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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
ブルーメンヘッド編
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猛毒に渦巻く欲望

 吐き気がする程の不快な匂いと血が沸騰するように滴っていた。ヒルア達は、

 この前倒した怪物の腕を調べて貰う為フェルトの家に来ていた。

  白い布に被された台は、腕から滴る血でまっ赤に染められている。

「まるで生きてるみたいじゃな」

 フェルトは、怪物の腕に優しく触れて、メスを入れるだけで血が溢れ出した。

 それが気味が悪くてヒルアの横にいたパトラは、青ざめていた。

「気持ち悪いわ!生きてもいないのに血が出ているの」

 パトラの大声に動じずフェルトは、淡々と答えた。

「お前さんの言う通りだ。問題は、それだ。生きてもいないしこれは、切断された腕だ。普通だったら腐敗して月日が経てば骨となる。」

「腐ってるどころかなんも変わってないぞ。倒してから数日は、経ってるだろ」

 ケンは、壁にもたれ怪物の腕をじっと見つめていた。

「そうか...この腕は、とりあえずここの地下室で保管しておく」

 フェルトは、地下室にあった丸型の巨大な容器に腕を落とした。そこには、生物を昏睡させる作用を示す液体が入っていた。

「フェルトさんそいつは、自然治癒能力も持っているしもしかしたら...」

「生き返るかもな...まぁその時はその時だ。引き続き調査に当たってくれ」

 ヒルア達は、頷いたがケンが険しい顔でこう尋ねた。

「それにしても大丈夫なのかよ...ブルーメンヘッド国内は、帝国と揉めてるだろ?」「揉めてすらいない。こっちがおされてるだけじゃ...」

「一方的にってことでしょ...何やってるのかしらほんと首相さんは、あれじゃ弱腰外交って言われても仕方ないわ」パトラは、ため息混じりに呆れ口を叩いていた。

「ロンディも仕方ないかもない。ナイフで脅されていたからな」

「フェルトさんは、優しいのね。あたしなら録音して脅し返すわ。だって耐えられないわ...あのウィルスか毒かも訳の分からないのをばら撒かれて、農場や花畑を荒らされるなんて...」

 パトラの声は、弱弱しく今にも泣きそうだ。

「まだ根に持ってるのかよ...依頼者に感情移入するなって言われてるだろ」

  ケンは、舌打ち混じりにそう零すがピシャリと音が聞こえた。

「分かってるわよ!だって可哀想だもの...手間暇かけた花畑を荒らさられて悲しいにきまってるじゃない!管理者のおじいちゃんとても辛そうだった。」

「まぁまぁ痴話喧嘩は、やめにしないか?ここは、フェルトさんの家なんだぞ。

 迷惑になる」

  怒鳴り合う2人の間に入るようにユージンは、ケンにゲンコツを入れた。

「いつも思うがなんだ俺だけなんだよ!!」

「うるさいな!昔、女のコに暴力振るうちゃダメよって母さんに言われたんだよ!」「マザコン野郎が!」

  ケンに耳を掴まれユージンは、痛そうに鬱陶しいという顔をしていた。

「うんうん...そうじゃのうヒルア。この抗薬剤をばらまけば感染源が広がるのを

 妨げる事になる。そちら頼むぞ。」

 そんなユージン達を他所にヒルアとフェルトは、今後の怪物の対応について話し合っていた。

「わかっ...」ヒルアの言葉を塞ぐようにユージンが叫び散らした。

「誰がマザコン野郎だよ!寝言でパトラ危ねぇぞって言ってるの知ってるからな!」ユージンの言葉を聞いた瞬間にパトラは「あら〜」と言いながら照れていた。その一方赤面するケンは、ヒルアが持っていた抗薬剤を奪い取った。

「とりあえずこれをばらまけばいいんだよな!じいさん...」

 フェルトは、静かに頷きケンは、家を去っていった。

「ユージン...言っていけないことがあると思うの。軽々しく言ったらダメだよ、

 気まずくなるわ」

 ヒルアの正論に負けたのかユージンは、俯き気味に「ご、ごめんなさい...」と

 言っていた。


 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

  異形の化け物が腕を振れば、目の前の強固なガラスは、割れて砕け散った。

 ドシドシと巨大な足音がして研究員らは、どよめき始めた。

「アイラ様の実験体が動き始めたのか?」

  今アイラ達は、ブルーメンヘッドの施設の視察に出向いており、一緒に連れていた異形の化け物をここに預けていたが奴は、首だけだったはずだ。後で実験するからと保管しておけと言われ保管BOXに入れて置いた。

  動くはずがない研究員の彼は、そう思い保管BOXが置いてある部屋に近付いた。

「やめて...やめてくれ!!!俺を食べないでくれ」

 扉の向こうから他の研究員の悲鳴が聞こえ、次は、肉を噛み砕くような音が恐怖へと陥れた。研究員の彼は、自分も殺されて食べられてしまう...逃げなければと思い歩き出すが...。

 扉は、巨大な足に蹴り飛ばされ奴は、こちらをギロりと睨んだ。

「次々と美味そう奴が現れるな...なぁ食う前に聞くが金髪の女と茶髪の男は、知らねぇか?確か女の方がヒルアって言ったか?」

  研究員の彼は、震え声で口を開いた。

「そのヒルアは、ヒルア·ダルクか!詳しく聞かせて···」

 彼の首を異形の化け物は、強く掴んだ。

「やっと人間の言葉で喋れるようになったって言うのに知るわけねぇだろ!質問に答えないやつは、苦しんで死ね」

 奴は、指を鳴らし毒沼を生み出しそこへと彼を陥れた。体は、腐敗し悲鳴を上げながら溶けていった。

「我を苦しめた人間2人は、必ず殺してみせる。楽しみに待つといい...粉々に切り刻んで我の毒沼に陥れてやる」


 次回に続く

 




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