから...」足早に電話機が置いてあるテーブルに向かった。

「もしもしコクだ。こんな早朝になんだ?」

  「コク!どういう事だあたしの孫はいつから誘拐犯になったんだい」

 コクは、ノアールの激しい怒号に耳が壊れそうだった。

「どういう事だ?ヒルアはテゼルトにいるはずだ」

  「今すぐTVをつけな!朝からその話題で持ち切りだ」

 ノアールにそう言われコクはテレビをつけた。

  テロップにはヒルア·ダルク氏、ジョン首相の息子を誘拐と書いてあった。

「テゼルトにはユミン以外みんな向かっているんだ。事情は聞けばすぐにわかる。だから落ち着いてくれ」

「あたしは落ち着いてるよ。あたしの孫が嘘をついてまでテゼルトに革命を起こそうとしてる。その事情を知りたいんだよ」

  「テゼルトは軍事独裁政権で成り立ってる。それに対抗してるのがホークアイだ。そいつらと協力してるんだ今回の騒動も作戦のひとつかもしれない」

「あんたはそう思うんだねあたしは孫が生きてくれたらいい。革命なんてどうでもいい。あんたも白魔王も何かを犠牲し過ぎだよいい加減にしな...」

「俺はただこの世界を変えたいだけだ。その為に大切な物を幾つも無くしてきた」

「じゃあもういいじゃないかい。あんたじゃ...」ノアールの電話を切り乱暴に

 置いた。「マスター何かあったの?」

  ユミンはこちらの声に気づいたのか部屋に来ていた。

「ジスタにこっちに報告書をあげるように言ってくれ」

「分かったマスター。テゼルト大変みたいだねみんな大丈夫かな...」

 ユミンは心配そうに俯いていた。

「きっと大丈夫だ」コクはただ頷くだけだった。


 ***************

  ジョン首相の激しい息遣いと共に叫び声が書斎室中に響き渡っていた。

「どいつもこいつも勝手にやりやがって...」

「ジョン首相とりあえずロンディ首相に電話してみたら」

 白魔王に睨まれ震える手で電話を握っていた。

「そうですね。つい取り乱してしまいました」

 ロンディ首相に電話をかけたが繋がりませんとアナウンスが聞こえるだけだ。

  「どうしようもないわね。同盟どころか噛まれるとは想定外みたいね

 ジョン首相」白魔王はジョン首相の書斎に座りため息を吐いていた。

  プルヴゥゥゥン!!と電話の通知音が聞こえすぐさま取った。

「もしもしロンディだ。」

  「貴様良くもやってくれたなどういうつもりだ。農業国と産業国が軍事国に逆らうなんて無謀にも程がある」ロンディ首相は電話の向こうで笑っていた。

「君は自国以外の事は本当に知らないだな。マシーンアイランドは確かに産業国だ。他に人工知能ロボットや戦闘兵器も作ってる。テクノロジーにおいては高い

 水準を持つ国だ」

「テゼルトにだって人工知能の兵器ロボットはある。帝国にはもっと高い性能を持った...」

「失敗作だろう。帝国屈指の科学者が作ったのはマシーンアイランド作に比べたら低性能だ。天才に愚かな人間は敵わない」

  「話にならないわね。ロンディ首相随分と調子に乗ってるみたいね」

 ジョン首相から強引に電話を取っていた。

「白魔王か...同盟の件はすまないと思ってる。あたしは国にとって不利益な事は

 したくないんだ」

「煽ってるのかしら...ホークアイに捕まって脅されたの?それは可哀想にね。

 助けてあげないけど帝国に勝ってるものなど居ないから...」

「捕まっても貴方に助けなど呼ばない。何も変に思わないのか?だとしたら

 白魔王様は馬鹿になった物だな」

 ロンディ首相から電話を切られかけようとするが二度とかからなかった。

「今すぐロンディ首相とペッパー首相の居場所を探りなさい。ジョン首相は戦闘

 待機しておきなさい」

「何するおつもりですか?白魔王様」ジョン首相は跪き尋ねた。

「分からないの?ヒルア·ダルクはホークアイに関わってるかもしれない。あなたにとって大きなチャンスよ。失敗すればテゼルト革命成功よ」

「分かりました。革命などさせません希望の火を消すまで手を止めません」

 白魔王はジョン首相に何も言わずに去ってしまった。


  *****************

  「まただ」悲鳴と返り血が咲き乱れ服に付着した。

「もう大丈夫だ。君らは彼等たちと逃げてくれ」

  男は親子に手を差し伸べた。

「ありがとうツバメさん。僕の故郷を守ってくれる?」

 少年は目を輝かせ男の手を握った。

「あぁ...絶対にだ」スズメは頷き仲間に連れて行かれる少年に手を振った。

  ツバメはアーム村でホークアイの仲間ともに国軍と戦っていた。

「資源が地に埋まってるって事は政府の標的か」

  向かってくる兵士を華麗な剣捌きで細切りにしていた。

「そうですね。この村は鉱業が盛んらしいです」

  「そうかジスタ。」戦いが終わったのかツバメは地面に座っていた。

  「流石にお強いですね。そろそろホークアイに帰りますよ。色々とヒルアに

聞きたいことがありますし...」

  ジスタもツバメと同じく国軍との戦いに出向いていた。

「ヒルア·ダルクがいるのか?」

「興味深いですか?」

「あぁ...あの女を窮地を陥れた奇跡の子だ。この世界の希望になるかもしれない」


 次回に続く


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