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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第3章 魔法世界に狂わされた少女とある1人の男と千武族の戦い。
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ねぇ博士、あたしは、今...。

  彼女にとって、博士がいない日々など過ぎっていくだけで、何も感じない。

  あの二人に捕まり、拷問されたからって、痛みさえも全ての痛覚機能が麻痺してしまっていた。ただ血だけが、彼女が生きてる証だった。

「どうした?ルビア、博士の墓参りに行くじゃないのか?」

 ジロンに突然、声を掛けられ、肩をすくめてしまう。

「はい、行きますよ。ちょっと考えをしていたんです。」

「考え事?なにか悩んでいるのか」

「違います。ちょっと過去の事を思い出していたんです。ルワード博士が殺されてから、あたしは、ただのロボットでした。だって、ルワード博士が私を人間にしてくれた。だから、今日は、ルワード博士に会いに行ってきます。」

  彼女は、涙を流しながらも、微笑んでいた。

「お、俺も行っていいか?ルビア」

「全然、良いですよ。」


 ************

  ジロンは、空挺バイクにルビアを乗せ、ルワード博士の墓場に向かっていった。

  目的地に着くと、そこには、自然豊かで何百人の墓が建てられていた。

「ここがルワード博士の墓です。会いに来ましたよ、久しぶりです。喜ぶか,分かりませんが、アイラ博士達の居場所だった科学機関を壊滅寸前まで追い詰めました。そして、貴方が嫌いだった白魔王に恥をかかせてやりました。ずっとずっと、貴方は、平和な日々を望んでました。だからあっちの世界で、穏やかに眠ってください。」ジロンから見えたルビアの背中は、震え、顔が見えなくても、泣いてるのが分かっていた。「ルワード博士、貴方は、ルビアを立派な人間に作りあげた。素晴らしい発明家だ。」「...ジロンさん?」

  彼女が横を向くと、彼は、墓に跪いていた。

「はっきり言って、科学機関は、また復活する。あの白魔王が居る限り、俺とルビアが一緒に何度でも潰す。悲劇が二度と起こらないように...そして、ルビアを創造してくれて、ありがとう。俺に勇気と正義を教えてくれた。貴方の本当の願いは、ルビアと一緒に世界中を旅したかった。何も縛られずに、俺達は、これから、世界を巡って、テロの被害や貧困に苦しんでる人達を救いに行ってきます。だから、 暖かく見守ってください」

  ジロンが手に握っていたのは、ルワード博士が生前書いていた夢日記だ。ルビアには、あまり辛く、途中で読むのをやめてしまったのだ。だって、叶えられていない願いが多く、見るに耐えられない。

「ジロンさん、それ全部、読んだんですか?」

「あぁ...偶然な。こんな平凡な願いも叶えられずに博士は、無念に死んで行った。でも、最後にこう書かれていた。ルビア、お前さえ、幸せになってくれれば、俺の人生に後悔は、ない。」ジロンが見せた夢日記の最後のページには、その1行が、書かれていた。ルビアは、崩れ落ち、涙が止まらず、ルワード博士の墓を抱きしめていった。「ありがとう。私を創造してくれて、あたしを人間にしてくれて、生きる意味を教えてくれた。ルワード博士、貴方を愛していました。」

  ジロンは、彼女に影響され、涙を流していた。ふと目の前をみるとルワード博士らしき者が居た。幽霊を見るのは、初めてで、開いた口が塞がらない。

「ルビアをより人間にしてくれてありがとう。あたしの代わりにルビアと一緒に旅を楽しんでくれるといい。あたしがいなくては、ルビアがどうなってしまうか分からないと心配していたが、君なら大丈夫だ。何の未練も後悔もなく天国に行ける。これからもルビアと傍にいてくれ。」

  ジロンは、ただ頷いた。ルワード博士の幽霊は、空へと旅立っていった。去った顔は、優しく笑っていた。きっと今のルビアを見て安心したのだ。

「ジロンさん、そろそろ帰りましょうか。もうすぐで暗くなってしまいます。」

「あぁ...そうだな。」

  ルビアは、落ち着いたのか、涙の雫は、止まっていた。

「ジロンさん、旅の話は、初めて聞きましたよ。断る理由もないですが...」

「一緒に来ないのか?」ジロンがそう尋ねると、ルビアは、そっぽ向いた。

「別にジロンさんがどうしてもっていうなら、一緒に行ってあげてもいいですよ。」「良かった!断れたら、どうしようと思ったぜ。よし帰るか!」

「そうですね!」ルビアは、激しく、鼻息を鳴らし、イラついた様子だ。

  ジロンは、ルビアの乙女心が分からず、首傾げていた。彼らは、ルワード博士の墓場を去っていった。彼もきっとルビア達のことを暖かく見守っているだろう。

 

  次回に続く。






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