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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
ブルーメンヘッド編
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真っ暗な世界の中で...

  森の土を踏みしめる音と荒い息が聞こえた。

「フェルトさんにあんな事を言って、どうするつもりなの?」

  ヒルアは、彼の肩を掴み、歩みを止めた。

「どうするって...これからも調査を続けるだけだ。」ユージンは、ヒルアと決して目を合わせなかった。「本当にそれだけ?ユージンは、ブルーメンヘッドが帝国の奴隷になるのが嫌だと思ってた。」ヒルアの言葉で彼の顔が歪んだ。

「嫌に決まってんだろ。俺も奴隷になりかけたんだよ!もしかしたら、ヒルアや

 仲間を殺す側になってた。そんなの考えたくもない。俺と同じ想いをさせたくないんだ。それにフェルトさんは、千武族だろ。白魔王の手に行ってしまったら殺されてしまうかもな...」ユージンの言葉を嘘だとは、思えない。それは、白魔王なら、 やりかねない事だ。彼の脳裏には、きっと悪魔みたいに微笑む女王様が見えているのだろう...。

 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

  仲間4人も居ないと、ギルドは、静かでパトラとケンは、ソファでくつろいでいた。「休んでる場合じゃないぞ。正体不明の魔物がブルーメンヘッドで出た。」

  コクは、それだけを伝えて、書類を投げられた。ブルーメンヘッドの資料だ。

「マスター、これは、何?」書類には、ブルーメンヘッド花園と書かれていた。

「そこが、魔物に襲われて、花畑や農園は、無茶苦茶になったらしい。依頼の内容は、魔物退治と犯人の調査だ。」

「その依頼がうちに来たの?有名になったものね」マスターは、嬉しそうにもせず、ただこう言った。

「それは、違う。どこにもそんな無茶な依頼を受ける奴がいない。それは...」

  彼の言葉を遮るようにケンが口を開いた。

「正体不明の魔物と戦う度胸が無い奴が多いからだ。そうだろ?マスター」

  挑発的な瞳をして、書類を床に落とした。

「そうは、言っては、いない。だが、ヒルアの話によれば魔物によっては、一筋縄では、行かないぞ。覚悟して向かえ」ケンは、立ち上がり、マスターの耳元でこう囁いた。「分かってるさ。知ってるだろ?マスター、このギルドの中で俺達が1番に強いって...」彼の目は、殺気を放っていたが、コクは、怯えもしなかった。

「俺の次にな...」と言って、ただ微笑むだけだった。

 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿


 酷いという言葉だけが、脳を支配して、こちらの心を凍りつかせた。依頼主の花園や農園は、魔物に食い散らからされ、パトラ達は、ただ呆然としていた。

「これじゃ、ここを閉鎖するしかありません。全てを魔物に壊された。何をしていいかも分からなくて...」

 依頼主の彼は、崩れ落ちていた。流した涙は、止まることは、なく、どんどん溢れていった。パトラは、耐えきれず、彼に寄り添った。

「大丈夫。あたし達が来たからには、この花園を襲った犯人を突き止める。」

「は、犯人?それは、魔物では、」彼は、目を丸くして、発する声が震えていた。

「ブルーメンヘッドは、魔物が少なく、凶暴性は、ない。そんな奴らが食料もない花園を襲う訳がないだろ。きっと裏があるはずだ。」ケンは、淡々とそう語っていた。「でも、花園と農園は、隣接しています。作物を狙って、魔物は...」「奴らは、森に実った木の実や虫や小動物系を食べる。少なければ平等に行き渡るはずだ。最近、ブルーメンヘッドは、魔物が増えたらしいな...」

  彼は、ケンの言葉に困惑して、目が泳いだ。

「何が言いたいのですか、魔物がどうしたんです?」

「急に魔物が増えると思う?それにどれも凶暴なやつばっかり...絶対に人の仕業よ。」パトラがそう言うとは、彼は、悲痛の表情を浮かべていた。

「こんな事を誰が...」パトラは、彼の背中を擦り、こう囁いた。

「あたし達がその誰かを突き止めるのよ...」


 ✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

  ヒルア達は、フェルトの依頼でブルーメンヘッド雪山に向かっていた。聞いた話によると、ビーストとスモークに感染した魔物は、凶暴化し、人型へと進化していき、殺戮を始める。感染しない確率は、ゼロに等しく、もし人間に感染してしまえば、体は、処理しきれず、爆発して死ぬ...。

 その猛毒の名前は、ヒューマン。フェルトは、そう言っていた。特効薬も無く、ワクチンも無い。ただ抗薬剤さえ、作れれば、突破口があるはずだ。

 ヒルア達にフェルトは、そう語り、雪山には、薬草が沢山、生えてる。ヒルアの知識で、材料になる奴を探せ。彼女は、何度もその言葉達を呼び寄せて、唱えるが、どの薬草も雪の影響で凍りついていた。

「これじゃ、抗薬剤の材料には、ならないな」ユージンは、溜息を吐いていた。

「そうだね。フェルトさんがあたしに言ったんだ。一つだけ、凍らない強い薬草がある。それを探せって、でもこれじゃ見つからない。」

  辺りには、風が吹き、寒さは、頂点まで達した。土地も広大で探すのに時間が、かかるだろう。「うわぁぁぉぁぁぁ!!」と誰かの悲鳴が聞こえ、ヒルア達は、

その声を辿って、走り抜いた。たどり着いた先は、大きなシロクマが男を襲い、

食事をする所だった。ヒルアは、銃を向け、引き金を引こうとしていた。

「何をしようとしているんだ!か弱いシロクマに君達は、少しも可愛いとは、思えないのか!!」顔も知らない男に怒鳴られ、ヒルア達は、唖然としていた。

 なんでこうも変な人に出会う確率が多いのだろう。ただ、2人は、そう思うしかなかった。


  次回に続く

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