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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
ブルーメンヘッド編
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血で塗りたくわれた魔法の杖

ロンディ首相はアイラと博士に無理やり車に乗せられ横たわっていた。瞼が重たく目を瞑ると何かが見えた。

それはフェルトの背中だった。ロンディ首相がいつも呼びかけると鬱陶しいそうにするがどんな時も絶対に呆れたりしなかった。時には叱ってくれたり褒めたりもしてくれた大切な人を裏切ってしまった。理由は自分の保身の為だった。

こんな人間、フェルトが呆れて当たり前だ。

どんな想いをしてあの勇気ある行動を起こせたのだろう。

フェルトは誰よりもブルーメンヘッドを愛していた。

誰にも支配させたくなかった。ましてあの白魔王には絶対に...。

フェルトの気持ちを思うと胸が締め付けられロンディ首相は自分は何に忠誠を誓ったのかを思い出した。

自分は帝国なのではなくブルーメンヘッドに身を捧げると決意したあの日を出来事が呼び起こされた。

なんで忘れていたのだろうとロンディ首相は起き上がり拳を握り締めた。

もう何も怖くない。

俺はブルーメンヘッドの首相だ。この国を全力で守りきる。そう心に決めた。

 異形の化け物が歩く度に大きい足音を鳴らして恐怖を掻き立てた。

  パトラは短剣を持っていたが咄嗟にピースメーカーという片手銃に変化させた。

「火炎輪!!」業火を纏わせた銃弾が円を描いて撃っていった。だが異形の化け物は握り潰した拍子に手を欠陥したが瞬く間に再生していく...。

「パトラ、君の攻撃は凄いがそんなの再生してしまう。閉じ込めるんだ炎の渦に...」

 ロンディ首相に肩を叩かれ頷いた。

「再生する暇を与えないことだな。じゃないと勝機が見えない。」

 ケンはそう呟いて大剣を双剣に変えた。

「何をしても無駄よその子はあたしの最高傑作よ。簡単に倒せるはずがない。」

 アイラは得意げに笑っていた。

「アイラ博士。有能な君なら知っているだろう?この化け物が何に弱くて何に強いのか知識不足な俺に教えて欲しい」

   ロンディ首相は真剣な眼差しでアイラを見つめた。

「教えないに決まってるだろ。アイラ余計なことを言うなよ。」

 博士はロンディ達を睨んだ。

「教えられない程君達は余裕が無いのかい?」

「それは我らの勝利は絶対的だ。」眉を1つも動かさず自信満々にそう語った。

「おっさん、無駄だ。ささっとやってやろうぜ」

   ケンの問いかけに皆は頷き異形の化け物と対峙した。

  「毒炎剣!!」ケンは片方の(つるぎ)は毒を覆い尽くしもう一方の剣は猛烈な炎を纏わせた。剣を振るう度に傷を与えさせ傷口に毒を埋めた。

  異形の化け物は叫び声を上げるがものともせずケンは剣で再び打撃を与えた。

 右腕は燃えて崩れ落ちたが再生などしない。ただ灰となって消えていった。

「そういう事か。パトラ、ケン。俺は魔法が得意だ。守りに徹するから君達は思い切り戦ってくれ」2人は互いに頷いた。

「アイラ、君らのことだから魔法耐性を付けたのだろう。この化け物は生物兵器でもし戦争になった時に使うつもりだったりしてな」

 ロンディ首相は不敵に笑うがアイラはその姿を見て嘲笑った。

「そうよ。だからいっぱい食べさせて強くさせたの。帝国に誰も魔法で勝てるものは居ない。ロンディ首相、無謀な真似は辞めて早く降参した方が身の為よ」

  「そりゃそうだ。君達が教えられた魔法は人を殺す為の物だ。自分達にとって忌まわしい千武族を(あや)める為の...」

「そうね。今ここにあなた達がいる事自体許せないわ。100年前魔法使いを虐殺した忌まわしい···」

   パトラはアイラのその言葉を聞き怒鳴り散らした。

「偽装された歴史をいつまで信じるの?魔法使いを虐殺した?それはあなたの大好きな白魔王の···」

  異形の化け物は左腕を振り下ろしパトラを掴んだ。

  ケンは十字に切り傷を与えその溝に毒を埋め立て炎で覆い尽くした。

 パトラは解き放たれ安堵のため息を零した。

「ありがとう。ケン···」

  「あぁ...パトラお前は魔法が嫌いだったな。」

   パトラが見つめていたケンの背中は何故か切なそうだった。

「そうだけど今更何を言ってるの?」

「千武族の村に置いてあった歴史の書物は魔法は人殺しの道具で千武族を殺すのに特化している。そう書かれていた。おまえ昔言ってたよな。魔法はこんなにも綺麗で幻想的なのに残虐で血で塗りたくわれた杖みたいって...」

「ケン、あなた急にどうしたの?可笑しいよ」

   パトラは震える声でケンの手を握った。

「こいつらの言葉でおかしくなったかもな。10年前千武族を虐殺して俺達の大切な何のかもを奪った。そんなお前らがなんで被害者面してんだよ!帝国にある書物を読み漁っても悪いのは千武族で10年前の事なんて存在しない事になってる。白魔王が恐れてるのは全ての真実を知ってる千武族じゃないのか?」

   ケンは激しく怒りを駆り立て饒舌になっていく...。

「白魔王様に何も後ろめたいことなんてないわ。あるのは積み上げた栄光よ全部あなた達の被害妄想よ。」

   アイラはケンの言葉に動揺も見せず凛としていた。

「その栄光は死体で積み上げた上に立っている。白魔王は臆病者だ。ずっとなにかに怯えてる。だからなんでも力で抑えようとする。」

 ロンディ首相のその言葉にアイラは怒りを露わにした。

「何を言ってるの?白魔王様が臆病者ですって?そんな事を言って許されると思っているの。どうせ生きてるでしょ!立ち上がりなさい!」

 異形の化け物は呼び起こされ立ち上がるが両腕を断ち切られ口から何かを吐き出そうとしている。

「ブルーメンヘッドの植物を枯らした毒煙よ。得と味わいなさい!!」

 パトラは咄嗟に抗薬剤を化け物の口の中に投与した。

 異形の化け物はそれを飲み込んで白い液体を吐き出して巨大だった体は

どんどん小さくなっていき元の魔物に戻ったが溶けだして悲痛な悲鳴を上げて

消えていった。

「効いた。良かった。」パトラは恐怖のあまり涙を流し安堵していた。

「恐ろしい薬ですね。安心してる場合じゃないですよ。俺に殺されるのですから

また恐怖に支配されてください」

   何故かそこにはハクがいた。持っていた剣をパトラに向けた。

「あの時に取り逃したのが間違いでした。早く殺して置けばよかった。」

  ハクは悪魔のようない笑みを浮かべ剣を振り落とした。

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