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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第1章繰り返す日常で変わる覚悟。
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正義に正解などない

  「 なんで。あんた、魔法使えないのよ。使えたら、船まで楽勝にいける

 でしょ」

「 仕方ないだろ、使えないだから」

  全く、喧嘩してる場合では、ないのだが、彼らの口論は、とどまることを

 知らない。ヒルアは、なんか、いい方法がないのかと考えを巡らしていた。

 ふと見上げていると、敵が空を飛ぶバイクに乗って、銃弾を打っていた。

 ヒルアは、突然、何か閃いたのだ。それは、侵入できる方法が

 見つかったからだ。すぐに口を開いたがケンに遮られた。


「 盗んだバイクで走ればいいじゃないか?」

  ケンが指ざす方向に皆は、目を向け、頷いた。


「 それは、いい方法だな、これだったら空まで行けるぜ」

  ユージンは、緩やかに微笑みが見えるが、一体、どうやって空を飛んでいる

 バイクを盗むのだろう。


「 そうね、ユージンは、どうやってバイクを盗むの?」

  ヒルアは、青年にそう尋ねた。

「 そんなの決まってんだろ」

  ユージンは、どこに隠して持っていたのか、拡張器を取り出してこう叫び

 出した。

「 おーい!そこのテロ集団、空を飛ぶなんてずるい真似なんかせず、こっちに来て戦おうぜ」

  敵は、ユージンの声にすぐさま気づき、手招きをしていた。


「お前らがこっちに来い!それとも怖くて来れないのか?」

  敵は、挑発するような目でこちらを見下ろしていた。それでもユージンは、

 動じず煽り続けていた。


「 それは、お前らだろ。死ぬのが怖くて降りてこられないだよな。ヘタレテロ集団め」ユージンの言葉にヒルアは、こう思っていた。こんな幼稚で馬鹿みたいな挑発に乗るわけないだろう。


「そんな子供みたいな挑発に乗らないよ。ユージン」

  青年の不敵な笑みで促され、視線を移した。


「ゴタゴタうるせぇだよ」敵は、一斉に地上に降りてこちらに銃を向ける。


「ほらな。乗ってきたな」ユージンは、銃を向けられているのに、怯えてる様子

 すらない。


「 めんどくさいわね、爆円弾!!」

  パトラがバズーカから玉を放って、敵の周囲を爆破させた。煙幕のせいで敵の

 視界が遮断された。

  そして危機を回避する為、敵は、バイクから降りていた。

「今のうちよ!行きましょう」


「 俺、いい所なしじゃないか。持って行きやがって、パトラ」


「 そんな事を言ってる場合?早く乗らないと死ぬよ」

  ヒルアにそう言われ、ユージンは、周りに視線を移すといつのまにか煙幕は

 消えていた。敵は、鬼のように彼らを見ていた。

 ヒルアに手を引かれ盗んだバイクに乗り込んだが弾幕が邪魔をする。


「──守護幕!」とヒルアが呟き、透明なバリアを周囲に張り巡らせた。敵を攻撃を防いだが銃声は、鳴り止まず、ユージンの耳元でずっと残っていた。

 空を飛ぶバイクで空を駆け上がり船内に無事、侵入する事が出来た。だが中には、敵の兵士達が全域に張り巡らせていた。


「相当、警戒してるみたいね」彼らは、壁際に隠れていた。敵の様子を伺っているが多くて、見つかったら集団リンチどころじゃあ、すまない。


「これは、見つかったらやばいかもな」

 ユージンは、そう呟くが、ケンは、それを横目に何か武器を出していた。


「気に食わねぇな、殺せばいいだろ」

 敵をターゲットにして短剣を投げようとしていた。そんな気づかれるような事をしたら一斉攻撃だ。


「ケン。そんな短絡的な事は、やめよう。」剣が持っていた短剣を取り上げた。


「同族と殺し合いしてどうすんだよ。マスターに怒られても知らないからな、

 ケン」


「 んなもん知るかよ、テロを止めるだろ?ここで止まっても仕方ないだろ」

 ケンは、不服そうな顔してオマケに舌打ちまでしていた。ユージンに言われた事がよっぽど気に食わなかったみたいだ。

「 そりゃそうだけどどうするだよ」


「 もう手遅れだけ思うだけど目の前に居るし···。」

 ヒルアが指ざす方向に皆が視線を向けた。すると、気づいた時には、もう遅くて囲まれていた。なんかお決まりの流れみたいだが、彼らは、そんな簡単に終わりは、しない。

「ヒルア、早く言えよ」ユージンは、酷く動揺していた。先程とは、全く違う。


「あたしだって、今気づいたの。奴らは、気配を消していたから...」

 ヒルアは、いつの間にか言霊術を唱えたのか、ユージンには分からなかった。

 どうやらそれは見る限り雷網だ。パトラがそう言っていた。

「全域にこれを張り巡らしたよ。ねぇ?人って何ボルトで死ぬか分かる?」


「 いつの間に、ヒルア、そんなの出来たんだよ」

 驚きのあまり、ユージンは、そう言ってしまった。


「 不意打ちは、勝利への近道よ。さあ答えてよ?敵さん...」

 敵は、首を横に振った。


「0.1ボルトだよ。最も辛い拷問は、苦痛を与え、死を身近に感じさせる事。ねぇボスは、どこにいるの?」ヒルアは、そう脅すが誰も口なんて開く訳が無い。

言ってしまえばテロは、台無しだからだ。

 ヒルアが指をパチンと鳴らした瞬間に電流が入り乱れ、悲鳴が響き渡る。


「言いなさい。じゃないと止めないよ?死ぬまで後何ボルトかな」

 ヒルアは指折りで数え、敵を恐怖に貶めていた。


「やりすぎじゃないか」ユージンは、ヒルアの肩を叩くがものともしない。


「ユージン。安心して殺す気なんてないわ、あくまで拷問よ。情は、要らないわよ」彼は、止めようとしたがパトラに遮られた。

敵は、度重なる苦痛に耐えかねて、ボスの居場所を吐いた。敵の言うところには(ボス)は操縦室にいて、部下の指揮をしているみたいだ。


「死んでないのか?こいつら」彼らの周囲には、敵は、そこらじゅうに倒れ込んでいた。


「気絶させただけ。しばらく眠ってもらった方が有利でしょ」

 ヒルアは、気にさずにどんどん、奥へと進んでいく。


「こうやって、今まで逃げて来たのか?」

 ユージンがそう尋ねるとヒルアは、こう言った。


「まぁそうかもしれないね」と意味深な笑みを浮かべ、目的地へと向かった。


「居るわね、ボスって言うぐらいだから強いかもね。正面突破は、ちょっと不味いかしら」

 彼らは操縦室の前に着いたが、敵の残党とボスが居た。


「つまんねぇの、不意を付いたらいいじゃねぇの裏口とかねぇのか?」

  小さい窓から僅かな糸口を彼らは、探していた。

「ケン。そんなのあったら苦労は、しないわ」


「パトラ、ここからだったら行ける」

 ユージンが見上げた先には、非常用の通路があり、覗いてみると、操縦室に

繋がっていた。


「じゃあ俺が行く、1人の方がいいだろ」

  ユージンは、すぐさま、通路口に手をかけた。


「それもそうだね、お願いするね」

   ヒルアの問いに頷き、ユージンは、ハイジャンプで駆け上がり、通路へと

潜った。しばらく行くと行き止まりでどうやら目的地まで着いたみたいだ。

 足元の隙間からはボスと見られる男性とその部下がいた。

「ヤケに静かだなまさかやられたりは、してないよな」


「それは、無いと思いますよ、魔法使いがこっちに飛んできたとしても大砲で

一網打尽ですよ」


「確かにそうだな」ユージンが数えるがボス1名部下4名って所だ。


「それはどうかな、雷鳴剣(らいめいけん)!」

 刃から雷の真っ直ぐな線が落とされ、周囲に張り巡らせる。足元の窓を壊して、すぐさまボスの後ろから抱きつき、首に剣をあてた。


「さぁ、殺されたくなかったら、今すぐ、砲撃をやめろ。じゃないとボスさんは、死ぬぞ」


「案ずるな。やめるなよ、野望が砕かれてしまう」

 バーンと衝撃波が走り、船内に穴が開いていた。その穴から魔法使いが見えた。ユージンは、こう思った。おそらく国際ギルド局の奴らがこちらに来るはずだ。

自分が見つかっては、不味いと考えた。

 そしてハイジャンプで通路へと潜り、船外へと逃げ出した。

  その後、ヒルアとなんとか合流して地上に降りていく。


「これは、手柄横取りね、ほらみなさい?落とされるわ」

 パトラが視線を向けた先には、血だらけのボスが見せしめに吊り上げられ

ナイフでこちらに落とすみたいだ。空を飛ぶ船からボスが落とされコンクリートの地面は、血の海となっていた。


「残酷ね、これが正義なの?」目の前に居たヒルアは、足がすくんで後ずさりしか出来ない。


「さぁね。ヒルア、そんな綺麗事は、捨てなさい。不確かなものに縋っても無駄よ」パトラは、冷めた目で事態を見終わり、彼らの今日を終えた。


 次回に続く。

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