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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
ブルーメンヘッド編
76/121

俺が絶対に守ってやる。

 幸せが壊れる時の匂いは血が生臭くて腐敗した異臭だった。10年前の事だった。

  ケンの人生の中で今でも忘れなどしない。最も最悪な日だったからだ。

  両親は魔法使いに惨殺され家中が血に染まっていた。行き場のない感情に拳は

 震えた。ケンは失った大切な存在を噛み締めて両親の遺体を抱き寄せたがふと脳裏に過ぎったのはパトラだった。

 パトラは大丈夫だろうかと思うと胸騒ぎが止まらなくて不快感で気持ち悪くなった。タンスに閉まっていた武器を持ってパトラの家に向かった。


 ******************

   パトラの家に向かう先々で魔法使いが現れたがケンはものともせず大剣で切り裂いていった。返り血で体は血で染まり歩く足は必死にパトラの元へと動いた。

   ケンは息遣いが荒くパトラがある日言っていた言葉を思い出していた。

「魔法は綺麗で残酷なもので人を陥れる。千武族の歴史にはそう書いてある」

  「そうかもな」ケンは不気味に笑い目の前にいた魔法使いを大剣で貫いた。

  パトラの家に着いたがドアがちょっと開いていた。隙間から男の魔法使いの声がした。

「このお嬢さん美人でやらしい身体してねぇか?タダで殺すのは勿体なくねぇか」

  パトラの掠れた声で「や、やめて」と言うが男達は一切聞かず襟元に触れた。

  ケンはドアを蹴り倒して男達に大剣を矢に変え撃った。

  男達の返り血で部屋中が鮮血に染まっていてパトラは虚ろな目をしていて

 何も言葉も発さない。

「逃げるぞ!パトラ。ここにいたって殺されるだけだ。」

  パトラは頷くだけで返事もしなかった。そんな彼女にケンは戸惑いを隠せないがここで止まってる暇などない。敵の脅威が迫ってるからだ。

  ケンはパトラの手を強く握り森へと逃げていった。

  行く先々で幾度となく魔法使いに襲われるが容赦なく殺していった。

  死に物狂いで生き残るのに必死だった。ケンの体は疲れ果て息遣いが荒くなっていた。それもそのはずでこの数時間走り通して戦い抜いて来た。

 何度も敵に囲まれ切り抜けて来たが限界を迎えた。

  大剣を握る手は震え数本の杖が無数に見え視界がぼやける。

  その隙をつかれしまい敵の攻撃が無作為に飛び交った。

 ケンは死ぬ覚悟でパトラを抱き締めたパトラだけは死なせないと強く強く気持ちを込めた。

「少年、良くこらえたな。護衛幕!!」

  目の前に大男が現れ周囲は透明な膜が張り巡らされた。

  ケンはこの男が得体が知れず眼前の景色に驚きを見せた。魔法使いの男達の痛々しい悲鳴を上げる。

「ぐわぁぉぁぁぁ!!」男は長細い双剣を踊り狂うように振り回して敵を切り裂いた。「大丈夫か?少年。怪我をしてるじゃないか?」

   男は敵を倒してすぐに振り返った。

「大丈夫だ。助けてくれたのは有難いがあんたは誰だ?」

「コクだ。君の名前は?」

「ケン。一緒にいるのはパトラだ。」コクは静かに頷いた。

   ケンはこの男の名前に聞き覚えがあった。千武族の歴史に同名が記されている。「まさか黒魔王の元家来とか言わねぇよな」ケンは冗談ぽっく言うが

「まさしく黒魔王様の家来のコクだ。」

  「そうか...」ケンは驚きの事実に生唾を飲み込んで押し黙った。

「そんなことはどうでもいい。君達を救いに来たんだ。この先に俺の隠れ家ある。そこに仲間がいるから行こう。」

 コクはケンの手とパトラの手を握った。

「瞬移」と唱えた。眩い光と共にケン達はどこかに消え去った。

 **********************

   ケン達がたどり着いた先はコクの家だった。周囲を見渡すと大人びた美しい

 少女が負傷者を手当てしていた。

「この子はユミンだ。」少女はコクの横に立っていて軽く会釈をした。

 ケンも小さく返した。

「コクさんよ。あんたなら知ってるだろ。何だこの状況は誰の仕業だ。」

「白魔王だ。千武族の生き残りが居ると風の噂で聞きつけて来たんだろ」

 コクは真剣でとても嘘をついてるように見えなかった。

「どこまでも追ってくるな。村は燃えて何もかもがめちゃくちゃだ。」

 ケンは舌打ちとため息を吐き散らした。

「そうだな。君の横の子はそんな現実を受け止められないでいる。」

 ずっと黙っていたパトラにコクは目を向けた。

  「 君の事をケンは必死に守ってくれた生きて欲しいからだ。大切な人を奴らに殺されたのかもしれない。でも君は残されたんだきっと意味がある。現実を受け止めなさい、これは夢なんかじゃない」コクの真摯な言葉にパトラは涙が零れた。

「分かってる...分かってるわよ。なんでこんなにも理不尽なの?あたし達が何をしたって言うの?なんでこんな酷い目に遭わせられなきゃいけないの?」

  パトラが抑えていた感情が溢れ出した。

「それは100年も続く因縁だ。理不尽に屈したく無ければ両親を殺した奴らに剣を向けろ」コクはパトラに剣を差し出した。

 パトラはそれを握り締めて覚悟を決めたような顔をしていた。

 ケンはこの状況を目の当たりにしてただ悔しかった。10年くらい一緒に居たのに

逃げ出す事しか出来なかった。

 会ったばかりの男に涙を見せて心が解されていく...。

 ケンにとってそれは劣等感を抱かせそこに立ち尽くしか出来なかった。


 次回に続く。

遅れてすいませんでした!!

プロット書くのに夢中になっていたら1ヶ月も経ってしまいました。非常に申し訳ないです。

更新頻度を上げるためにストックを作っていました。はい、ただの言い訳です。

今回もご愛読有難うございます!

次回もまたよろしくお願いします。

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