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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
テゼルト編
83/121

革命を起こしたい者達

  「寒っ!」とパトラは呟いた。パーティ会場から放り出されてから1時間が

 経っとうとしていた。

  「すまないパトラ君」背後から声が聞こえパトラは振り向くとそこにはロンディ首相達が居た。

  「寒いのならこれを着てくれ」ロンディ首相はパトラに優しく上着を被せた。

「ありがとうね。ロンディ首相」

「ささっと帰ろうぜ。こんな所に居ても何もならねぇ」

 ケンは相当苛立っているようで舌打ちをしていた。

「あたしが追い出された後何があったの」

  パトラはケンに問い出すが返答は「なにもない」だった。

「マオは見つからないしジョン首相は探そうともしない。ただ談笑が続くだけだ」

  「酷い父親ね。数時間経つわよこれからどうするの」ロンディ首相はため息を

吐いていた。

「普通の親だったらどこだと探し回る所だ。でもジョン首相は違う。このままだと行方不明で処理される」ケンはロンディ首相の言葉に違和感を覚えた。

「首相の息子が行方不明で済まされるのか」

「この国で行方不明なんでいくつ出てると思う? 多すぎて追いきれていないのが

現状だ。それも政府関係しているかもしれない。」

「そうかよ。おっさんはこの国でどうすんだ?」

「明日はペッパー首相との会談が決まってる。しばらくはここにいるつもりだ」

  「そうか。じゃあ俺達もここにいなきゃいけないみたいだな」

  「嫌か? 」ロンディ首相は険しい顔でケンに尋ねた。

「別に嫌じゃない。嫌な予感がするんだよこの国には仲間も来ているんだ。

何も無く帰りたいんだ」

「それはあたしもそうだよ。でも予測不可能なのが人生だ。」

  パトラはロンディ首相とケンの間に入った。

「ちょっとピリピリしないでよ。明日会談が終わってからでいいから来て欲しい所があるの」

「それは何だ?パトラ君」

「今のこの国が現状が知れるわ。あたし達も仲間に招待してもらってるの。場所はテゼルト村の難民キャンプよ」

  「ロンディ首相行ったらどうだ?わしもこの国の事は何も知らん。お前たちが

案内してくれるだろう」

  フェルトはロンディ首相の肩を叩いた。

「勿論よ。フェルトさん」

「分かったよ。ペッパー首相も一緒に同行していいか?彼も知りたいはずだ」

「いいわよ。とりあえずホテル戻ろうかしら」

  パトラは頷きロンディ首相達はパーティ会場を後にした。


 ******************

 その頃、マオはクロウの家でセバスチャンと戯れていた。

「この国で革命かいいじゃねぇか。俺は応援するぜ」クロウはテーブルに

ホットミルクを差し出した。「僕のことを馬鹿にしないの?」

「しないさ。俺もお前も同じ夢を持ってる仲間だ」

「お兄さんもそうなの」

「そうだ。この国を独裁軍事政治から民主主義国家へと変えるんだ。なぁ無謀だろう?」

  「そうですね。この国の現状は決していいとは思えません。」

  クロウがセバスチャンの頭を撫でると噛もうとしていた。

「やめろよ賢いって思ったんだよ。それにここ最近行方不明者が増えてる。

都市開発のせいだろうな」

「都市開発と行方不明者が多いのと関係あるの?」

  マオは怪訝な顔をしてクロウに尋ねた。

「都市開発は土地がないと始まらない。でもそこには住んでる人がいる。政府の

ヤツらは強引に立ち退かせ逆らう者は見境なく虐殺する。その中から逃げてきた

者達が集まるのがここだ。」

「酷い話だ。お兄さんもそうなの」

「俺は違うけどな。反政府組織ホークアイの者だ。ここ難民キャンプを運営してるうちの一人だ」

「そうなんだ。すごいね僕は何も出来やしない」

「これからだ。目指すべきものを決めないと何も成せない。マオ」

  クロウはマオと視線を対等に合わせた。

「僕はこの国で苦しんでる人を救うよ。お兄さんに教え欲しい。もっとこの国の

現状を...」

「あぁ...お易い御用さ」

「坊ちゃん。家には帰らないのですか?」

  マオは寝転んでるセバスチャンを寄りかかりそっと向いた。

「帰らないよ。帰っても何もならないから」

「そうですか...あたしもクロウという男から話を聞いてから帰りたくありません。ジョン首相がこんな事に関わっているとは悲しい事ですね」

「そうだね。僕はどうしようもないよ。何も知らなかった。自分が嫌で仕方ない」

  マオの顔には涙で溢れていた。

「自分を責めないでください。どうにでもなります」クロウはマオを見つめた。

「そうだ。なる様にしか成らない。何とかなるように頑張ってなるようにして

ならなかったら受け入れるしかない。俺はそれ位無謀な事をしているんだ。正解

なんて確かめる暇もない」

「本当に本当に馬鹿みたいだ。今まで悩んできた事がくだらないと思える。

もっともっと自由にこの国を...」マオは蹲り顔を隠していた。

「坊ちゃん。苦しみには形がそれぞれ異なります。分かり合うことは出来なくても寄り添う事が出来ます。大丈夫です私がいます。」

 セバスチャンはマオの顔を舐めた。

「セバスチャン、くすぐったいよ」マオは嗚咽を吐き出した。

「大丈夫だから。僕は出来ることをするよ」

 マオは涙を拭いて覚悟を決めた顔をしていた。





 





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