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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
ブルーメンヘッド編
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信じて良かった

 尋ねた部屋は広大な空間が真っ暗だった。

 液晶画面だけが唯一の明かりだった。白魔王はある男が記者会見している姿を

 ずっと見ていた。

「白魔王様...電気を付けましょうか?」

 ハクは白魔王にそう尋ねるが首を横に振られた。

「いいわ...よくもやってくれたわねフェルト」

 白魔王は目の前にあったテーブルを激しく叩いた。

「フェルトを呼び出しましょうか?」

「そんな事をしたら認めるようなものじゃない。アイラに電話かけてくれない?」

「いいですが...彼女はこの事態を上手くやり過ごせるのでしょうか?」

  ハクはすぐさまポケットから携帯端末を取り出した。

「さぁね...ブルーメンヘッドの動き次第ね。でもロンディ首相ならあたしの思い通りに動いてくれそう」

  白魔王は不気味な笑みを浮かべていた。

「ロンディ首相は臆病者ですし白魔王様に逆らう事は絶対にしない。」

「そうよ。色々とやらかしたのはアイラだから話しましょうか」

  白魔王はハクから携帯端末を受け取りアイラに電話を掛けた。液晶画面から

 アイラの姿が浮かび出した。

「白魔王様!大変です。フェルトが...」

 アイラは跪いていた。

「知っているわ。随分とやってくれたみたいねアイラ。上手くやりなさいって言ったわよね?」

   白魔王は低い声で蔑んだ目で睨んだ。

「そうですが...隠しカメラが仕掛けていたのもバッジを落とした事も気付かなくて...」アイラは動揺しているのか言葉が震えていた。

「言い訳はいいわ、アイラ。最善を尽くしなさいロンディ首相を上手く使えばいいのよ。」

「分かりました。白魔王様...」アイラは深々と頭を下げていた。

「次はないわよ。あなたの顔を見るのが今日で最後になるかもしれないわ。なにか分かっているわね?」

  白魔王は威圧的な態度でアイラを脅した。当の本人は震えが止まらず「はい」としか言わなかった。

「失礼するわ。アイラ...」

 白魔王は電話を切り部屋から立ち去った。


 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

  ブルーメンヘッドの寒空の下で1人の男が立ち尽くしていた。

  辺りは冷え込んでいて吐く息は白く風は氷のようだった。

「ロンディ首相、そんな所にいて寒くない?」

  背後からアイラが忍び寄りロンディ首相は振り向いた。

「アイラ...この事態は君達が起こしたのか?」

  ロンディ首相は声が震え顔が不安そうだ。

「隠しカメラまで仕掛けておいて今更聞く必要あるの?」

 アイラは嘲笑って見下していた。

「君達がやったんだな。帝国の事を信じていたのに何のかも裏切られた気分だ。」

  「信用してたのは君だけだ。誰も信じるな馬鹿か?」

  アイラと横にいた博士は互いに見つめ合い笑っていた。

「なんでそんな目が虚ろなの?気持ちが悪いわ」

  アイラはロンディ首相を罵倒して軽く笑みを零した。その繰り返しだったが

 ロンディ首相は何も言わずただ見つめてるだけだ。アイラは呆れ果て催眠作用の

 ある魔法をかけ介抱するフリでロンディ首相を車に乗せた。


 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

   ケンはソファに座りため息を吐いていた。

「落胆する必要は無いですよ。失望はまだ早くないですか?」

 携帯端末からはジスタの姿が浮かび上がっていた。

「早いもねぇだろ。あいつの動き次第でフェルトさんの望みが無くなるかが決まるんだ。」

「まぁそうですね。貴方なら分かってると思いますが長年の絆はそう簡単に壊れません。ロンディ首相はフェルトさんを慕っています。信じてみませんか?」

 ジスタは穏やかな声でそう論じた。

「少しならな。作戦は成功しそうか?」

「今回はポンコツアイラさんですよ。さぞこちらの思い通りに動いてくれる。

 だから大丈夫です」

「そうか...こっちが成功してもロンディ首相がどうにか変わらないと...」

「ケン。分かってあげてください。今、彼が置かれている状況は最悪です。俺が見るからに彼は政治家としての資質はあります。それは魔法使いとしてもです。国運営は複雑で困難を極めます」

「知ってる...だからこれ以上は言うな。どうせお前は余計なことをするなと言うんだろ」ジスタはケンの言葉に微笑んだ。

「そうですね。じゃあ行ってあげてくださいケン」

  ケンは頷いた瞬間に電話が途切れた。

「準備は出来た?ケン」

  パトラは顔を覗かせていた。

「あぁ行くぞ」パトラとケンはある所へと向かった。


 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

 ブルーメンヘッドにある唯一の廃墟にアイラと博士が立っていた。

 ロンディ首相は椅子に縛り付けられていた。

「何をするつもりだ?拷問か?」

「そうね」アイラはロンディ首相の首筋に杖を擦り付けていた。

「俺に何しても無駄だ。寝ながらずっと考えていたんだ。この事態を抜け出すにはどう動けばいいか。」

「屈しればいいじゃないの?」

「違う。俺は臆病者なりに答えを出したんだ。あの事件を起こしたのは君達だろ?」

「そうだがなんだ?」博士は何も動じずそう答えた。

「やっぱりそうか。これは俺の独り言として聞いてくれ...国宝級の花畑に隠しカメラ仕掛けあるのは当たり前だ。馬鹿だと思ったわ。バッジを落とすのも間抜け過ぎる呆れしかない。これをもみ消すのはさすがに無理があるだろ。」

  ロンディ首相はため息混じりにそう語った。

「どういう立場がわかっているのか?」

「わかっているさ。言いたいんだよ君達に自分の利益しか考えないバカな奴らに屈したりなんかしない。もう俺は君達と戦って生き抜くしかない。」

「2人だけだと思っているの?あの怪物だっているのよ。あなた一人で勝ってるはずがない。」

  アイラは杖を振り上げロンディ首相に向けて落とした。

 目を瞑り、指輪は光出した。魔法で防ごうとしたが目の前にパトラとケンが

 居た。「貴方を信じて良かった。」

 パトラは振り落とされた杖を掴んで懐に蹴りを入れた。

 アイラは強く吹き飛ばされ尻餅を着いていた。

「首相さん...やり放題してくれたアイツらに反撃開始だ。」

 ケンの言葉にロンディ首相はニヤリと笑い魔法が発動して縄が解かれた。

「国同士の関係は気にするな。私と一緒に存分にやってやろうじゃないか」

 ロンディ首相が立ち上がった瞬間に大きな足音を鳴らして異形の化け物が現れた。「これが餌か?」ヨダレが吹き出し牙を覗かせた。

 颯爽と猛スピードでロンディ首相達に駆け寄る。


 次回に続く。

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